【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

文字の大きさ
40 / 47
4day 5月4日 火曜日

【CASE5】③

しおりを挟む
(人骨でどうにか…)

 これを見せびらかしてヤツの気を引く…。

(いやいやいや、それでどうなる!?こんなの言ってしまえばその辺の石と変わらないじゃないか!)

 そう心の中では思いつつも不思議と体が動き、取り出した人骨をツクヨミに向けていた。

「何の…真似だ…」
「いや…何となく」

 って、こんな無意味な事してる場合では無い。
 何か使える道具を探さなければ…。

(探検セットの道具でどうにか…)

 俺はカバンから使えそうな道具を取り出していく。

「確かここに…あった!」

 傷薬と包帯。何かあった時の応急処置道具。

(ついでにロープで体も縛っておこう。止血の助けになれば良いが…)

「もう…駄目だ…逃げ…ろ…誠司…」
「嫌です!」

 死にかけの戦友を置いては行けない。ツクヨミの魔の手がすぐ側まで迫っているが関係ない。今ここで月神を見捨てたら、俺はきっと一生後悔する。たとえ最悪の結果になろうとも、瀕死の彼を助けてやりたい。人として。一人の友達として。

「…みっともないのぉ」

 俺達のそんな儚げな思いを無視し、攻撃を仕掛けるツクヨミ。攻撃が当たるより先に、俺は懐中電灯でツクヨミを照らした。ツクヨミは思わず目を逸らし、触手の素早さが激減。その隙に俺は一気に距離を詰める。ついでに使い道の無い虫眼鏡をヤツに投げつけてやった。

「ぐっ…小賢しい!邪魔だ!…っ!」

 勝機。
 ツクヨミは虫眼鏡を触手で弾いた。その一瞬、自らの触手によって自らの視界を遮った。突如向かってきた虫眼鏡に視線を奪われたのも大きい。ヤツが再び俺に照準を合わせた時、既に俺はヤツの懐に飛び込んでいた。月神から受け継いだ札を片手に。

「貴様…っ!」
「眠れ、ツクヨミ」

 そのまま俺は殴りつけるかの如くツクヨミの額に札を貼り付けた。そこで初めて暗がりに隠れていた彼女の顔を見る事ができた。
 なんてことは無い。
 ただただ美しい女性の笑顔がそこにはあった。

5/4 AM2:05
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

処理中です...