41 / 50
第九章 カルバン帝国(カルバ王子編①)
潜入! バル大陸!
しおりを挟む
レオンたちは洞窟内を一心不乱に駆け抜けた。
虫たちの残党が襲ってきたが、振り払うように双剣を振るう。
洞窟を抜けると森の中に入る。
ポックはもはや懐かしくもある森を感慨深く見回しながらも走る速度は緩めない。
指定された場所にはちゃんと馬車と馬車を引くペガの姿があった。
ペガは久しぶりに見るレオンとダンに向かって嬉しそうに尻尾を振る。
「おぉ!ペガ!元気だったか?!でも今は再会を喜んでる場合じゃねーな!みんな乗れ!出発するぞ!」
ダンは女性陣(特に小柄なサラ)の手をとり、投げ込むようにのせると御者台に座って手綱を取った。
光のトンネルは島の東側。
大木の影になっているところにぽっかりと空いていた。
「さぁ、大冒険の始まりだ!」
ダンは元気にそう言うと、光のトンネルに歩を進めた。
*****
バル大陸。
この世界には四つの大陸があるが、その中でもっとも大きな大陸が南の大陸、バル大陸だ。
そしてその大陸の北東部、海から程近い立派な城塞。
それがバル大陸最大の都市であり、カルバン帝国の帝都、ジャトゥーリだ。
政治と文化の都として栄え、石造りの塀は天に届くように高い。
「うっへーでかい!!」
光のトンネルを抜けるとそこは森の中だった。
その森を抜けるとすぐに目に入ったのが天に突き刺さるような見張りの塔。
それを見上げてウィンとポックがのんきな声をあげる。
なんとも緊張感のないやつらだとレオンはあきれるが、目の前の巨大な塔とガッチリとした石垣でできた塀に囲まれた外観。
確かに他を圧倒する国力を持つカルバン王国の力の強大さを物語っていた。
「ついたね! カルバン帝国」
レオンは荘厳な建物にみとれながら誰にともなく呟いた。
「ホントに、国力を現すような美しい建物ね」
ため息をはくようにマリアも言った。
こんな強大な国が相手に戦争にでもなろうものならアラベスク王国もただではすまない。
いや、勝ち目があるのかすら怪しいものだ。
それくらい、カルバン帝国の帝都・ジャトゥーリは堅牢でものものしい雰囲気のある帝都だった。
「さて、どうやって入る?」
ダンは御者台から中を振り返る。
「玄関からお邪魔しまーすって入るわけにはいかないわよね?」
アンナも思案するように腕組みをした。
「どうかしら?ラプラドル島から来たってことでいれてもらえないかしら?」
マリアの言うことは一理あるような気もする。
「いや、護衛もつけず、何の連絡もなくいきなりラプラドル島から俺らみたいな若造だけが送られてきたらさすがに不自然だろう…」
ハイデンはそう言って反対した。
「この状況はやっぱり正直にいうべきではないんですよね?」
サラは周りを見回して聞く。
「恐らく俺たちは合法的というかオフィシャルに島の外へ出された訳じゃないだろうからな。下手に何か言わない方が無難じゃないか?」
ダンはそう言い、ハイデンも頷いた。
「じゃあ、変化術で何かに化ける? 行商人とか兵隊とか…」
サラはそう言うとひらりと舞い上がると太った行商人風の中年男に化けた。
「それとも、俺たちが奴隷商人。変化できないダンやハイデンは奴隷ってことでどう?」
ニヤリと笑うとレオンは黒ずくめの奴隷商人に化けた。
あまりいい思い出がないダンは一瞬嫌な顔をする。
「お…おぅ。それもひとつ手だな…」
できれば避けたそうな苦い表情のダン。
「この国では不法侵入は死罪だ。できれば合法的に入りたいもんだな」
ハイデンはどこまでも冷静だった。
「これだけの人数が足もつかずに無事潜入させてもらえるほどこのカルバン帝国は甘くないと思う。もし入るなら合法的な方法を見つけるか、もしくは…」
「完璧に隠しきるか」
ハイデンを引き継ぐ形でレオンが言い、いたずらっぽくサラ(中年の行商人)が笑う。
声までおっさんだ。
さて、どうするか…。
「ちなみにライモンダ先生からの書状には何か指示はないの?」
アンナが尋ねる。
「うん?」
レオンは思い出したように懐に忍ばせた巻き紙を取り出す。
「そういえばちゃんと読んでなかったね」
そう言うと、レオンは、ライモンダからもらった書状を読み始めた。
虫たちの残党が襲ってきたが、振り払うように双剣を振るう。
洞窟を抜けると森の中に入る。
ポックはもはや懐かしくもある森を感慨深く見回しながらも走る速度は緩めない。
指定された場所にはちゃんと馬車と馬車を引くペガの姿があった。
ペガは久しぶりに見るレオンとダンに向かって嬉しそうに尻尾を振る。
「おぉ!ペガ!元気だったか?!でも今は再会を喜んでる場合じゃねーな!みんな乗れ!出発するぞ!」
ダンは女性陣(特に小柄なサラ)の手をとり、投げ込むようにのせると御者台に座って手綱を取った。
光のトンネルは島の東側。
大木の影になっているところにぽっかりと空いていた。
「さぁ、大冒険の始まりだ!」
ダンは元気にそう言うと、光のトンネルに歩を進めた。
*****
バル大陸。
この世界には四つの大陸があるが、その中でもっとも大きな大陸が南の大陸、バル大陸だ。
そしてその大陸の北東部、海から程近い立派な城塞。
それがバル大陸最大の都市であり、カルバン帝国の帝都、ジャトゥーリだ。
政治と文化の都として栄え、石造りの塀は天に届くように高い。
「うっへーでかい!!」
光のトンネルを抜けるとそこは森の中だった。
その森を抜けるとすぐに目に入ったのが天に突き刺さるような見張りの塔。
それを見上げてウィンとポックがのんきな声をあげる。
なんとも緊張感のないやつらだとレオンはあきれるが、目の前の巨大な塔とガッチリとした石垣でできた塀に囲まれた外観。
確かに他を圧倒する国力を持つカルバン王国の力の強大さを物語っていた。
「ついたね! カルバン帝国」
レオンは荘厳な建物にみとれながら誰にともなく呟いた。
「ホントに、国力を現すような美しい建物ね」
ため息をはくようにマリアも言った。
こんな強大な国が相手に戦争にでもなろうものならアラベスク王国もただではすまない。
いや、勝ち目があるのかすら怪しいものだ。
それくらい、カルバン帝国の帝都・ジャトゥーリは堅牢でものものしい雰囲気のある帝都だった。
「さて、どうやって入る?」
ダンは御者台から中を振り返る。
「玄関からお邪魔しまーすって入るわけにはいかないわよね?」
アンナも思案するように腕組みをした。
「どうかしら?ラプラドル島から来たってことでいれてもらえないかしら?」
マリアの言うことは一理あるような気もする。
「いや、護衛もつけず、何の連絡もなくいきなりラプラドル島から俺らみたいな若造だけが送られてきたらさすがに不自然だろう…」
ハイデンはそう言って反対した。
「この状況はやっぱり正直にいうべきではないんですよね?」
サラは周りを見回して聞く。
「恐らく俺たちは合法的というかオフィシャルに島の外へ出された訳じゃないだろうからな。下手に何か言わない方が無難じゃないか?」
ダンはそう言い、ハイデンも頷いた。
「じゃあ、変化術で何かに化ける? 行商人とか兵隊とか…」
サラはそう言うとひらりと舞い上がると太った行商人風の中年男に化けた。
「それとも、俺たちが奴隷商人。変化できないダンやハイデンは奴隷ってことでどう?」
ニヤリと笑うとレオンは黒ずくめの奴隷商人に化けた。
あまりいい思い出がないダンは一瞬嫌な顔をする。
「お…おぅ。それもひとつ手だな…」
できれば避けたそうな苦い表情のダン。
「この国では不法侵入は死罪だ。できれば合法的に入りたいもんだな」
ハイデンはどこまでも冷静だった。
「これだけの人数が足もつかずに無事潜入させてもらえるほどこのカルバン帝国は甘くないと思う。もし入るなら合法的な方法を見つけるか、もしくは…」
「完璧に隠しきるか」
ハイデンを引き継ぐ形でレオンが言い、いたずらっぽくサラ(中年の行商人)が笑う。
声までおっさんだ。
さて、どうするか…。
「ちなみにライモンダ先生からの書状には何か指示はないの?」
アンナが尋ねる。
「うん?」
レオンは思い出したように懐に忍ばせた巻き紙を取り出す。
「そういえばちゃんと読んでなかったね」
そう言うと、レオンは、ライモンダからもらった書状を読み始めた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる