【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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last day 5月5日 水曜日

Dランド

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「ついに…来たーっ!!」
「おーい、あまりはしゃいで迷子になるなよー?」

 あれ?これって本来姉が弟に言うべき台詞では?
 超大型テーマパーク ディスティニーランド。
 家族連れからボッチまで楽しめる、年中無休の娯楽施設。今日俺達は約束通り、この遊園地に足を運んでいた。

「あ、奈緒じゃんヤッホー」
「え、なんで皆いるの!?」

 園に入場した直後、姉の知り合い達と鉢合わせした。ちなみに俺は全員知らない。圧倒的初対面である。

「お、そっちは弟くん?」
「奈緒の弟か、初めまして」
「初めまして、いつも姉が御迷惑お掛けしてます」

 俺は礼儀正しく頭を深々と下げた。

「え、"お世話になってます"…とかじゃないのそこ…」
「はい、全くです」
「え…あの…」

 相手の方々も笑顔で頭を深々と下げた。なんか姉が横からブツブツ言っているが、まぁ無視して大丈夫だろう。

「それじゃ私達は適当に遊んでるから、そっちはそっちで楽しみな~」
「またな奈緒~」

 去って行く姉の知り合い達に手を振る。あっという間に彼らは園の人混みの中に消えていった。
 なんか急に服が少し張ってキツくなった。何事かと思えば、姉が俺のシャツの下の方を引っ張っている。

「誠司…」
「どうした」
「泣きそう」
「…ポップコーン食べるか?」
「…食べる」

 何故か姉の表情が沈んでいたが、俺がポップコーンの屋台を指さしたら少し表情が戻った。単純なヤツめ。
 その後の展開は書き綴る程の事は無い。

 ジェットコースター

「あ…私絶叫系苦手だった…」
「何で選んだ」
「いや、ついテンション上がっ」

 姉沈没。

 ゴーカート

「さっきの分は取り返す!」
「何も奪ってねぇ!」

ゴンッガンッ…バキッ

(運転下手クソか!)

 結果、俺の勝利。

 お化け屋敷

「嫌あああああああああぁぁぁ」
(うわー…血糊くせぇ~)

 コーヒーカップ

「ほらほらほらほら~酔え~酔ってしまえ~…うぷ」
「お前が酔ってどうする」

 メリーゴーランド

「ごめん、今吐きそうだからパス」
「んじゃ次行くか」

 メリーゴーランド達出番無し、涙目。

 観覧車

「お~見て見て誠司!ほらほら!」
「んー?」
「人がゴミのよー」
「やめとけ」

 一通り園の中を満喫した後、俺達は休憩がてら一度自由行動を取った。個人でもう一度乗りたい物に乗ったり、その辺で飲み食いしたり。
 しかしこれが間違いだった。喧騒で疲弊した脳と鼓膜を癒そうと、俺は人通りが無い通路を歩いていた。

 俺は誘拐された。
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