【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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4day 5月4日 火曜日

約束

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「う~ん…」

 何だろう。
 凄く寝苦しい。
 昨日…と言うか、今日の夜中か。
 俺はあの後どうしたっけ。
 確か姉と牛乳飲んで、落ち着いたから部屋に戻って、普通に寝たはず。
 ならなんだ、この妙な寝苦しさは。
 まるで何かに絡み取られてる…ような…いや。

「誠司、お・は・よ・う♪」

 姉に抱きしめられていた。
 なので俺は静かに姉の腕を解き、即座にヘッドロックをお見舞いしたのであった。

「朝っぱらから何してんだオイ、コラ、変質者」
「ぎゃあああ痛い痛い!朝っぱらから!ごめん!ごめんって!」

 俺は丁度良いくらい姉を締め上げたところで解放した。

「なんで俺の部屋で寝てんだよ…」
「なんか寝つけなくて…んで誠司の布団に潜り込んだら安眠できました。まる」
「ソーデスカ、ソレハヨカッタデスネ」

 相も変わらず一体何を考えているんだ、この姉は。まさか実の弟を性的な目で見ているんじゃあるまいな?

「…」
「そんな事より誠司!ついに明日だよ、明日!」

 姉が部屋に掛けてあるカレンダーを指さしながら言った。カレンダーには明日の日付のところに赤いハートマークが大量に書かれていた。油性マジックで濃くハッキリとだ。いつの間に書いたのだろう。

「あ~…そうだった。チケットとかどうする~?あそこ当日販売はそこそこ値が…」
「安心しろ弟よ、抜かりない!」

 姉はポケットから遊園地の入場チケットを二枚出して見せた。

「ふっふっふ…既に手配済みよ…☆」
「おお~、珍しく計画的だ」
「珍しくとは失礼な」

 あの姉が既に先手を打っているなんて…成長したんだなぁ。
 小学校に行く時毎朝のように寝坊して、慌てて違う科目の教科書を準備して、挙句の果てに準備したランドセルを忘れて登校しかけたあの姉が。
 中学校でも引き続き「事前の準備」を怠りまくり、忘れ物と遅刻オンパレードの姉が。
 もう二十歳だというのに、未だに俺と同じ高校に在学しているあの姉が…。

「うぅ…グス…グス…」
「誠司!?何で泣き出すの!?よく分かんないけど、その涙の意味は聞かないでおくよ!?」

 よっぽど楽しみにしていたんだろうなぁ。これはガッカリさせてはいけない、俺も明日のために気合いを入れる。

グゥ~

『…』

 …と、その前に、着替えを済ませて姉と二人、両親と朝食が待つ一階への階段を駆け下りた。
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