スパンキング短編集

紅臀堂律

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ある女子生徒達のお仕置き(F/f、学校でのお仕置き、パドル)

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教室には、張り詰めた空気が満ちていた。
黒板の前に立つ女教師が、静かに口を開く。声はよく通り、天井の隅まで響く。

「かつて創世女神レアーネは、争いに満ちた世界を壊そうとした。叡智の男神カイロスは、その心を痛みと恥で諭し、世界を救った。以来、女神の教えにならい、女性が過ちを犯したときは、その身を正すためお尻を叩く——」

朗々とした調子で神話が語られるあいだ、生徒たちは一列に並んで立っていた。
全員、腰から下は裸。脱がされた制服のスカートと下着は足元に畳んで置かれ、両手は頭の後ろで組むよう命じられている。
冷えた空気が肌を撫で、すでに泣いている生徒もいて、羞恥と緊張がじわりと膝を震わせた。
この学校はレアーネ教会が運営する学校の為女子生徒のスパンキングのお仕置きの前には神話の話を語られるのだ。
その中に、一人だけ心ではふてくされている生徒がいた。 

——だからって、なんで女はお尻叩きなのよ。

心の中で毒づくが、口には出さない。出せばそれこそ加減なく叩かれるのは分かっているし、『女性の罰はスパンキング』はこの世界では常識で当たり前の事である……だがそれでもスパンキングされるのは自業自得のお仕置きとはいえ痛いものは痛いし恥ずかしい。


神話が終わると、女教師は淡々と告げた。

「それではこれより順にお仕置きを行います」

そして一番初めの生徒が呼ばれ、別室の扉が閉まる。
そして少し経って響きはじめる——乾いたパドルの音と、それに続く苦痛混じりの謝罪。

「い、痛いです…! も、もうしません…!」

待つ列にその声が届くたび、皆が無意識に尻をすくめる。ふてくされた彼女も、頬に血が上るのを感じた。

やがて一人目が泣き顔で戻り、列の端に立ち戻る。
次、また次と、順番が進み、別室から出てくるたびに女生徒達のお尻は赤く染まり、目元は涙で濡れていた。

「じゃあ次は……」

名を呼ばれ、ついに彼女の番が来た。

 ***

別室に入った瞬間、鼻先をくすぐる革と木の匂い。
中央には頑丈な机、その上にはパドルが数本並んでおり、壁にはカイロスに尻を叩かれるレアーネ像が祭られていた。
その横の椅子に女教師が腰を下ろし、無言で手招きした。

抵抗する暇もなく、彼女は膝の上にうつ伏せにされる。
「始めます」とだけ告げられ、次の瞬間——

 パアン!

乾いた音と鋭い痛みが重なり、思わず歯を食いしばる。

(まだ…平気…)

最初の十回ほどは唇を引き結び、声を漏らすまいと耐えた。

 パァン! パァン! パァン!

(い、痛い……!痛い……!)

だが、数を重ねるごとにお尻の皮膚は熱を帯び、火が走るような痛みに変わっていく。
十五回目で小さく声が漏れ、二十回目にはもう耐えきれずに涙がにじむ。

「あぁ……! い、痛い…! ごめんなさい…もうしません…!」

必死の謝罪も虚しく、パドルは容赦なく振り下ろされる。
三十回目が終わる頃には、お尻は真っ赤に腫れ上がり、呼吸は乱れていた。
女教師が「終わりです。よく耐えましたね」と短く言い、彼女を立たせる。
足が震えてよろけるが、部屋を出て列に戻るしかない。

 ***

全員が叩かれ終わると、女生徒たちは裸の下半身のまま横一列に並び、壁に向かって立たされた。
反省のための静かな時間——啜り泣く声と鼻をすする音、真っ赤に腫れたお尻をじんじんと脈打たせる熱だけがそこにあった。
やがて「終了です。反省しましたか?」と声がかかると、全員がそのままの姿勢で

『反省しました。お仕置きありがとうございます』

と言うとやっと許されてスカートと下着を身につけ、家路につく。
ふてくされていた彼女は、校舎を出た途端、小さくお尻をさすった。

(…やっぱり、痛い…)

その足取りは少しぎこちなかった。
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