DEEP BLUE OCEAN

鼓太朗

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第四章 初めての海へ

初めてのボート

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ダイビングのスタイルは2種類ある。
ビーチから徒歩でエントリーする「ビーチエントリー」と、船で少し離れたポイントまで行って潜る「ボートエントリー」。

2日目は憲章のボートデビュー。
ポイントは千畳丘せんじょうきゅう
だだっ広い砂地が続く砂地ポイント。
北側には大きな根があって小魚たちが群れている。
波の影響を受けにくく初心者の初ボートにはうってつけのポイントだ。
船から潜るときはビーチと違ってエントリー(着水)の方法もきちんと練習しなければならない。
エントリー方法で初心者が学ぶのは、背中から後ろ向きに入るバックロールエントリーが主流だ。
船縁ふなべりに座ってレギュレーターをくわえる。
オクトパス(予備の呼吸源)や残圧計を船の外側にたらし、右手でレギュレーターとマスクの正面、左手でマスクの後側をおさえ、後に誰もいないことを確認したら尻をズリズリと動かしてタンクの重みで後ろ向きにエントリーする。
エントリー後、浮かび上がるようにBCDに適量の空気を忘れずに。
後はアンカー(いかり)のついたロープまで泳いでいって、そのロープをつたって少しずつ潜行する。

船のエンジンを止めるとセッティング開始だ。
憲章もぎこちないが目一杯のスピードでセッティングする。
ここでモタモタすると船が揺れるので走っているときよりも酔いやすい。
スピーディーなセッティングは自分の身を守る、と言うと何だか大層だが、快適な海への第一歩だ。
海人もミスがないかよく確認しながら準備完了。
美しいバックロールエントリーで水に入ると少し離れたところで憲章に合図を送る。
バシャーンと大きな水しぶきを上げて憲章がエントリーした。
恐らく一回転以上したようにも見えたが、憲章は落ち着いて浮かび上がるのを待った。
なかなか感心だ。
アンカーロープまで泳ぐとロープをしっかりもって少しずつ耳抜き(耳にかかる水圧を解消する動作)をしながらゆっくりと潜行した。

水深15m。
広い砂地の真ん中におりると、憲章はまだまだぎこちない動作でフィンキックをすると海人のそばまで泳いできた。
まだまだ砂を巻き上げているが、初心者にしてはまぁ及第点というところだ。
砂を巻き上げずに泳ぐ練習にこの千畳丘はいいポイントだ。
見上げると水面近くをキビナゴの大群が体をキラキラさせながら泳ぎ回っている。
砂地にはヨメヒメジやホウボウなど低層で生活する魚たちがが泳ぎ回っている。
根の近くにはゴンズイが群れて泳いでいた。
彼らは口元にはえた髭に毒があるので素手でさわるのは危険な魚だが、特に攻撃性はないのでボール状になったゴンズイ玉はかわいらしい。
憲章は昨日一生懸命練習した中性浮力を試しながら、魚たちを見るたびに目を丸くしながらじっと魚の動きを観察していた。

そこに珍しい魚が海人たちの前に現れた。
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