【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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4day 5月4日 火曜日

決着

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 ツクヨミは何か喚いたり暴れたりする事無く、静かに消えていった。巨大な闇がみるみるうちに晴れ、やがて跡形もなく消滅した。ヤツが完全に消え、気づけば俺達は普通の教室に立っていた。確かにあったはずの大広間やシャンデリアは跡形もなく消えていた。

「終わった…のか?」

 辺りを見渡し、変わった所が無い事を確認する。間違いなく普通の教室だ。見渡すうち、呼吸を荒らげた月神が視界に入った。

「先生!」
「やっと…終わったな」

 俺は月神の元に駆け寄る。凄い汗だ。出血も酷い。ロープでキツめに月神の体を縛ったが、あまり効果は無いようだ。意識が朦朧としているのか、目の焦点が合っていない。

「先生待っててください、今救急車を…」
「いや…必要無い…」

 俺は救急車を呼ぼうとスマホを取り出したが、月神の手によってゆっくり制止された。月神はスーツの内ポケットに手を突っ込むと、折りたたまれた一枚の紙を俺に手渡した。開いて見ると、中には誰かの電話番号らしき数列が殴り書きされていた。

「この…番…号…に…頼む…」
「え…この番号って…一体…」

 俺は訳が分からず硬直してしまったが、月神が向ける真っ直ぐな瞳に突き動かされた。俺は硬直を解き、困惑しつつも渡された電話番号に電話をかけた。

「あとは…頼む…」
「…先生?」





 電話にはとある男性が出た。今の現状と月神の事を話すと向こうは察しがついたようで、後の事についてテキパキと電話越しで指示をくれた。
 男は自分の名を明かす事無く、"ツクヨミの研究に携わった者の遺族"だと、そうとだけ言った。まず「救急車は呼ばなくていい、誰も呼ぶな」と指示され、次に現在地を聞かれた。月神高校にいることを伝えると、十分も経たない内に一台のワゴン車が校内に入って来た。
 乗っていた一人の男性は俺を助手席に、月神を後部座席に寝かせた。
 出発の際バックミラーを覗いた時、第二校舎は跡形もなく消えていた。

「あっ…雨…」

5/4 AM2:13
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