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4day 5月4日 火曜日
貫通
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あれから数分。コチラはツクヨミの触手攻撃に防戦一方。
「ハハハッ!どうした人間、来ないのか?」
拳銃なんて物は無い。無闇に近づけない。遠距離攻撃の手段が無い俺達は、ヤツの攻撃をただひたすらに避け続ける選択しか無かった。
「誠司くん、これを」
「?」
触手を避ける最中、月神に手渡されたのは二つ折りにされた一枚の紙。広げるとそれは清めの札だった。
「私が何とかしてヤツの隙を作る。その一瞬でヤツにこの札を貼り付けたまえ…」
「えぇ…そんな」
「無理は承知だ。だが頼むっ!」
「あ、ちょっと!?先生!」
俺の返答も待たずして月神は飛び出して行ってしまった。真正面からツクヨミの元へ。
それを察知し、襲いかかるおぞましい触手達。だが月神は華麗な身のこなしで攻撃を全てかわしていく。恐るべき運動神経だ。
「ぐぬぬ…小賢しい!」
「返してもらうぞ!その体!」
思いのほか急接近した月神に、ツクヨミは顔色を変え始めた。ヤツは焦って周りが見えていない。その証拠にヤツは俺の接近に気づいていない。真正面から向かって行った月神とは逆に、俺は部屋の壁を伝うように大回りしてヤツに近づいている。
攻撃を受け流し、どんどん本体へ近づいて行く月神。そしてヤツの視界から外れるように大回りして本体へ近づく俺。このまま月神が粘っている間に俺がトドメをさして勝利。そう思ったが甘かった。
「どうした!この程度かツクヨミ!」
「…」
俺が辿り着くより早く、月神がツクヨミの目の前まで辿り着いた。月神が清めの札をヤツに貼り付ける直前。
「間抜けが」
グショア…
何とも言えない鈍く瑞々しい音が部屋に響いた。今までとは比べ物にならない速度。新たな触手がツクヨミ本体から飛び出して来た。それは真正面にいた月神に直進し
「…せ…先生!!」
月神の体を貫いた。
「ぐっ…ゴハッ…!」
「ハハハハッ!愉快愉快!油断したなぁ?人間。わざと手を抜いていたとは知らず。このために一本隠し持っていたとは知らず」
思わず足を止めてしまう。頭では分かっている。止まっている場合では無い。早く向かわなければ。けれど目の前の惨劇に目を奪われ、足がすくみ動けずにいた。
突然流れてきた誰かの記憶の中で人が死ぬ様は何度か見せられたが、見ただけと、実際に立ち会うのとでは全く違う。むせ返る程に充満した血の臭いに吐き気を覚える。
「…ふんっ」
ツクヨミは一瞬、血の臭いに顔色を悪くした俺を見る。横目でチラッと確認した後、すぐに月神に視線を戻した。戦力外、警戒する必要の無い相手だと思われたようだ。
(クソっ…何か突破口になるような物は…)
・鉄製のハンマー
・探検セット
・人骨
「ハハハッ!どうした人間、来ないのか?」
拳銃なんて物は無い。無闇に近づけない。遠距離攻撃の手段が無い俺達は、ヤツの攻撃をただひたすらに避け続ける選択しか無かった。
「誠司くん、これを」
「?」
触手を避ける最中、月神に手渡されたのは二つ折りにされた一枚の紙。広げるとそれは清めの札だった。
「私が何とかしてヤツの隙を作る。その一瞬でヤツにこの札を貼り付けたまえ…」
「えぇ…そんな」
「無理は承知だ。だが頼むっ!」
「あ、ちょっと!?先生!」
俺の返答も待たずして月神は飛び出して行ってしまった。真正面からツクヨミの元へ。
それを察知し、襲いかかるおぞましい触手達。だが月神は華麗な身のこなしで攻撃を全てかわしていく。恐るべき運動神経だ。
「ぐぬぬ…小賢しい!」
「返してもらうぞ!その体!」
思いのほか急接近した月神に、ツクヨミは顔色を変え始めた。ヤツは焦って周りが見えていない。その証拠にヤツは俺の接近に気づいていない。真正面から向かって行った月神とは逆に、俺は部屋の壁を伝うように大回りしてヤツに近づいている。
攻撃を受け流し、どんどん本体へ近づいて行く月神。そしてヤツの視界から外れるように大回りして本体へ近づく俺。このまま月神が粘っている間に俺がトドメをさして勝利。そう思ったが甘かった。
「どうした!この程度かツクヨミ!」
「…」
俺が辿り着くより早く、月神がツクヨミの目の前まで辿り着いた。月神が清めの札をヤツに貼り付ける直前。
「間抜けが」
グショア…
何とも言えない鈍く瑞々しい音が部屋に響いた。今までとは比べ物にならない速度。新たな触手がツクヨミ本体から飛び出して来た。それは真正面にいた月神に直進し
「…せ…先生!!」
月神の体を貫いた。
「ぐっ…ゴハッ…!」
「ハハハハッ!愉快愉快!油断したなぁ?人間。わざと手を抜いていたとは知らず。このために一本隠し持っていたとは知らず」
思わず足を止めてしまう。頭では分かっている。止まっている場合では無い。早く向かわなければ。けれど目の前の惨劇に目を奪われ、足がすくみ動けずにいた。
突然流れてきた誰かの記憶の中で人が死ぬ様は何度か見せられたが、見ただけと、実際に立ち会うのとでは全く違う。むせ返る程に充満した血の臭いに吐き気を覚える。
「…ふんっ」
ツクヨミは一瞬、血の臭いに顔色を悪くした俺を見る。横目でチラッと確認した後、すぐに月神に視線を戻した。戦力外、警戒する必要の無い相手だと思われたようだ。
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・鉄製のハンマー
・探検セット
・人骨
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