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第一章 旅の始まり
怪我をおった大男とクロジャッカル
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アラベラの町の北側、丘を下った先には木の生い茂る斜面がある。
さらに北に伸びる山道は獣道のようにも見えるが、崖のような上り坂を登り、森を抜けると今度は雪の谷と呼ばれる切り立った崖がある。
雪の降りしきる豪雪地帯なのでかなりハードなルートだ。
その先はノヴェラ族という北方の民族が暮らす地域になる。
馬車が通れないのでノヴェラ族の住む一番近い集落であるクララトの町までは徒歩でしかいけない。
ジャフは高齢になり、この斜面を上るのが辛くなった。
薬草は斜面の先、森のかなり奥の方まで行かないと生えていない。
ジャフとレオンが近場のものは取ってしまっていて、また生えるのには少し時間がかかるのだ。
一方、町の南側はというと、小川が流れていてその向こうは東側にかけてアラベラの人々に「迷いの森」と呼ばれている森が広がっている。
ひとたび森に入ると同じような風景が続いている。
木が密集している所が多く、日が射さないところは方向感覚を失うため、むやみに歩き回るのは危ない。
森の中には毒を持っている危険なモンスターもいるため、あまり奥深く入ることの無いようにジャフからは言われていた。
レオンは護身用にブーメランを常に持ち歩いていたが、木がうっそうと繁った森の中ではブーメランは非常に使いにくく、行動に限界がある。
ただ、目と耳と鼻のいいポックのお陰で迷うこともモンスターと遭遇することも滅多に無かった。
レオンは所々に転がる石の上を器用に跳びながら小川をわたった。
日頃は膝よりも深いところはない川だが、所々深い所がある。
少し位濡れるのはなんとも思わないが、足をとられるくらいところもあるのでまばらにある飛び石を利用する。
町の南側には迷いの森を抜けて隣の町のトクラへと続く石畳の道と立派な石の橋がある。
ただ、レオンたちは勝手知ったる庭のような場所なので、そこまでぐるりと回るよりこちらの方がかなり近道だ。
ポックもあまり水に濡れるのを好まないため、石の上を器用に通っていく。
今日もあっという間に町の東側にある森の入り口に着いた。
薬草を採取するために石畳のある道と反対側の東へ東へと進む。
「なぁ見ろよ。あそこに人が倒れてる!」
ポックの視線の先、森の入り口になるほど人が倒れていた。
石畳の道からはかなり北へ離れているので旅人とは考えにくいが、町の人々もこんな辺りにはあまり来ない。
この距離であの大きさ。
かなり大きな男性のようだ。
筋骨隆々としていて下は白い格闘着、上は裸。
旅の武道家スタイルだ。
大きな麻袋を持っていることから長距離を移動する予定だったのだろう。
仲間はいないのだろうか?
近づくと何か毒のある動物に攻撃されたのだろう。
背中に大きな傷跡があった。
紫色に変色した傷跡はかなりいたそうだ。
レオンはポックと出会った時のことを思い出す。
小さく背中が上下しているので息はある。
ただ早く手当てしないと手遅れになるだろう。
「クロジャッカルだね。」
レオンは呟くように言った。
ポックも頷く。
この辺りにいる肉食のモンスター。
大型犬ほどの大きさで、真っ黒い身体と爪に毒を持つ。
水が苦手なので小川を隔てたアラベラの町には滅多に現れないが、年に何度か橋を渡って町に現れて被害が出ている。
この辺りの生態系の頂点に君臨する肉食系のモンスターだ。
「まだ近くにいるなら僕たちも危ない。ポック、町に戻って誰かを呼んできてくれないか? その間に応急手当をしておくから。」
ポックはじっとこっちを見ていたがしょんぼりと答えた。
「分かった。でも、町の人には俺の言葉は通じない。」
確かに…。しかし彼をおいて二人で町に戻っている時間は無いように感じた。
レオンはうーんと顎をかいた。
伯父さんたちなら気付いてくれるかもしれないが、いかんせん高齢だ。
連れてくるのにも時間かかかる。
どうしたものか。
レオンは必死で思案する。
「じゃあ、エリオとジャックを呼んでくるんだ。あいつらなら異変に気づいてくれるはず。力も強いし、無理矢理引っ張って来て! 早く!」
レオンは幼馴染みで悪友たちの名前を挙げた。
ハッとしたポックは分かった、とばかりにピョンと跳ねると町へと走っていった。
「さてと。」
レオンは独り言を言って手早く手当ての準備を始める。
ポックの時は家でしたが、今はそんな暇はなさそうだ。
まず、体格が立派すぎてレオン一人では運べない。
その場で処置を始める。
薬草を処理する道具は常に持ち歩いている。
小川の水を布に浸し、すりつぶした薬草を搾る。
清潔な別の布でそれを受けて背中の傷にあてた。
水気で張り付いている間に仰向けにするために身体をひっくり返す。
気を失った大きな身体は異様に重く、ひっくり返すのにかなり苦労した。
ようやくの思いで仰向けにするとはじめて顔を見た。
顔は思ったよりもずっと若い。
レオンよりも年上のようだが20代前半だろうか。
端正な顔立ちで眉のキリッとした若者だった。
身体中傷だらけなことから、恐らくかなり長い間旅をしてきたのだろう。
脇腹の辺りも毒におかされた傷があったので手当てをする。
毒を受けているのはその二ヶ所。
あとは薬草で化膿止めをするだけでなんとかなりそうだ。
さっきから誰かに見られている気がする。
森の中から鋭い視線を感じていた。
周りに注意を払いながらも手早い動作で応急手当をしていく。
とりあえず大きな傷の手当てを済ませると、レオンは森の中を見た。
さっきから視線を感じていた。
いや、もうすでに森の暗がりから銀色の目が二つ、こちらをにらんでいる。
次の瞬間、森の中から黒い塊が躍り出た。
「クロジャッカル!」
レオンはやっぱりと言う気もしながら多少焦る気持ちを意識した。
一人ならなんとか逃げ切ることもできるだろうが、大きな怪我人がいる。
運の悪いことに気を失って自分では動けない。
レオンの頭はフル稼働で次の一手を考えていた。
「やるしかない…」
レオンは少し震える手で護身用のブーメランを握りしめると大男から離れ、目線はクロジャッカルのまま、じりじりと川原のできるだけ広いところまで移動した。
レオンはさっきから背中の冷や汗が止まらない。
目の前のクロジャッカルは身の丈がレオンの腰よりも高い。
かなり大物だ。
だらしなく舌を出しよだれを滴ながら爪で地面を掻いている。
黒紫色をした爪のはえた前足はかなり大きい。
彼を襲ったのもあいつだろう。
レオンはクロジャッカルから目を離すことなくじりじりと大男から離れる。
飛びかかってきたらレオンは避けられても彼は逃げられない。
ふとクロジャッカルがレオンから目を離し、大男の方を見た。
「今だっ!」
レオンは思いっきりブーメランを投げた。
弧を描いたブーメランは狙い違わずクロジャッカルの後頭部にヒットした。
そしてちゃんとレオンの元に戻ってくる。
そこまではよかった。
しかし、クロジャッカルは突然の攻撃に怒ると完全にレオンに標的を変更した。
信じられない速度でレオンに牙を剥いて突進してきた。
レオンはすんでのところでかわしたが、毒のある爪がレオンの右袖を切り裂き、腕に小さな傷をつけた。
傷は大したことがなかったが、その拍子にブーメランを落としてしまった。
しかも少し毒を受けてしまったようで、視界がぼんやりする。
「まずい!」
ぼんやりする頭でレオンはブーメランを拾おうとした時、クロジャッカルはふわりと反転するとこちらに飛びかかってきた。
「やられる!」
思わず目をつむる。
と、その時。
「レオン! 耳を塞いで!」
ポックの声だ。
慌てて耳を塞ぐのとほぼ同時にガラス同士を擦り会わせるようなギリギリという不快な音がした。
ポックの放つ思念波と呼ばれる超音波の一種で、何度か放つ瞬間に出くわしたことがある。
森の中ではポックのおかげでモンスターに出くわすことは少なかったが、たまに出会うとこの思念波で威嚇するのだ。
クロジャッカルは先ほどまでの勢いはどこへやら。
尻尾を巻いて逃げていった。
モンスターの嫌がる周波数の音波を放つ思念波は、目立った武器を持たないイエローフォックの最後の切り札だとポックから聞いた。
助かったという安堵感から、レオンはへなへなと座り込んだ。
「大丈夫か~?」
遠くから二人の人間が走ってくるのが見える。
背が高くほっそりとしたエリオと背が低くでっぷりとしたジャックだ。
ポックの異変に気づいてくれたのか。
「危ないところだったよ。助かった。」
レオンはブーメランを拾うと少し毒で震える手でポックを撫でた。
さらに北に伸びる山道は獣道のようにも見えるが、崖のような上り坂を登り、森を抜けると今度は雪の谷と呼ばれる切り立った崖がある。
雪の降りしきる豪雪地帯なのでかなりハードなルートだ。
その先はノヴェラ族という北方の民族が暮らす地域になる。
馬車が通れないのでノヴェラ族の住む一番近い集落であるクララトの町までは徒歩でしかいけない。
ジャフは高齢になり、この斜面を上るのが辛くなった。
薬草は斜面の先、森のかなり奥の方まで行かないと生えていない。
ジャフとレオンが近場のものは取ってしまっていて、また生えるのには少し時間がかかるのだ。
一方、町の南側はというと、小川が流れていてその向こうは東側にかけてアラベラの人々に「迷いの森」と呼ばれている森が広がっている。
ひとたび森に入ると同じような風景が続いている。
木が密集している所が多く、日が射さないところは方向感覚を失うため、むやみに歩き回るのは危ない。
森の中には毒を持っている危険なモンスターもいるため、あまり奥深く入ることの無いようにジャフからは言われていた。
レオンは護身用にブーメランを常に持ち歩いていたが、木がうっそうと繁った森の中ではブーメランは非常に使いにくく、行動に限界がある。
ただ、目と耳と鼻のいいポックのお陰で迷うこともモンスターと遭遇することも滅多に無かった。
レオンは所々に転がる石の上を器用に跳びながら小川をわたった。
日頃は膝よりも深いところはない川だが、所々深い所がある。
少し位濡れるのはなんとも思わないが、足をとられるくらいところもあるのでまばらにある飛び石を利用する。
町の南側には迷いの森を抜けて隣の町のトクラへと続く石畳の道と立派な石の橋がある。
ただ、レオンたちは勝手知ったる庭のような場所なので、そこまでぐるりと回るよりこちらの方がかなり近道だ。
ポックもあまり水に濡れるのを好まないため、石の上を器用に通っていく。
今日もあっという間に町の東側にある森の入り口に着いた。
薬草を採取するために石畳のある道と反対側の東へ東へと進む。
「なぁ見ろよ。あそこに人が倒れてる!」
ポックの視線の先、森の入り口になるほど人が倒れていた。
石畳の道からはかなり北へ離れているので旅人とは考えにくいが、町の人々もこんな辺りにはあまり来ない。
この距離であの大きさ。
かなり大きな男性のようだ。
筋骨隆々としていて下は白い格闘着、上は裸。
旅の武道家スタイルだ。
大きな麻袋を持っていることから長距離を移動する予定だったのだろう。
仲間はいないのだろうか?
近づくと何か毒のある動物に攻撃されたのだろう。
背中に大きな傷跡があった。
紫色に変色した傷跡はかなりいたそうだ。
レオンはポックと出会った時のことを思い出す。
小さく背中が上下しているので息はある。
ただ早く手当てしないと手遅れになるだろう。
「クロジャッカルだね。」
レオンは呟くように言った。
ポックも頷く。
この辺りにいる肉食のモンスター。
大型犬ほどの大きさで、真っ黒い身体と爪に毒を持つ。
水が苦手なので小川を隔てたアラベラの町には滅多に現れないが、年に何度か橋を渡って町に現れて被害が出ている。
この辺りの生態系の頂点に君臨する肉食系のモンスターだ。
「まだ近くにいるなら僕たちも危ない。ポック、町に戻って誰かを呼んできてくれないか? その間に応急手当をしておくから。」
ポックはじっとこっちを見ていたがしょんぼりと答えた。
「分かった。でも、町の人には俺の言葉は通じない。」
確かに…。しかし彼をおいて二人で町に戻っている時間は無いように感じた。
レオンはうーんと顎をかいた。
伯父さんたちなら気付いてくれるかもしれないが、いかんせん高齢だ。
連れてくるのにも時間かかかる。
どうしたものか。
レオンは必死で思案する。
「じゃあ、エリオとジャックを呼んでくるんだ。あいつらなら異変に気づいてくれるはず。力も強いし、無理矢理引っ張って来て! 早く!」
レオンは幼馴染みで悪友たちの名前を挙げた。
ハッとしたポックは分かった、とばかりにピョンと跳ねると町へと走っていった。
「さてと。」
レオンは独り言を言って手早く手当ての準備を始める。
ポックの時は家でしたが、今はそんな暇はなさそうだ。
まず、体格が立派すぎてレオン一人では運べない。
その場で処置を始める。
薬草を処理する道具は常に持ち歩いている。
小川の水を布に浸し、すりつぶした薬草を搾る。
清潔な別の布でそれを受けて背中の傷にあてた。
水気で張り付いている間に仰向けにするために身体をひっくり返す。
気を失った大きな身体は異様に重く、ひっくり返すのにかなり苦労した。
ようやくの思いで仰向けにするとはじめて顔を見た。
顔は思ったよりもずっと若い。
レオンよりも年上のようだが20代前半だろうか。
端正な顔立ちで眉のキリッとした若者だった。
身体中傷だらけなことから、恐らくかなり長い間旅をしてきたのだろう。
脇腹の辺りも毒におかされた傷があったので手当てをする。
毒を受けているのはその二ヶ所。
あとは薬草で化膿止めをするだけでなんとかなりそうだ。
さっきから誰かに見られている気がする。
森の中から鋭い視線を感じていた。
周りに注意を払いながらも手早い動作で応急手当をしていく。
とりあえず大きな傷の手当てを済ませると、レオンは森の中を見た。
さっきから視線を感じていた。
いや、もうすでに森の暗がりから銀色の目が二つ、こちらをにらんでいる。
次の瞬間、森の中から黒い塊が躍り出た。
「クロジャッカル!」
レオンはやっぱりと言う気もしながら多少焦る気持ちを意識した。
一人ならなんとか逃げ切ることもできるだろうが、大きな怪我人がいる。
運の悪いことに気を失って自分では動けない。
レオンの頭はフル稼働で次の一手を考えていた。
「やるしかない…」
レオンは少し震える手で護身用のブーメランを握りしめると大男から離れ、目線はクロジャッカルのまま、じりじりと川原のできるだけ広いところまで移動した。
レオンはさっきから背中の冷や汗が止まらない。
目の前のクロジャッカルは身の丈がレオンの腰よりも高い。
かなり大物だ。
だらしなく舌を出しよだれを滴ながら爪で地面を掻いている。
黒紫色をした爪のはえた前足はかなり大きい。
彼を襲ったのもあいつだろう。
レオンはクロジャッカルから目を離すことなくじりじりと大男から離れる。
飛びかかってきたらレオンは避けられても彼は逃げられない。
ふとクロジャッカルがレオンから目を離し、大男の方を見た。
「今だっ!」
レオンは思いっきりブーメランを投げた。
弧を描いたブーメランは狙い違わずクロジャッカルの後頭部にヒットした。
そしてちゃんとレオンの元に戻ってくる。
そこまではよかった。
しかし、クロジャッカルは突然の攻撃に怒ると完全にレオンに標的を変更した。
信じられない速度でレオンに牙を剥いて突進してきた。
レオンはすんでのところでかわしたが、毒のある爪がレオンの右袖を切り裂き、腕に小さな傷をつけた。
傷は大したことがなかったが、その拍子にブーメランを落としてしまった。
しかも少し毒を受けてしまったようで、視界がぼんやりする。
「まずい!」
ぼんやりする頭でレオンはブーメランを拾おうとした時、クロジャッカルはふわりと反転するとこちらに飛びかかってきた。
「やられる!」
思わず目をつむる。
と、その時。
「レオン! 耳を塞いで!」
ポックの声だ。
慌てて耳を塞ぐのとほぼ同時にガラス同士を擦り会わせるようなギリギリという不快な音がした。
ポックの放つ思念波と呼ばれる超音波の一種で、何度か放つ瞬間に出くわしたことがある。
森の中ではポックのおかげでモンスターに出くわすことは少なかったが、たまに出会うとこの思念波で威嚇するのだ。
クロジャッカルは先ほどまでの勢いはどこへやら。
尻尾を巻いて逃げていった。
モンスターの嫌がる周波数の音波を放つ思念波は、目立った武器を持たないイエローフォックの最後の切り札だとポックから聞いた。
助かったという安堵感から、レオンはへなへなと座り込んだ。
「大丈夫か~?」
遠くから二人の人間が走ってくるのが見える。
背が高くほっそりとしたエリオと背が低くでっぷりとしたジャックだ。
ポックの異変に気づいてくれたのか。
「危ないところだったよ。助かった。」
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