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魔境地帯編
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「やった…のか?」
周囲を見渡すがディアボロスの姿、気配が無い。直撃する前に逃亡をしたのか、モロに喰らって消滅したのか。できれば後者である事を願いたいが、加護の玉の姿は見えない。おそらくは逃げられた。
「チッ…手応えは確かにあったんだがな。さすがはディアボロスさんだわ」
ジンは苦い顔をして手を開いたり閉じたりしている。今の超高出力の攻撃で少し手を痛めたのだろう。
そこで俺の後ろに忍び寄る影。背後から肩をちょんちょんと叩かれ、振り返ると息を殺したジュナがいた。ずっと後ろに隠れていたようだ。
「あの、キョウくん。この人は…」
「あぁ、この人はジン・ベルバーグっていうクライス家と対の関係であるベルバーグ家の長男で…」
「て、って、事はこの人も王族の人なの!?…ん?ベルバーグって事はもしかして…アナシアのお兄さん!?」
今のジュナの大声でジンはコチラに気づいたようだ。気持ち悪い足取りでジンは俺達に近寄ってきた。
「お、我が妹の知り合いか。そだよ~、俺がアナシアの兄。よろぴく~」
「よ…よろぴく?」
相変わらずの軽いノリで挨拶を交わすジン。無理やり困惑しているジュナの手を握り握手をする。ジュナは引き気味である。
「それでジン、この人は」
「あー、いいよいいよ。分かってる分かってるって…」
「そ、そうか…?」
さすがジン。精霊魔法で全てお見通しだったな。わざわざ皆まで言う必要は…
「キョウくんの彼女だろ」
「ちげぇよ!!」
あったようだ。
「なんだ、違うのか」
「この人はアナシアの知り合いで、ハンターやってる人!」
「あー、アイツの言ってた友達って君の事か」
「は、はい!アナシア…さんには、いつもおおお世話になっております!」
「そ~んなかしこまんなくて良いよ、これからも妹をよろしくなっ」
「はいっ!」
ここで賑やかな自己紹介も幕を閉じ、三人の視線は自然と南に集まった。
「っとっとっと。こんな所で話してる場合じゃねぇんじゃねぇか?あの木を見る限りじゃ」
ジンは南方面の凍っている木を指さした。
そうだ。あれは間違いなくリングの氷魔法によるもの。リング、カイロン、クルミの三人に何かあったのは間違い無い。早く向かわなければ。
「ディアボロスの件は一先ず後回しだ。今から俺もパーティに加わろう。なんだか嫌な予感がする」
あぁ、嫌だ。
いつもふざけ倒しているジンが真面目な顔をしている。彼のふざける余裕が無くなる、それほどの事態が起きていると再認識させられてしまう。
周囲を見渡すがディアボロスの姿、気配が無い。直撃する前に逃亡をしたのか、モロに喰らって消滅したのか。できれば後者である事を願いたいが、加護の玉の姿は見えない。おそらくは逃げられた。
「チッ…手応えは確かにあったんだがな。さすがはディアボロスさんだわ」
ジンは苦い顔をして手を開いたり閉じたりしている。今の超高出力の攻撃で少し手を痛めたのだろう。
そこで俺の後ろに忍び寄る影。背後から肩をちょんちょんと叩かれ、振り返ると息を殺したジュナがいた。ずっと後ろに隠れていたようだ。
「あの、キョウくん。この人は…」
「あぁ、この人はジン・ベルバーグっていうクライス家と対の関係であるベルバーグ家の長男で…」
「て、って、事はこの人も王族の人なの!?…ん?ベルバーグって事はもしかして…アナシアのお兄さん!?」
今のジュナの大声でジンはコチラに気づいたようだ。気持ち悪い足取りでジンは俺達に近寄ってきた。
「お、我が妹の知り合いか。そだよ~、俺がアナシアの兄。よろぴく~」
「よ…よろぴく?」
相変わらずの軽いノリで挨拶を交わすジン。無理やり困惑しているジュナの手を握り握手をする。ジュナは引き気味である。
「それでジン、この人は」
「あー、いいよいいよ。分かってる分かってるって…」
「そ、そうか…?」
さすがジン。精霊魔法で全てお見通しだったな。わざわざ皆まで言う必要は…
「キョウくんの彼女だろ」
「ちげぇよ!!」
あったようだ。
「なんだ、違うのか」
「この人はアナシアの知り合いで、ハンターやってる人!」
「あー、アイツの言ってた友達って君の事か」
「は、はい!アナシア…さんには、いつもおおお世話になっております!」
「そ~んなかしこまんなくて良いよ、これからも妹をよろしくなっ」
「はいっ!」
ここで賑やかな自己紹介も幕を閉じ、三人の視線は自然と南に集まった。
「っとっとっと。こんな所で話してる場合じゃねぇんじゃねぇか?あの木を見る限りじゃ」
ジンは南方面の凍っている木を指さした。
そうだ。あれは間違いなくリングの氷魔法によるもの。リング、カイロン、クルミの三人に何かあったのは間違い無い。早く向かわなければ。
「ディアボロスの件は一先ず後回しだ。今から俺もパーティに加わろう。なんだか嫌な予感がする」
あぁ、嫌だ。
いつもふざけ倒しているジンが真面目な顔をしている。彼のふざける余裕が無くなる、それほどの事態が起きていると再認識させられてしまう。
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