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第五章 南洋大橋計画
大切なもの
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帰りの車。
洋平はたいそう不機嫌だった。
それはそうだろう。
洋平は誰よりも店と地元の海を愛しているのだから。
「!! お前!!!」
いきり立つ洋平を海人は必死に押さえた。
「言っていいことと悪いことがあるだろ!!」
海人の腕を振り払う勢いで洋平の語気が荒くなる。
そんな洋平にも三波は臆せずに言った。
「お店の収益とそこにやって来る観光客の集客力の差を見てみぃや。どっちが地元に有益やと思う? 僕だって決して地元を寂れた田舎町でおいておきたくない。海の中のことは兄さんたちには遠く及ばなく無知やけど、あの町にはもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいし好きになってもらいたい。そのために僕は大学院まで行かせてもらって必死に勉強したよ。切り口は違っても地元を愛する気持ちは負けてないつもり。それに、地元に人がたくさん来たら、兄さんたちのお店にもプラスになると思うけど。」
三波はまっすぐな目でそう言った。
「落ち着いて考えてみて。また詳しく決まったら逐一報告するから。」
滞在時間は30分足らず。
海人の運転で来た道を帰る洋平と海人は終始無言だった。
海人が声を出せないので運転中に話せないのもあったが何より洋平がかなり不機嫌で黙り混んでいたからだ。
途中、吉備湯浅のサービスエリアの中にあるコンビニでコーヒーを飲みながらタバコを吸う間も洋平はイライラとした様子で無言だった。
「大切なものを失いたくないんは変わらん。俺にとってあの店はかけがえの無いもんや。」
もうスピードで粋すぎる本線の車を見るでもなく眺める洋平はポツリとそういって残った少しのコーヒーを飲みきった。
海人も気持ちは同じだった。
父が遺したあの店。
いくら海流に影響がないとしても海の中では無害ではない。
橋桁の下の動物たちは?
泳いで逃げることのできる魚や活発な甲殻類たちやタコやイカはまだいい。
亮助&幸助兄弟を感動させたイソギンチャクの群生や貝の仲間、ウニやイソバナなどのアクティブに動かない動物たちはどうなる?
彼らをすべて動かして新しい場所に根付くにはまた長い時間がかかる。
そんなことはダイバーでなくては分からない。
一方で三波の言うことは分からないでもない。
海人たちの町は過疎かが進んで若者が都会へと流れていくのは日に日にスピードが増していくのは海人たちも感じていた。
新たな産業が必要なのもあながち間違いではない。
でも…。
海人の自問自答はその後の車内でも続いた。
洋平はたいそう不機嫌だった。
それはそうだろう。
洋平は誰よりも店と地元の海を愛しているのだから。
「!! お前!!!」
いきり立つ洋平を海人は必死に押さえた。
「言っていいことと悪いことがあるだろ!!」
海人の腕を振り払う勢いで洋平の語気が荒くなる。
そんな洋平にも三波は臆せずに言った。
「お店の収益とそこにやって来る観光客の集客力の差を見てみぃや。どっちが地元に有益やと思う? 僕だって決して地元を寂れた田舎町でおいておきたくない。海の中のことは兄さんたちには遠く及ばなく無知やけど、あの町にはもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいし好きになってもらいたい。そのために僕は大学院まで行かせてもらって必死に勉強したよ。切り口は違っても地元を愛する気持ちは負けてないつもり。それに、地元に人がたくさん来たら、兄さんたちのお店にもプラスになると思うけど。」
三波はまっすぐな目でそう言った。
「落ち着いて考えてみて。また詳しく決まったら逐一報告するから。」
滞在時間は30分足らず。
海人の運転で来た道を帰る洋平と海人は終始無言だった。
海人が声を出せないので運転中に話せないのもあったが何より洋平がかなり不機嫌で黙り混んでいたからだ。
途中、吉備湯浅のサービスエリアの中にあるコンビニでコーヒーを飲みながらタバコを吸う間も洋平はイライラとした様子で無言だった。
「大切なものを失いたくないんは変わらん。俺にとってあの店はかけがえの無いもんや。」
もうスピードで粋すぎる本線の車を見るでもなく眺める洋平はポツリとそういって残った少しのコーヒーを飲みきった。
海人も気持ちは同じだった。
父が遺したあの店。
いくら海流に影響がないとしても海の中では無害ではない。
橋桁の下の動物たちは?
泳いで逃げることのできる魚や活発な甲殻類たちやタコやイカはまだいい。
亮助&幸助兄弟を感動させたイソギンチャクの群生や貝の仲間、ウニやイソバナなどのアクティブに動かない動物たちはどうなる?
彼らをすべて動かして新しい場所に根付くにはまた長い時間がかかる。
そんなことはダイバーでなくては分からない。
一方で三波の言うことは分からないでもない。
海人たちの町は過疎かが進んで若者が都会へと流れていくのは日に日にスピードが増していくのは海人たちも感じていた。
新たな産業が必要なのもあながち間違いではない。
でも…。
海人の自問自答はその後の車内でも続いた。
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