【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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ドラゴンスレイヤー編

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 ディアボロス討伐を一旦断念し、魔境地帯と冷たくなってしまった三人を後にして、竜の都へと進行する俺達五人。

「止まれ!貴様ら!」

 その道中、よく分からない団体に絡まれる事となる。

「あの、通して貰えます?私達は竜の都へ行きたいんですけど」
「駄目だ。許可しない」
「なんだ?コイツら…」

 数人の武装した男女が竜の都への道を通せんぼしている。武装と言っても市販の剣、槍、少し大きめな盾を持っているだけで、鎧などの防具は一切身につけていない。鎧では無く、その男女全員は全く同じ白いローブを身にまとっている。

〈あの格好…祭服だな〉
「祭服?」
〈あぁ、どうやら宗教類の団体のようだ〉

 俺やジュナ、アナシアがいくら言っても彼らは通してくれる気配を見せてくれない。「許可しない」の一点張りだ。

「俺に任せな…」

 完全な泥仕合となり、お互いがうんざりしてきた頃、ジンが前に出た。何か考えがあるのだろう。パーティでは最年長だし、由緒正しきベルバーグ家の長男。きっと彼なら何とかしてくれる。そう皆が期待の眼差しをジンに向けた。

「あああぁ!!なんだあれはぁ!?」

 ジンは唐突に何も無い空を指さし、大声で叫んだ。
 誰もジンが指さした方を見なかった。もの凄くわざとらしい声だったからである。というかほぼ棒読みであった。

『…』

 沈黙の数秒。
 その場の全員の動きが止まる。
 ジンは空に掲げた腕を下ろし、正面を向く。そして何事も無かったかのように竜の都への道を進もうとした。

「いやいやいやいや、来るなよ」
「なにサラッと通ろうとしてるんですか」

 呆気なく止められてしまった。

「チッ、行けると思ったのに…」
「お兄様…」

 ジンが悔し気な顔をする一方、妹のアナシアは哀れみの目で兄であるジンを見つめていた。

「我らは竜王教祖団。貴様らのような不穏な輩を竜の都へ通す訳にはいかない」
「竜王教祖団~?」

 皆が皆お互いに「知っているか?」という視線を交わす。しかし全員首を横に振った。誰も知らないようだ。

「我らを知るぬのか…?不届き者め」
「我らは聖なる竜王ニーズヘッグ様を崇め奉る教祖団体であるぞ」
「…っ!?」

 ニーズヘッグ。コイツらは確かにそう言った。ディアボロスが話した隠れた一級指定怪奇。しかしどういう事だ。人間に敵対視されるはずの怪奇が崇められるなんて。

(おいどういう事だディアボロス、ニーズヘッグってのは竜じゃなくて神か何かなのか?)
〈アイツが神?笑わせるな、ただの邪竜の成れの果てだ〉

 ディアボロスは呆れ返るように言った。

「我らの崇拝するニーズヘッグ様。そして、我ら偉大なる教皇グレン・ナハト様の名において貴様らを通す訳には行かぬ!」

 白いローブの内の一人がそう言って槍を突き出した。それに続くように他の竜王教祖団の者達も戦闘態勢をとった。

「仕方ねぇ…こうなったら少し遊んでやるか」
「なっ、お兄様!?」
「もちろん殺さねぇ程度にな」
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