GO TO THE FRONTIER

鼓太朗

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第六章 ポックとマーフィーの大冒険

コウモリの背中に乗って

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「うわぁぁぁぁぁーーー!!!!」
と叫びたいが、もはや声がでないポック。
今、ポックは生まれて始めて空を飛んでいる。
しかも巨大なコウモリの背中に乗って。
満月の夜。
静まり返った夜の島に巨大なコウモリの影がパタパタと軽い音をたてながら飛び回っている。
いや…実際はまっすぐに飛びたいのだが海から来る強烈な潮風と背中でガタガタ震えるポックにオオコウモリが必死にバランスをとっているのだ。
「おぅい、ちったぁじっとしてくれねーかぁ。ただでさえ風が強いんだから。そう背中でごそごそされたんじゃかなわねぇ。」
そう言ったオオコウモリの背中で「そんなこと言ったってー!!」とポックは声にならない声で言った。
真っ暗で月明かりにぼんやり島が照らされてはいるが、島陰以外ほとんど何も見えない。

*****

空からレオンのもとへ行く提案は、クラベスが始め難色を示した。
「中がどうなっているかわからない。あたしたちゃーそこに入ったことがないからね。それに中の人間があんた達に何かしないとも限らない。」
確かに…。
中の様子が分からないのはリスクが大きすぎる。
ティンバはその軽い感じで「大丈夫大丈夫♪」と言っているが。
その時、
「中の様子ならわかるよ。」
ポックたちの頭上から声がした。
見上げるとオオコウモリの子ども(子どもと言っても普通の大人コウモリの三倍ほどあるが)が逆さまのまま話しかけた。
「僕たち、夜になるとあの建物のほうに食べ物を探しに行くんだけど、あの建物の中には小さな森があって、そこに小さな虫が飛び回ってたり、美味しい果物が植わってたりするんだ。そこなら君たちが隠れるくらいわけないと思うよ。君たちくらいの大きさならパパの背中に乗ってけばいいよ。ね。パパ?」
オオコウモリの子どもがそう言って傍らで眠っている父親を起こす。
大きな父親は翼でかおを隠して眠っていたが、息子に起こされ、不機嫌そうな様子でこちらを見た。
そして…再び寝た。
えーーー?
寝ぼけてるー。
とポックは思ったが、
「なるほど、夜なら人の目にもつきにくい。忍び込むにはそれもいいかもしれませんね。」
と、納得した。
「で、中に入ったらどうすんだい。建物の中は迷路のようになっているって聞くよ。運よく友達に会えるもんかね?」
クラベスはそう言うとふぅっとため息をついた。
うーん。
確かにそうだ。建物の中に侵入するのはリスクが大きい。
レオンに会う確率よりも他の人間に会う確率の方が断然高いのだから。
間違って違う人間に見つかれば捕まえられたり、最悪殺されたりすることもあり得る。
「まぁここで悩んでもしゃーないやん♪ とりあえず今夜行ってみて、明日の夜、またオオコウモリはんに迎えに来てもらうってのはどう? 会えても会えへんかっても、とりあえず。」
ティンバの相変わらず軽い提案から、「とりあえず」侵入してみることになった。
大丈夫かねぇ…と最後までクラベスは心配そうだったが…。
うん。俺も心配…。と思うポックであった。
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