【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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魔境地帯編

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「やった…のか?」

 周囲を見渡すがディアボロスの姿、気配が無い。直撃する前に逃亡をしたのか、モロに喰らって消滅したのか。できれば後者である事を願いたいが、加護の玉の姿は見えない。おそらくは逃げられた。

「チッ…手応えは確かにあったんだがな。さすがはディアボロスさんだわ」

 ジンは苦い顔をして手を開いたり閉じたりしている。今の超高出力の攻撃で少し手を痛めたのだろう。
 そこで俺の後ろに忍び寄る影。背後から肩をちょんちょんと叩かれ、振り返ると息を殺したジュナがいた。ずっと後ろに隠れていたようだ。

「あの、キョウくん。この人は…」
「あぁ、この人はジン・ベルバーグっていうクライス家と対の関係であるベルバーグ家の長男で…」
「て、って、事はこの人も王族の人なの!?…ん?ベルバーグって事はもしかして…アナシアのお兄さん!?」

 今のジュナの大声でジンはコチラに気づいたようだ。気持ち悪い足取りでジンは俺達に近寄ってきた。

「お、我が妹の知り合いか。そだよ~、俺がアナシアの兄。よろぴく~」
「よ…よろぴく?」

 相変わらずの軽いノリで挨拶を交わすジン。無理やり困惑しているジュナの手を握り握手をする。ジュナは引き気味である。

「それでジン、この人は」
「あー、いいよいいよ。分かってる分かってるって…」
「そ、そうか…?」

 さすがジン。精霊魔法で全てお見通しだったな。わざわざ皆まで言う必要は…

「キョウくんの彼女だろ」
「ちげぇよ!!」

 あったようだ。

「なんだ、違うのか」
「この人はアナシアの知り合いで、ハンターやってる人!」
「あー、アイツの言ってた友達って君の事か」
「は、はい!アナシア…さんには、いつもおおお世話になっております!」
「そ~んなかしこまんなくて良いよ、これからも妹をよろしくなっ」
「はいっ!」

 ここで賑やかな自己紹介も幕を閉じ、三人の視線は自然と南に集まった。

「っとっとっと。こんな所で話してる場合じゃねぇんじゃねぇか?あの木を見る限りじゃ」

 ジンは南方面の凍っている木を指さした。
 そうだ。あれは間違いなくリングの氷魔法によるもの。リング、カイロン、クルミの三人に何かあったのは間違い無い。早く向かわなければ。

「ディアボロスの件は一先ず後回しだ。今から俺もパーティに加わろう。なんだか嫌な予感がする」

 あぁ、嫌だ。
 いつもふざけ倒しているジンが真面目な顔をしている。彼のふざける余裕が無くなる、それほどの事態が起きていると再認識させられてしまう。
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