【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

文字の大きさ
45 / 47
last day 5月5日 水曜日

ulterior motive

しおりを挟む
「弟くん弟くん」
「誠司です」
「誠司くんはさ、奈緒の事…お姉ちゃんの事どう思ってる?」
「どうと言われましても…」

 俺は誘拐された。そう、さっき会った姉友の連中に。俺が一人で歩いていた所を姉友に抑えられ、更に人通りの少ない園の端まで連れてかれた。
 相手は四人、男三人に女が一人。おそらく姉の同級生なので全員二十歳。

「好き?嫌い?」
「普通です」

 絶賛姉友達にだる絡みされている。どうしてこうなった。

「奈緒って一時期ブラコンかってレベルで弟くんにゾッコンだったし…誠司くんも、もしかして?まんざらじゃなかったり?」
「おー?禁断の愛ってヤツ?良いじゃん、俺は反対しないよ?」
「お前らあまりイジメてやるなよ。弟くん困ってるだろ?」

 何だか凄く盛り上がっている。
 彼らは俺が姉に対して恋愛感情を持っていると憶測しているが、残念ながら俺には全くその感情は無い。姉は姉。それ以上も以下にもならない。

「ごめんな弟くん」
「誠司です」
「コイツら悪いやつじゃ無いんだけど、調子に乗るといつもこうなんだ…」

 姉友の一人の男が俺の前に出てきて、姉友連中の代表で詫びてくれた。その男は黒いグローブを両手にしていたのだが、おもむろにそれを外すと俺の手をギュッと握りこんで来た。

「今後とも奈緒の面倒をよろしく頼むよ。頑張ってくれ」
「?…はい」

 俺は男に無理やり握手された。わざわざグローブを外したのは彼なりの礼儀なのだろうか。
 その後男の号令によって姉友達は遊園地の人混みに消え、俺は解放された。
 去り際にグローブ男がニヤリと怪しげな笑みを浮かべたように見えたが、気のせいだろうか。
 俺は姉のいた所まで戻ったが、既に姉はどこかへ行ったようだ。それからは姉を探すため園内を捜索。二十分程かけてベンチに腰掛けていた姉を発見、合流した。
 ちなみに、この時の俺はスマホという名の連絡手段をすっかり忘れてた。間抜けとか言わないでくれ。

「やっと見つけた…ここにいたのか」
「…」
「はぐれてすまん、ちょっと誘拐されててさ」
「…」
「…?」

 俺が声をかけるも姉は反応を示さない。何やらずっと俯いている。顔がどことなく赤い気がする。俺はまさかと思い姉の額に手を伸ばす。この世界には無いが、今の時期色々と危ないからな。

「姉貴、まさか熱が…」
「ひゃ!?ひゃい!?何!?何!?何なの!?」

 姉の額に手が触れた瞬間、姉は変な大声を出し、その場で飛び上がり、凄い速さで俺から距離を取った。

「エッチ!変態!弟が姉の体をまさぐるなんて!」
「おい!?変な言い方はやめろ!おでこ触っただけだろーが!?」

 酷い言いがかりだ。実の弟をまるで痴漢扱いとは。
 にしてもおかしい。何だこの姉の変わりよう、違和感は。そこで俺はハッとした。さっきのグローブ男、明らかに何か企んでいた顔だ。まさかヤツが妙な入れ知恵を姉にしたのか。

「せ…誠司!」
「ん?」

 急に姉が大声で俺を呼んで立ち上がった。かと思えば姉はとんでもない事を提案してきた。

「こ…今晩…お…お姉ちゃんとお風呂入ろうか!?」



「…あぁ?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

処理中です...