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第九章 カルバン帝国(カルバ王子編①)
双子王子
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フロントを若い男性に任せ、レオンは奥の応接室のような部屋に通された。
背は高いが顔立ちの幼い少女とも言えるような女性が暖かいお茶を人数分用意する。
なんだか鼻に抜けてスーっとするミントのような香りがした。
透き通る青色をした不思議なお茶。
「ブルーキャッツというハーブのお茶よ。これにレモンを入れると…」
クルエラはそう言ってレモンを絞ると、真っ青な液体は鮮やかな紫色になった。
「おー!!!」
一同驚嘆する。
クルエラはクスリと笑う。
何となく笑ったときにできる右側の笑いジワがライモンダとよくにている。
「面白いでしょ。ちょっとしたカルダン名物よ」
そう言ってクルエラは話を元に戻した。
「あなたたちは今日、ジャトゥーリに?」
一口お茶を飲むとレオンたちを見た。
「僕たちはライモンダ先生の言われるがままに光のトンネルを越えて先程この街に来ました。実は…」
レオンは今までのあらましをクルエラに話した。
アラベラで起こった怪事件、トクラでの出来事、アラベスク王国の内乱、ラプラドル島でのライモンダとの出会い、ラプラドル島での授業のこと、ラプラドル島での獣と虫の戦争の話、そして今に至るまで。
クルエラは静かに一部始終を聞いていた。
「なるほどね…」
クルエラはそう呟くと、レオンを見た。
「大変だったわね。でもね、レオン。そして皆さん。あなたたちは更に厄介なところに首を突っ込んでしまったようね」
そう言うと、クルエラは今のカルバン帝国の事情について語り始めた。
今のカルバン帝国は、初代皇帝ジャトゥーリ帝の直系の子孫に当たるタイロン大帝とその息子たちであるカルバとゲルバという双子の王子が領地を支配しているとのこと。
タイロン帝はすでに高齢で、実権はほぼ双子の王子が握っている。
兄のカルバは切れ者で冷血。弟のゲルバは熱血漢で短気。
宰相として国内の統治をカルバ王子、将軍として対外的な軍事行動をゲルバ王子が担当している。
そんな二人は双子でありながら非常に仲が悪いらしい。
性格も真逆で部下の前で堂々とぶつかるとか…。
何ならお互いの命をひそかに狙っているとのこと。
そこまで話すとクルエラはため息をついた。
「今この国は水面下で様々な思惑が錯綜しているの。あなた達のような異国の人は出入国もままならない状況よ。やっぱり国家的に内輪で揉めてるっていうのを他国に知られたくないのよね。まったく仕方のない人たち…」
そう言ってレオンたちを見る。
これだけ国の中が乱れているなら、レオンたちがアラベスクに帰るのは一筋縄ではいきそうにない。
まずこの国から出にくい状況なのだから。
更に何か対策を立てないと国外に出ることはかなり難しそうだ。
ただ、入ったばかりのレオンにはどうしようもないというか、どうしたら良いのか分からない部分が大きい。
「故郷に帰るのにはかなり綿密な計画が必要なようですね。それまで、ここでお世話になってもいいですか?」
レオンが訪ねるとクルエラは快諾してくれた。
「こんなスラム街の宿でよければいくらでもゆっくりしていってね」
クルエラはウインクしてみせる。
レオンはさっきから疑問に思ったことを口にしてみる。
「変な話ですけど、一国民であるクルエラさんがその事を知っているってことは、それってかなり有名な話なんですか?」
アンナたちも同じように疑問に思っていたようで、うんうんと頷く。
「まぁ、皇帝一家の情報はとある情報筋から筒抜けなの」
何やら含みのある言い方をするクルエラ。
「というと?」
ハイデンが聞いてみる。
「長くこの街に住んでいるとね。つてってのができるのよ」
そう言ってクルエラは笑って答える。
そのつてとやらはなんなのか?
レオンたちの頭の上に大きな「?」が浮かんだところで背後の扉が開いた。
背は高いが顔立ちの幼い少女とも言えるような女性が暖かいお茶を人数分用意する。
なんだか鼻に抜けてスーっとするミントのような香りがした。
透き通る青色をした不思議なお茶。
「ブルーキャッツというハーブのお茶よ。これにレモンを入れると…」
クルエラはそう言ってレモンを絞ると、真っ青な液体は鮮やかな紫色になった。
「おー!!!」
一同驚嘆する。
クルエラはクスリと笑う。
何となく笑ったときにできる右側の笑いジワがライモンダとよくにている。
「面白いでしょ。ちょっとしたカルダン名物よ」
そう言ってクルエラは話を元に戻した。
「あなたたちは今日、ジャトゥーリに?」
一口お茶を飲むとレオンたちを見た。
「僕たちはライモンダ先生の言われるがままに光のトンネルを越えて先程この街に来ました。実は…」
レオンは今までのあらましをクルエラに話した。
アラベラで起こった怪事件、トクラでの出来事、アラベスク王国の内乱、ラプラドル島でのライモンダとの出会い、ラプラドル島での授業のこと、ラプラドル島での獣と虫の戦争の話、そして今に至るまで。
クルエラは静かに一部始終を聞いていた。
「なるほどね…」
クルエラはそう呟くと、レオンを見た。
「大変だったわね。でもね、レオン。そして皆さん。あなたたちは更に厄介なところに首を突っ込んでしまったようね」
そう言うと、クルエラは今のカルバン帝国の事情について語り始めた。
今のカルバン帝国は、初代皇帝ジャトゥーリ帝の直系の子孫に当たるタイロン大帝とその息子たちであるカルバとゲルバという双子の王子が領地を支配しているとのこと。
タイロン帝はすでに高齢で、実権はほぼ双子の王子が握っている。
兄のカルバは切れ者で冷血。弟のゲルバは熱血漢で短気。
宰相として国内の統治をカルバ王子、将軍として対外的な軍事行動をゲルバ王子が担当している。
そんな二人は双子でありながら非常に仲が悪いらしい。
性格も真逆で部下の前で堂々とぶつかるとか…。
何ならお互いの命をひそかに狙っているとのこと。
そこまで話すとクルエラはため息をついた。
「今この国は水面下で様々な思惑が錯綜しているの。あなた達のような異国の人は出入国もままならない状況よ。やっぱり国家的に内輪で揉めてるっていうのを他国に知られたくないのよね。まったく仕方のない人たち…」
そう言ってレオンたちを見る。
これだけ国の中が乱れているなら、レオンたちがアラベスクに帰るのは一筋縄ではいきそうにない。
まずこの国から出にくい状況なのだから。
更に何か対策を立てないと国外に出ることはかなり難しそうだ。
ただ、入ったばかりのレオンにはどうしようもないというか、どうしたら良いのか分からない部分が大きい。
「故郷に帰るのにはかなり綿密な計画が必要なようですね。それまで、ここでお世話になってもいいですか?」
レオンが訪ねるとクルエラは快諾してくれた。
「こんなスラム街の宿でよければいくらでもゆっくりしていってね」
クルエラはウインクしてみせる。
レオンはさっきから疑問に思ったことを口にしてみる。
「変な話ですけど、一国民であるクルエラさんがその事を知っているってことは、それってかなり有名な話なんですか?」
アンナたちも同じように疑問に思っていたようで、うんうんと頷く。
「まぁ、皇帝一家の情報はとある情報筋から筒抜けなの」
何やら含みのある言い方をするクルエラ。
「というと?」
ハイデンが聞いてみる。
「長くこの街に住んでいるとね。つてってのができるのよ」
そう言ってクルエラは笑って答える。
そのつてとやらはなんなのか?
レオンたちの頭の上に大きな「?」が浮かんだところで背後の扉が開いた。
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