【完結】てんかん患者の嗚咽

ルナ

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【2】検査入院

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 少年は静かに目を覚ます。真っ先に広がった景色は真っ白だった。横を見ても、下を見ても白、白、白。奇抜な色のない一般的な病室だ。という事は、救急車の中で意識を失ってからどれほどの時間が経ったのかは分からないが、あれから無事にルナが病院まで搬送されたのは確かのようだ。今更ながら、自分が今『病室のベッドの上で横たわっていた』という状況も今認識した。

(さっきから妙に床が柔らかいなと思ったら…理解理解)

「目、覚めましたか?おはようございます」

 ルナがただただボーっと天井を見ていると、女性の声が鼓膜を揺らした。振り向くとソコには真っ白なエンジェル。綺麗な看護婦さんが立っていた。結構普通に可愛くて、コチラも勃ちそうだった。おっと、失言失言。

「あ、おはよう…ございます。えと、僕はどうなったんですか?」
「はい。容態が容態だったので、とりあえずしばらく入院してもらう形になります。まぁ、入院と言っても"検査入院"ですので、あまり深く考えないでくださいね」
(なんてこったい。人生で何度目の入院であろうか…)

 心の中でため息をつくように思うルナであった。ルナは昔から抵抗力もあまり無く病弱な体質なので、かなり小さな頃から何回も手術や入院をしていた。額、腕、肺や心臓。幾度となく怪我や病気を繰り返し、そのせいで体のあちこちに縫った跡や不自然な色に変わった皮膚がある。

「たぶん、もう少ししたらお父さんとお母さん来ると思うから…あ、その前にご飯持ってきますね」

 メシ?と思いながら時計を見る。時刻は既に正午どころか午後の一時を回ろうとしていた。正直まだ腹は空いていないが、食事が部屋に届く時間帯。時間が時間で、運ばれてくるからにはある程度は食べなければならない。

「はい。どうぞ~」

 再びやって来た看護婦さんが料理を乗せた盆を両手で持ちながら部屋に入ってくる。食器のカシャッと音を立てながら看護婦さんは院内食をベッドに付属されている台に置く。
 そして現れたミニトマト。
 ルナはトマトが大の苦手。というか、大嫌いである。ジュースやトマト味なら食べられるのだが、本物のトマトに関しては吐き気しか覚えない。
 残した。
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