【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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魔境地帯編

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「…来たか」
「あ…皆さん。あれ、お兄様?」

 あれからジンが加わり、三人で南の木を目指して走り続けた。到着するとソコには既にレイとアナシアの姿があった。

「レイ!アナシア!三人は!?」

 ジュナが鬼気迫る顔で二人に問うた。すると二人は気まずそうに顔を合わせた後、レイが一言「…そこに」と言って凍った木の後ろを指さした。
 グルっと回って見てみると、木の陰に隠れた場所で三人が寝ていた。パッと見の外傷は特に無い。

「…はぁぁ、良かったぁ。なんだ皆寝てるだけかぁ」
『…』

 ジュナが安堵の声を上げる中、二人の顔は暗いままだ。ただ眠っている訳が無い。本当は皆分かっている。ジュナも薄々と勘づいているはず。

「あの…」
「死んでるぜ…コイツら」

 レイとアナシアがハッキリ答えられずにいると、誰も言えずにいた一言をジンはあっさり言ってみせた。いつの間にか彼は三人の元に駆け寄り、容態を探っていた。

「呼吸をしていない、心臓も動いてねぇ…いや、何より魂が感じられねぇ」
「だ…大丈夫!大丈夫ですよお兄さん!たとえ死んでたとしてもアナシアの蘇生魔法が…」
「もう、試しました」
「…へ?」

 ジンが本題をあっさり暴露した事により、アナシアがようやく重い口を開いた。

「レイさんとここに来て…息をしていない三人を見つけて…スグに蘇生を試みたのですが…」

 沈黙。それが全ての答えを物語っていた。

「蘇生魔法とはそもそも、冥界へ行った転生前の魂を無理やり現世に引き連れ戻すというものなので、三人の魂はおそらく冥界へ辿り着いていないようです」
「なに…それ…」

 ジュナは非常な現実を目の前に膝から崩れ落ちた。そもそも今回の一級指定怪奇討伐、ハンター達の踏ん切りがついた大きな要因はアナシアの蘇生魔法であろう。ほぼ確実に死ぬ、しかし生き返れる。その保証が、それだけが頼りだった。しかし今それが通用しないと分かり、仲間が二度と息を吹き返さないと悟る。彼女、いや、全員にとってそれがどれだけ大きなショックだったであろうか。

「にしても、この殺られよう…まるで魂だけを抜き取られたかのような死に方だ。一体どんなヤツの仕業なんだぁ?ディアボロスとかいう男は俺達の方にいたし。他にも一級指定とやらがいるのか?」
「分からない…皆、どうして…」

 三人の変わり果てた姿を目に焼き付け、残された俺達五人は周囲を隈無く散策した。しかし、これといった手がかりを掴むことは無く、その日の活動は幕を閉じたのであった。
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