GO TO THE FRONTIER

鼓太朗

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第八章 虫と獣の戦争

光の向こう側へ

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「ふん!こざかしい!すぐにお前たちを地獄に送ってやる!」
脚を全て奪われたダークスパイダーの言葉は、なんともチープなボスの発言だったが、本体だけで浮き上がり、闇属性の魔法を放ってきた。
それでもダークスパイダーの攻撃の隙間を縫ってレオンの仲間たちの攻撃が襲いかかる。
ダンとハイデンが目配せをしたのを、そして二人してレオンの方を見たのをレオンは確認した。
レオンと目があった二人はニヤッと笑うと、レオンに声をかける。
「最後は三人で合わせ技といこうぜ!」
「足に強化魔法を頼む!」
ダンとハイデンがそう言うのでレオンは無言で頷くと手のひらに魔法を集めた。
レオンは最後に花をダンとハイデンに持っていっても良いと思った。
息を整えるとダンとハイデンに魔法をかける。
利き脚(ダンは右脚、ハイデンは左脚)に魔力を帯びた二人はアンナやマリア、サラの魔法攻撃の切れ目を狙ってフワリと舞い上がると、華麗に回転すると時計回りと半時計回りのまわし蹴りを放った。
青白い光を放った二人の脚から放たれるまわし蹴りは、ダークスパイダーの身体を「S」字型にしてそのまま三分割にした。
「ぎゃぁぁぁぁぁあーーーーー!」
耳に突き刺さる断末魔を残してダークスパイダーの身体は三枚おろしにされてしまった。
「「ふーー!」」
深く息を吐くダンとハイデン。
「すごい! これがバラン先生の秘伝の技?」
アンナが興奮して聞く。
「あぁ、そうだ。普通の攻撃より断然効果が増すからな」
額にうっすらかいた汗をぬぐうとダンは言う。
「俺たちの技にレオンの魔法を絡めればきっと勝機があるとバラン先生が言ってた。まぁ、レオンが強化魔法と合わせて風魔法まで付加するとは予想してなかったけどな」
ハイデンはそう言ってレオンの頭をガシガシと乱暴に撫でる。
「いたた…。ただ強化するだけじゃフォローにならないかなーって思ってね。でも素晴らしかったよ」
レオンも痛いの半分嬉しいの半分である。
まんざらではない表情で笑って返す。
その時、突然レオンの耳にちょっと低めの女性の声が届いた。
ライモンダ先生だ。
『魔物の戦争を納めたようね?』
「!!! ライモンダ先生?!」
レオンが周囲を見回す。
もちろん周囲にライモンダの姿はない。
『そろそろレオンには、島を出てもらうことにしましょう』
唐突にライモンダはそう言った。
『時の小部屋で話したことを教えたことを覚えていますね? あなたはこの混沌の世の中を収める者。今、まさにそのときが来たのです。光のトンネルを越え、今からあなたはカルバン帝国の中心部、帝都ジャトゥーリに向かいなさい。レオン。それからダン、アンナ、マリア、サラ、ハイデン。あなたたちもレオンに付き従ってこの島を出るのです」
「「「!!!???」」」
ダンたちにもライモンダの声は聞こえたのだろう。
緊張した面持ちで聴いている。
『それからウィン!』
ライモンダは唐突にウェライの息子、ウィンに語りかける。
『あなたは獣の皇帝の息子としてもっともっと強くなる必要があります。今からそこにいるレオンに付き従って旅に出なさい。ウェライにはもうすでに話は通しています。レオンと一緒にいればあなたは今よりももっと早く確実に力を得るでしょう。そうして強くなって、いつか父上を助けるのですよ!』
ライモンダはウェライの息子、ウィンにも話しかける。
ウィンは宙の一点を見つめて一瞬固まっていたが、次の瞬間には決意を秘めた目で力強く頷いた。
『では急ぎなさい。光のトンネルの場所はわかりますね?』
レオンにはなぜか頭の中に島の地図が浮かび、光のトンネルの位置も手に取るように分かった。
『バランに頼んで洞窟の出口にあなたの乗ってきた馬車と馬が用意してあります。部屋の荷物も馬車の中に転移しておきました。それに乗ったら速やかに光のトンネルに向かい、この島を脱出しなさい。私が教えたこととあなたの生まれながらの能力で、どんな困難も乗り越えるのですよ! 行きなさい。運命の渦に抗うことなく、流されることなく。あなたの道を歩みなさい!』
そこで、ライモンダは一度言葉を切る。
そして息を大きく吐くと、再び言葉を続けた。
『これを持っていきなさい。ジャトゥーリについたらここに書かれている宿、「月夜亭」という宿屋を探しなさい。宿の主はきっとあなたの力になってくれるでしょう。さぁ、お行きなさい。私の自慢の一番弟子よ』
同時にレオンの手には一枚の巻き紙が。
レオンはダンやアンナを見る。
強く頷く面々。
巻き紙を懐に直すと、クラベスを見た。
「お行き。未来を掴むんだよ」
力強く頷くクラベスがいた。
「そうだ、ガキんちょにこれをあげよう。もしもの時になにか役に立つかもしれない」
クラベスはそう言うと、くるくるに巻いた動物の角のようなものをポックに手渡した。
「これは魔法の角笛。もしかしたらあんたらの役に立つかもしれない。さぁ、行っておいで青二才!」
ポックにそう言って角笛を手渡すクラベスを見たレオンは、周りのメンバーを見渡し、深く頷くと洞窟の出口に向かって走り出した。
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