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日常
密会
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「心美~」
「ん?」
「俺、これからバイトでしばらく家にいないから、お留守番よろしく」
「はーい」
とある土曜日。俺のバイトの日。
今日は朝から夕方まで家を開けてしまう。
念の為決して外には出ないように、知らない人が来ても出ないように、と釘を打っておいた。
大丈夫だとは思うが、それでも心美を数時間家で一人にする事には変わりない。非常に心配だ。
(バイト終わったら真っ直ぐ帰ろう…)
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
今日は心美がお留守番します。
おにーちゃんが帰ってくるまで暇だな~。
そう思いながら私はゴロゴロしてました。
ゴロゴロ~
ゴロゴロゴロ~
ゴロ…
ピンポーン
「んんっ!?」
誰か来ました。
どうしよう…。
おにーちゃんには出るなって言われてるし…
そーしてたら外から声がしました。
「亮太ー、野球しようぜー」
これ凄く聞いたことある!
日曜日の夜とかによく聞くやつ!
むむむ…にしてもこの声、誰だったかな?
「…?おーい、亮太ー?留守かー?」
あっ!
「やつはしかつる!」
「そう!京都奈良の土産は八つ橋しか勝たん!…って、今の声心美ちゃん?」
「あ…う、うん」
失敗した…。思い出した時に咄嗟に声が…。
「心美ちゃーん、とりあえず玄関の鍵開けておくれー」
う~ん。でもかつるさんは知ってる人?…だよね。
知らない人じゃない…と思うので、私は鍵を開けました。
ガチャ
「お、ありがと。心美ちゃんこんにちはー」
「こんにちはー!」
「あれ、亮太は?」
「おにーちゃんはおしごとです」
「あー、バイトか。ちぇ、つまらんヤツめ…ならそうだな~。うっし、心美ちゃん」
「んー?」
「ふっふっふ。八ツ橋お兄さんとイケナイ遊びをしようか」
「いけないあそび?」
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
おにーちゃん、ごめんなさい。
心美は悪い子です。八ツ橋お兄さんと大変な事をしてしまいました。
「ぐぅえへへへへ、心美ちゃん。声、出したくても出せないよねぇ?ふひひひひ」
「んー!んー!」
無理やり口の中に…こんなにいっぱい。
「どうよ心美ちゃん、初めてだろ?こんな事。たっぷり味わえよ?」
「ん…んぐ」
こんなにいっぱいの…
八ツ橋。
「んぐんぐ…ゴクッ…おいしー!」
「だべぇ?八ツ橋八ツ橋聞いてたから食いたくなるもんだよな~。んで、ちょうど思い出したんだわデパートで今売ってるの」
あの後八つ橋さんが「ちょっと待ってて」と言い残し、心美の前から姿を消しました。そして、ちょっと経ったらお菓子を持って戻ってきたのです。
「でも大丈夫かな…ご飯前なのにこんなにお菓子食べちゃって…」
「アッハッハ大丈夫大丈夫。"バレなきゃ犯罪じゃない"ってどっかの偉い人も言ってんだ」
「へ~そうか。じゃあバレたら犯罪って事で良いんだな?」
「そうだな~…もしバレたら犯ざ…ん?」
「八つ橋さん…後ろ…」
いつの間にか八つ橋さんの後ろには怖い顔したお兄ちゃんが立っていました。
「おおおおおおお帰り亮太」
「…よぅ、八つ橋さん。忘れ物したから休憩中にバイト先抜け出して来て見れば、他人の家で何やってんだ。それに…」
お兄ちゃんがチラッと部屋を見ます。周りには食べて散らかした八つ橋のゴミがそのままに。
「…心美ぃ」
「はいっ!」
「言ってるよなぁ…ご飯前に…お菓子…食うな…って」
「…はい」
「二人とも…覚悟せいやああああ!」
『ごっ…ごめんなさ~~~~~い!』
罰として二人とも仲良く外出禁止を食らいましたとさ。
「え、俺の外出禁止って」
「しばらく出禁だ」
「デスヨネー」
「ん?」
「俺、これからバイトでしばらく家にいないから、お留守番よろしく」
「はーい」
とある土曜日。俺のバイトの日。
今日は朝から夕方まで家を開けてしまう。
念の為決して外には出ないように、知らない人が来ても出ないように、と釘を打っておいた。
大丈夫だとは思うが、それでも心美を数時間家で一人にする事には変わりない。非常に心配だ。
(バイト終わったら真っ直ぐ帰ろう…)
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
今日は心美がお留守番します。
おにーちゃんが帰ってくるまで暇だな~。
そう思いながら私はゴロゴロしてました。
ゴロゴロ~
ゴロゴロゴロ~
ゴロ…
ピンポーン
「んんっ!?」
誰か来ました。
どうしよう…。
おにーちゃんには出るなって言われてるし…
そーしてたら外から声がしました。
「亮太ー、野球しようぜー」
これ凄く聞いたことある!
日曜日の夜とかによく聞くやつ!
むむむ…にしてもこの声、誰だったかな?
「…?おーい、亮太ー?留守かー?」
あっ!
「やつはしかつる!」
「そう!京都奈良の土産は八つ橋しか勝たん!…って、今の声心美ちゃん?」
「あ…う、うん」
失敗した…。思い出した時に咄嗟に声が…。
「心美ちゃーん、とりあえず玄関の鍵開けておくれー」
う~ん。でもかつるさんは知ってる人?…だよね。
知らない人じゃない…と思うので、私は鍵を開けました。
ガチャ
「お、ありがと。心美ちゃんこんにちはー」
「こんにちはー!」
「あれ、亮太は?」
「おにーちゃんはおしごとです」
「あー、バイトか。ちぇ、つまらんヤツめ…ならそうだな~。うっし、心美ちゃん」
「んー?」
「ふっふっふ。八ツ橋お兄さんとイケナイ遊びをしようか」
「いけないあそび?」
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
おにーちゃん、ごめんなさい。
心美は悪い子です。八ツ橋お兄さんと大変な事をしてしまいました。
「ぐぅえへへへへ、心美ちゃん。声、出したくても出せないよねぇ?ふひひひひ」
「んー!んー!」
無理やり口の中に…こんなにいっぱい。
「どうよ心美ちゃん、初めてだろ?こんな事。たっぷり味わえよ?」
「ん…んぐ」
こんなにいっぱいの…
八ツ橋。
「んぐんぐ…ゴクッ…おいしー!」
「だべぇ?八ツ橋八ツ橋聞いてたから食いたくなるもんだよな~。んで、ちょうど思い出したんだわデパートで今売ってるの」
あの後八つ橋さんが「ちょっと待ってて」と言い残し、心美の前から姿を消しました。そして、ちょっと経ったらお菓子を持って戻ってきたのです。
「でも大丈夫かな…ご飯前なのにこんなにお菓子食べちゃって…」
「アッハッハ大丈夫大丈夫。"バレなきゃ犯罪じゃない"ってどっかの偉い人も言ってんだ」
「へ~そうか。じゃあバレたら犯罪って事で良いんだな?」
「そうだな~…もしバレたら犯ざ…ん?」
「八つ橋さん…後ろ…」
いつの間にか八つ橋さんの後ろには怖い顔したお兄ちゃんが立っていました。
「おおおおおおお帰り亮太」
「…よぅ、八つ橋さん。忘れ物したから休憩中にバイト先抜け出して来て見れば、他人の家で何やってんだ。それに…」
お兄ちゃんがチラッと部屋を見ます。周りには食べて散らかした八つ橋のゴミがそのままに。
「…心美ぃ」
「はいっ!」
「言ってるよなぁ…ご飯前に…お菓子…食うな…って」
「…はい」
「二人とも…覚悟せいやああああ!」
『ごっ…ごめんなさ~~~~~い!』
罰として二人とも仲良く外出禁止を食らいましたとさ。
「え、俺の外出禁止って」
「しばらく出禁だ」
「デスヨネー」
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