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4day 5月4日 火曜日
しんそう
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「何だよ…今の…」
屋上へと続く扉が開かれ、向こう側の景色が見えたと思った瞬間、何かが脳裏を急速に駆け巡った。誰かの記憶だ。記憶の一部始終が俺の頭に流れ込んで来た。そんな感じ。
「…んっ……せい…」
しかし誰の記憶だ?
いや、分かった。分かっている。けど知らない。
え、ってか今、父さん?父さんか?あれ。
いや、だって、あれ?
「誠司くん!しっかりしろ!」
「ハッ!?」
頭の中でグルグルと駆け巡る記憶、そして困惑。無限に続いたであろうその周回を止めたのは月神の一声だった。
そして気づけば目の前には異様な光景。
高速で迫り来る白くて大きな何か。
(あ…死んだ?)
本能的にそう思った。目の前のソレが何なのかは分からないが、ソレに当たれば体は木っ端微塵に俺は吹き飛ぶ。そんな気がした。
俺がボケっとしていた一瞬。その一瞬の隙で俺はもう…。
「ハアアッ!」
「グヘェ!?」
直感で死を覚悟した俺だったが、突如腹に走る激痛、重圧。その圧に押され、俺は紙一重で目の前の何かをかわす事ができた。
そして、少し離れてようやくソレが何なのか分かった。
触手だ。白くて大きな触手。部屋の奥から伸びる巨大なソレは、ウネウネと不規則な動きをしている。タコやイカの物とは違い、吸盤らしき物は見えない。
部屋も今までとまるで違う。ここは旧校舎。あくまで学校だ。そのはずなのに今いるこの部屋は、まるで屋敷の大広間。床には真っ赤な絨毯、天井は高く、高価そうなシャンデリアが吊るされている。薄暗いところは今までと変わらない。
「何をボーッとしていたんだ!こんな時に!」
「ゲホッゴホッ…す、すみません…」
どうやら今の腹の痛みは月神の蹴りが原因だったようだ。触手に襲われそうになった俺を咄嗟に避けさせるため、得意な回し蹴りで俺をあの場から吹き飛ばしたという。
「忌々…しい…忌々しい…」
部屋の奥の暗闇から何か聞こえる。聞いた事の無い声だ。だが、直感で声の主が誰なのかは分かった。
「お前が…ツクヨミ!」
部屋の暗がりに立ちすくむ人影。人の姿をしているが、決して人では無い存在。全ての元凶。目の前のソレに目はついていないはずなのに、常に睨まれている気がしてならない。それほどの威圧感がヤツにはあった。
「消えろ…消えろ消えろ消えろ消えろ…」
ツクヨミが喋る度、部屋が呼応するかのように揺れ動く。触手の動きが早くなり、それと同時に俺達の心音も速度が増していく。
(…来るっ!)
「邪魔な奴らは皆…消えてしまええええええ!!」
ツクヨミが操る無数の白い触手が、凄まじい速度で俺達に襲いかかった。
5/4 AM1:21
屋上へと続く扉が開かれ、向こう側の景色が見えたと思った瞬間、何かが脳裏を急速に駆け巡った。誰かの記憶だ。記憶の一部始終が俺の頭に流れ込んで来た。そんな感じ。
「…んっ……せい…」
しかし誰の記憶だ?
いや、分かった。分かっている。けど知らない。
え、ってか今、父さん?父さんか?あれ。
いや、だって、あれ?
「誠司くん!しっかりしろ!」
「ハッ!?」
頭の中でグルグルと駆け巡る記憶、そして困惑。無限に続いたであろうその周回を止めたのは月神の一声だった。
そして気づけば目の前には異様な光景。
高速で迫り来る白くて大きな何か。
(あ…死んだ?)
本能的にそう思った。目の前のソレが何なのかは分からないが、ソレに当たれば体は木っ端微塵に俺は吹き飛ぶ。そんな気がした。
俺がボケっとしていた一瞬。その一瞬の隙で俺はもう…。
「ハアアッ!」
「グヘェ!?」
直感で死を覚悟した俺だったが、突如腹に走る激痛、重圧。その圧に押され、俺は紙一重で目の前の何かをかわす事ができた。
そして、少し離れてようやくソレが何なのか分かった。
触手だ。白くて大きな触手。部屋の奥から伸びる巨大なソレは、ウネウネと不規則な動きをしている。タコやイカの物とは違い、吸盤らしき物は見えない。
部屋も今までとまるで違う。ここは旧校舎。あくまで学校だ。そのはずなのに今いるこの部屋は、まるで屋敷の大広間。床には真っ赤な絨毯、天井は高く、高価そうなシャンデリアが吊るされている。薄暗いところは今までと変わらない。
「何をボーッとしていたんだ!こんな時に!」
「ゲホッゴホッ…す、すみません…」
どうやら今の腹の痛みは月神の蹴りが原因だったようだ。触手に襲われそうになった俺を咄嗟に避けさせるため、得意な回し蹴りで俺をあの場から吹き飛ばしたという。
「忌々…しい…忌々しい…」
部屋の奥の暗闇から何か聞こえる。聞いた事の無い声だ。だが、直感で声の主が誰なのかは分かった。
「お前が…ツクヨミ!」
部屋の暗がりに立ちすくむ人影。人の姿をしているが、決して人では無い存在。全ての元凶。目の前のソレに目はついていないはずなのに、常に睨まれている気がしてならない。それほどの威圧感がヤツにはあった。
「消えろ…消えろ消えろ消えろ消えろ…」
ツクヨミが喋る度、部屋が呼応するかのように揺れ動く。触手の動きが早くなり、それと同時に俺達の心音も速度が増していく。
(…来るっ!)
「邪魔な奴らは皆…消えてしまええええええ!!」
ツクヨミが操る無数の白い触手が、凄まじい速度で俺達に襲いかかった。
5/4 AM1:21
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