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エピソード0【月神】
【誰かの記憶①】0
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数日にも渡る儀式の末、それは突然起こった。
団員皆で囲っていた魔法陣が激しく光出したのだ。とうとう成功かとおもわれたが、魔法陣の上には何も無い。最終的な結論として、失敗という形で降霊術は幕を閉じた。
「今回も失敗か…」
「また次があるよ、頑張ろっ?」
オカルト団体の団長である学は副団長である姉の渚に励まされる。
オカルト団体「ゴッドムーン」
主な活動は降霊術。その目的は「心霊体験をしたい」や「霊と触れ合いたい」等では無い。新たな知識との遭遇であった。
もちろん、団員の中には単にオカルト好きな者や、暇つぶし程度で加入している者も少なくは無い。だが、団長である学は別世界の知識を手に入れる事だけに全力を注いで来た。渚はそんな弟の夢を応援すべく、オカルトにはあまり興味が無いが副団長として学の活動を支えていた。
「一先ず解散」
学の号令によってその日の活動は終わり、団員達は帰り支度を始めた。
「…っ?」
「どうしたの学」
「いや…何でもない」
降霊術は失敗。そう結論付けられたが、本当にそうだろうか。不思議と部屋の空気に違和感を感じる。
空気が張り詰めていないか?
どこか苦しくないか?
ここはさっきまでの部屋と同じ部屋だろうか?
そんな幾つもの疑問を抱えながら学は渚と共に帰路を辿った。突然切れた指先を見ながら。
次の日の活動からは不思議な事が続いた。
団員が突然気を失って倒れたり。
気づけば体のあちこちに切り傷があったり。
部屋に入った途端に目眩や吐き気を訴える団員が出てきたのだ。
知り合いの研究所に部屋を調べてもらった結果、誰もいない部屋中にエネルギー反応がまばらにあったと言う。
やはりこの部屋には何かいる。
私は思い切って部屋の中の何かに声をかけた。
「おい、いるんだろ。いるなら私達に応えてくれ。どんな形でも構わない」
どんな形でも構わない。
これが諸悪の根源だ。
相手は微弱な霊体だと勘づいた私は、大方私に取り憑いてくれればいい。そして私の中で対話をしようと考えていた。
だが甘かった。
「があっ!?…あ…いだぃ…」
「!?…姉さん!!」
突然隣にいた渚が苦しみ出した。胸を抑えてその場で蹲る。
相手は私が考えていたより微弱では無く。
私が考えていたより友好的では無く。
「アハッ…アッハハハハハハ!」
私達が考えていたより残酷だった。
先程まで苦しみ、動けなかった姉はスっと立ち上がり、私達に冷ややかな視線を向けた。その目を見て団の全員が確信した。これは月神 渚では無い。と。
「ここが現世か…これが生きる…という感覚か」
姉の言葉であり姉の言葉では無い。野郎、私では無く姉に取り憑きやがった。私は清めの札を隠し持ちながら、研究員や団員が見守る中対話を試みた。
「お前…何者だ」
「私か?…そうだな…困った事に私は決まった名は持ち合わせていないんだ。"ツクヨミ"とでも呼んでくれたまえ。喜べ?私こそが貴様らが待ち望んでいた無限の知識を持つ者ぞ」
団員皆で囲っていた魔法陣が激しく光出したのだ。とうとう成功かとおもわれたが、魔法陣の上には何も無い。最終的な結論として、失敗という形で降霊術は幕を閉じた。
「今回も失敗か…」
「また次があるよ、頑張ろっ?」
オカルト団体の団長である学は副団長である姉の渚に励まされる。
オカルト団体「ゴッドムーン」
主な活動は降霊術。その目的は「心霊体験をしたい」や「霊と触れ合いたい」等では無い。新たな知識との遭遇であった。
もちろん、団員の中には単にオカルト好きな者や、暇つぶし程度で加入している者も少なくは無い。だが、団長である学は別世界の知識を手に入れる事だけに全力を注いで来た。渚はそんな弟の夢を応援すべく、オカルトにはあまり興味が無いが副団長として学の活動を支えていた。
「一先ず解散」
学の号令によってその日の活動は終わり、団員達は帰り支度を始めた。
「…っ?」
「どうしたの学」
「いや…何でもない」
降霊術は失敗。そう結論付けられたが、本当にそうだろうか。不思議と部屋の空気に違和感を感じる。
空気が張り詰めていないか?
どこか苦しくないか?
ここはさっきまでの部屋と同じ部屋だろうか?
そんな幾つもの疑問を抱えながら学は渚と共に帰路を辿った。突然切れた指先を見ながら。
次の日の活動からは不思議な事が続いた。
団員が突然気を失って倒れたり。
気づけば体のあちこちに切り傷があったり。
部屋に入った途端に目眩や吐き気を訴える団員が出てきたのだ。
知り合いの研究所に部屋を調べてもらった結果、誰もいない部屋中にエネルギー反応がまばらにあったと言う。
やはりこの部屋には何かいる。
私は思い切って部屋の中の何かに声をかけた。
「おい、いるんだろ。いるなら私達に応えてくれ。どんな形でも構わない」
どんな形でも構わない。
これが諸悪の根源だ。
相手は微弱な霊体だと勘づいた私は、大方私に取り憑いてくれればいい。そして私の中で対話をしようと考えていた。
だが甘かった。
「があっ!?…あ…いだぃ…」
「!?…姉さん!!」
突然隣にいた渚が苦しみ出した。胸を抑えてその場で蹲る。
相手は私が考えていたより微弱では無く。
私が考えていたより友好的では無く。
「アハッ…アッハハハハハハ!」
私達が考えていたより残酷だった。
先程まで苦しみ、動けなかった姉はスっと立ち上がり、私達に冷ややかな視線を向けた。その目を見て団の全員が確信した。これは月神 渚では無い。と。
「ここが現世か…これが生きる…という感覚か」
姉の言葉であり姉の言葉では無い。野郎、私では無く姉に取り憑きやがった。私は清めの札を隠し持ちながら、研究員や団員が見守る中対話を試みた。
「お前…何者だ」
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