スパンキング短編集

紅臀堂律

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ある夫婦のお仕置き(M/F、雰囲気は甘めなお仕置き、平手)

朝、夫婦は小さな子どもを保育所へ連れて行った。
途中で子どもが「はやく~」と笑いながら走り出し、夫と妻が顔を見合わせて笑う。

「こら、転ぶよ」

妻が軽く手を伸ばして子の肩を押さえると、子どもは小さく舌を出した。

保育所の門が見えると、夫が子どもの頭を軽く撫でた。

「今日も元気に遊んでおいで」
「うん!」

保育士が笑顔で迎えると門の前で靴を履き替え、子どもは笑顔で手を振る。

「いってらっしゃーい!」

その無邪気な声の意味を、この子はまだ知らない。
両親がこれから向かう場所も、そこで何が行われるのかも。

 ***

この世界は神話の言い伝えによって女性がスパンキングされるのが当たり前の世界なのだがいくつか守らなければならない常識がある。
その中の一つに「母親は自らの子どもの前でスパンキングされてはいけない」というのがある。
いつから定められているのか不明だが一般常識として広まってるのでこれを疑問に思う者はいない。

なので子どもがいる夫婦がスパンキングのお仕置きを行う際は子どもの目に絶対に触れないようにするか、この夫婦のように保育所に「両親のスパンキングの為」に一時的に預けて施設を利用する夫婦も多くいる。

 ***

二人は保育所を離れ、街角のにある白い建物へ向かった、そこは市が運営するお仕置き専用施設。
外観は役所のように整然としており、扉をくぐると消毒液と磨き上げられた床の匂いが広がる。

受付で夫が名前を記入し、職員が「個室の三番をどうぞ」と告げた。
廊下を進む途中、遠くからパドルの音と泣き声がかすかに聞こえる、妻は歩幅を緩めかけたが、夫が横目で穏やかに視線を送り、軽く頷いた。
その一瞬で、妻は深く息を吸い、歩を進めた。

個室の扉を開けると、棚やソファー、中央には頑丈な木の椅子が一脚。
壁にはパドルや短い鞭が掛けられていたが、夫はそれらに触れず、椅子に腰を下ろす。
視線が合い、柔らかい声が届く。

「準備しようか」

妻は小さく頷き、自ら近づく。
膝の上にうつ伏せになると、スカートが持ち上げられ、下着が静かに下ろされた。
むき出しの肌に冷たい空気が触れ、わずかに身じろぎする。

「今日は最後までやるよ。約束だから」
「……はい」

 パアン!

一打目がお尻に走り、乾いた音が室内に響く。
夫は一定の力で淡々と打ち重ねる。
十回ほどは静かに耐えていたが、熱がこもるにつれ、呼吸が浅くなっていく。

三十回、四十回……

赤く腫れていくお尻と姿勢を崩さぬよう椅子の脚を握る妻を見下ろし、夫は落ち着いた声で言う。

「もう半分だよ。あと少し、頑張って」

六十回を越える頃には、熱は灼けるように強くなり、腰が小さく震えた。
唇を噛んでいた妻から、かすかな謝罪がこぼれる。

「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「わかってる。だから最後までやろう」

八十回目には涙が頬を伝い、声はか細く途切れがちになる。

「……もうしません……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「それでいい。これで終わりにしよう」

九十九回目。お尻は全体が均一に赤く染まり、脈打つような熱を放っている。
最後の一打が響き、夫の手が下ろされた。

「お疲れさま」
「うん……ごめんなさい」
「いいよ、お仕置きは終わったし反省してるから」

促されて起き上がると、夫の腕が肩を引き寄せた。
その温もりに包まれ、張り詰めていた呼吸が少しずつ緩んでいく。
互いの間に言葉は少ないが、それでも理解や愛情は確かにあった。

 ***

しばらくして二人は身支度を整え、部屋を後にした。
施設を出る足取りは来たときよりもゆっくりと。
互いに笑みを交わしながら、愛する子どもの待つ保育所へと向かった。

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