【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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4day 5月4日 火曜日

本戦開始

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 あれから一時間後、月神が姿を現した。

「すまない、少し眠りすぎてしまった」

 彼の右手を見る。小指が無く指は四本。間違いない、今度は本物の月神だ。更にここは陽の光がよく届く場所。ヤツが日光を嫌うというのはまだ仮定の範疇だが、確定で良いだろう。恐らく合っている。

「?…どうした松谷誠司くん」
「実はさっき…」

 俺は偽月神の事を事細かに話した。

「参ったな…まさか変身までできるとは…」
「え、知らなかったんですか?」
「あぁ、少なくとも私の前でその力を見せた事は無かった」

 月神がいったいいつからツクヨミと対峙していたのかは分からないが、少なくとも数年単位はあるだろう。その月神でさえも知らない能力を繰り出してきたという事は

「本格的に我々を仕留めにかかった、という訳か…」

 ツクヨミは焦っている。本来ならば昨日の内に俺は死んでいたはずの人間。だが、月神の加入によって俺は助かり、捜査の進行がかなり早くなった。

「良いかい?誠司くん。我々の勝利条件は二つ。
一つはツクヨミが宿っている頭蓋骨の破片を粉々に砕くこと。ヤツが再起不能になるまでな。
二つ目は清めの札を使って封印する事。これはおすすめしない。札の場合、欠片一つ一つにソレを貼らなければならない。一箇所に集めてその周りを札で囲う手段もあるが、そう上手くは行かないだろう。という事で、君にもこれを渡しておく」

「鉄製のハンマー」を手に入れた

「それを使ってツクヨミを見つけ次第叩け」
「分かりました」

 月神と二人、第二校舎へ入る。中は至って普通の校舎。特に大きな変わりは無い。月神と並んで廊下を進み続ける。
 そして突如感じた威圧感。廊下の先の暗闇から何かが急接近してくるのを肌で感じた。反射的に俺はハンマーを構える。暗闇から飛び出して来たのは小さくて白い物質。ツクヨミが憑依した人骨の欠片だ。

「誠司くん!」
「はいっ!」

 月神の呼びかけとほぼ同時にハンマーが振り下ろされる。正確な狙いをつけての攻撃だったが、直前でツクヨミは進行方向を変えた。ハンマーは空振りこそしたものの、ツクヨミは今ので大きく減速。月神はそれを見逃さなかった。封印の札を貼り付け目の前のツクヨミは終息。第一戦は呆気なく終わった。

「ふぅ…こんなのがあと何回続くんですか?」
「さぁ…少なくとも百くらいはあるだろう」
「ひゃ…百…」

 予想外の数字に項垂れる。が、これも最終日確保と父親捜索のため。気を取り直して俺達は進みを再開した。
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