同居人は異世界人

ルナ

文字の大きさ
1 / 2

【1】異世界からの居候

しおりを挟む
 午後三時。家を出る時には薄暗かった早朝の空は既に晴天に変わっていた。高校を無事に卒業し、新卒社員として働き始めた俺こと田島たじま和也かずやは、羽振りのいい親戚から卒業祝いとして頂いた”独り暮らしするには大きい一軒家”を譲り受けて、そこに暮らしている。

「ただいま」

 帰宅の際にする何気ない挨拶。一人暮らしなので本来しなくてもいい。したところで言葉を返す人がいないからだ。そう、いないはずなんだ。本当に一人暮らしならば。

「…おかえり」



レイン・クリアドット

 長く伸びた白い髪。紅い瞳孔。自称「異世界人」のおかしな女と今、俺はこの家で暮らしている。

「ご飯とお風呂できてるけど…どっちが良い?」
「スマン、飯は帰る途中で食べてきたから、風呂だけ頂くよ。作ってくれたのは夜に温めて食べる」
「分かった」

 今では家事スキルこそ一般人レベルにはなったものの、最初の頃は酷かった…。蛇口の捻り方から教えなくてはならないとは思わなかった…。そう、それと危うく家がー

「って、違ああああああああぁぁぁう!!」
「っ…びっくりした。何?」
「何じゃないわ!お前あの時言ったよな!?」





☆●◇■△▼一ヶ月程前の深夜▽▲□◆○★





「はぁ…やっと帰って来れた。もうこんな時間か…」

 仕事を片付けようやく帰宅した。財布から家の鍵を取り出し、玄関の鍵を解錠。ドアノブに手を伸ばしたその時。

ガシッ

「入れ…て…」



「@¥●◇_^―^♂∀¥$'!?」

 謎の女性に伸ばした腕を掴まれ、深夜で辺りが暗闇だった事もあり、俺は声にならない声を上げた。正直チビりそうであった。

 彼女は何故か血まみれの傷だらけで、それもまた恐怖。こんな状態の人を見て見ぬふりはできず、家に入れてしまったのが運の尽き。それから入り浸るようになってしまった。

 怪我の応急処置(幸いな事に大怪我は無かった)をして以後質疑応答。

「お名前は?」
「レイン」
「それ本名?確かに見た感じ日本人じゃないみたいだけど…」
「レイン・クリアドット。嘘じゃない」
「どこから来たんですか?家はこの辺?」
「家…家?……」
「その傷はどうしたの?」
「少し…相手ともめて…」
「ご家族や友人…あ、スマホあれば知り合いに連絡を…」
「スマ…ホ…?…家族は…いない…」
(うーん…イマイチ話が進まない。何だかスマホを知らないみたいな素振りだし、まさか記憶喪失か?でも名前はスラスラ言えてたよな…よく分からん)
「もう遅いし…寝床貸すから、今日はもうウチで休んでくれ」
「ありがとう。動けるようになったら出ていく」

 この女、怪しすぎる。何が一番怪しいってそりゃ…










「何歳?」
「15」
「15!?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

6年前の私へ~その6年は無駄になる~

夏見颯一
恋愛
モルディス侯爵家に嫁いだウィニアは帰ってこない夫・フォレートを待っていた。6年も経ってからようやく帰ってきたフォレートは、妻と子供を連れていた。 テンプレものです。テンプレから脱却はしておりません。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...