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プロローグ
蠢く箱との出会い
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「あぁ、疲れたぁ。早くゲームしてぇー」
午後五時頃。高校からの帰り道で一人、雨が降っているため傘をさして今住んでいるボロい二階建てのアパートへ足を進める。
日桜高校一年生の俺、佐神亮太は一刻も早くゲームがしたいがために早歩きで帰宅している。
「いやー、にしても。一人って楽だわ。高校から一人暮らしして正解だったな。家事とか全部自分でやるから少し大変だけど…」
など呟いているうちにアパートに着いた。
「ふぅ、到着到着っとー…ん?」
アパートを囲う石造りの塀の前に大きめのダンボールが置いてあった。
【拾ってください】
そのダンボールには、そう書かれた紙がセロハンテープで貼り付けてあった。そして雨で濡れないようにか、大きめのビニール傘でダンボールのある程度は覆われている。
(…犬とか猫かな?このアパートは犬猫ダメなんだよなぁ…。ハムスターくらいだったら飼えるんだけど)
そう思いながらダンボールを開くと。
「………すぅ…すぅ」
一人の小さな女の子が寝てました。
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
(やってしまったああああああああぁぁぁ)
どうすれば良いのか全く分からず、とりあえず部屋にダンボールごと運んだけど、よくよく考えればこれは誘拐なのではないだろうか。いや、でも捨ててあった物を拾っただけであって決して誘拐では…まてよ、あれは本当に捨ててあったのだろうか。もしかしたら近所の子がダンボールの中で日向ぼっこしていたらウトウトしてきて、気づいたらいつの間にか眠っていた。みたいなノリというか展開なのでしょうか。いや、そもそもー
「…う…ん?」
「あ…えっと」
アパートの一室で今の現状に頭を抱えている間に女の子が起きてしまった。
女の子は幼稚園生か小学校低学年くらいの年齢(たぶん)で、髪留めやヘアゴムなどは一切つけていないショートヘアーだ。もちろんこの年だから染められていない黒髪である。
…ん?幼稚園生か小学校低学年?…ハッ!
(余計に犯罪者じゃないか俺ぇぇぇぇぇぇぇ)
「えと…おにーさん…だれ?」
「ハッ!いや、違うんだ、俺は君を誘拐というか監禁というか、そういうやましい事は一切考えて無くてだな…」
「…ここ、どこ?」
「えーと。俺は佐神亮太って言って、ここは俺の借りてるアパートで…」
まいったな。どこから説明してどう説明すれば良いのか。とりあえずは打ち解けて変な誤解をされないようにするか。
「ヘイ彼女ー!」
違うそうじゃない。
「君の瞳に乾杯」
圧倒的に違う。
「グヘヘ…お兄さんにお名前教えてくれるかな?」
これか!いや、待て待て待て待て。話し方的に完全に犯罪者初段だろコレ。何で一瞬「これか!」て思ったんだ俺。
えーと。あ、そうだ。
「お父さんとお母さん。どこにいるか分かるかな?」
本当に捨ててあったとか迷子とかなのかを確認しておきたいな。しっかり親がいるならそれで良い。俺が犯罪者になるだけで済む。
いや、待て、それはマズい。
「…わかんない」
「 んー。そうか」
首の皮一枚繋がった…かもな。この子には悪いけど少し助かったかもしれない。
にしても可哀想に、家庭の事情がなんであれ、子どもを捨てるなんて一体どんなー
「…おもいだせない」
「…え」
突然少女から出た言葉に反射的に声を漏らす。
「なんにも、おぼえてないの」
そこでようやく気づいた。
この少女は普通の状態では無い事に。
午後五時頃。高校からの帰り道で一人、雨が降っているため傘をさして今住んでいるボロい二階建てのアパートへ足を進める。
日桜高校一年生の俺、佐神亮太は一刻も早くゲームがしたいがために早歩きで帰宅している。
「いやー、にしても。一人って楽だわ。高校から一人暮らしして正解だったな。家事とか全部自分でやるから少し大変だけど…」
など呟いているうちにアパートに着いた。
「ふぅ、到着到着っとー…ん?」
アパートを囲う石造りの塀の前に大きめのダンボールが置いてあった。
【拾ってください】
そのダンボールには、そう書かれた紙がセロハンテープで貼り付けてあった。そして雨で濡れないようにか、大きめのビニール傘でダンボールのある程度は覆われている。
(…犬とか猫かな?このアパートは犬猫ダメなんだよなぁ…。ハムスターくらいだったら飼えるんだけど)
そう思いながらダンボールを開くと。
「………すぅ…すぅ」
一人の小さな女の子が寝てました。
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
(やってしまったああああああああぁぁぁ)
どうすれば良いのか全く分からず、とりあえず部屋にダンボールごと運んだけど、よくよく考えればこれは誘拐なのではないだろうか。いや、でも捨ててあった物を拾っただけであって決して誘拐では…まてよ、あれは本当に捨ててあったのだろうか。もしかしたら近所の子がダンボールの中で日向ぼっこしていたらウトウトしてきて、気づいたらいつの間にか眠っていた。みたいなノリというか展開なのでしょうか。いや、そもそもー
「…う…ん?」
「あ…えっと」
アパートの一室で今の現状に頭を抱えている間に女の子が起きてしまった。
女の子は幼稚園生か小学校低学年くらいの年齢(たぶん)で、髪留めやヘアゴムなどは一切つけていないショートヘアーだ。もちろんこの年だから染められていない黒髪である。
…ん?幼稚園生か小学校低学年?…ハッ!
(余計に犯罪者じゃないか俺ぇぇぇぇぇぇぇ)
「えと…おにーさん…だれ?」
「ハッ!いや、違うんだ、俺は君を誘拐というか監禁というか、そういうやましい事は一切考えて無くてだな…」
「…ここ、どこ?」
「えーと。俺は佐神亮太って言って、ここは俺の借りてるアパートで…」
まいったな。どこから説明してどう説明すれば良いのか。とりあえずは打ち解けて変な誤解をされないようにするか。
「ヘイ彼女ー!」
違うそうじゃない。
「君の瞳に乾杯」
圧倒的に違う。
「グヘヘ…お兄さんにお名前教えてくれるかな?」
これか!いや、待て待て待て待て。話し方的に完全に犯罪者初段だろコレ。何で一瞬「これか!」て思ったんだ俺。
えーと。あ、そうだ。
「お父さんとお母さん。どこにいるか分かるかな?」
本当に捨ててあったとか迷子とかなのかを確認しておきたいな。しっかり親がいるならそれで良い。俺が犯罪者になるだけで済む。
いや、待て、それはマズい。
「…わかんない」
「 んー。そうか」
首の皮一枚繋がった…かもな。この子には悪いけど少し助かったかもしれない。
にしても可哀想に、家庭の事情がなんであれ、子どもを捨てるなんて一体どんなー
「…おもいだせない」
「…え」
突然少女から出た言葉に反射的に声を漏らす。
「なんにも、おぼえてないの」
そこでようやく気づいた。
この少女は普通の状態では無い事に。
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