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ドラゴンスレイヤー編
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「はい、終わり」
「ぐおぉ…化け物め…」
目の前に立ちはだかっていた数十名の竜王教祖団は、ジンの精霊魔法で瞬殺されて皆倒れていた。本当は全員で倒すはずだったのだが、ジンの精霊魔法が強すぎて俺達が加勢する前に終わってしまった。
(盗賊団で似たような光景見たなぁ…)
俺達はジンが倒した教祖団の屍(死んでない)を越えて奥へ奥へと進んで行った。先程まで強い口調で俺達に歯向かい、通せんぼしていた彼らは動けないでいる。ただ悔し気な顔だけを必死に上げ、俺達を見つめる事しか今の彼らにはできないのである。
「ま、待て!いえ、お待ちください!」
「いやぁ!お願いします!それ以上進まないでぇ!」
俺達が道を進むにつれ、教祖団の態度が見る見るうちに変わっていき、最後は懇願するほどまでに堕ちていた。どこか不思議に思いながらも特に気にすること無く進み続けたのだが
『あっ…が…』
急に倒れている教祖団員全員の口から何かが飛び出た。それも一斉にだ。
「嫌…だ…」
「お許しを…グレ…様…」
この場に倒れていた教祖団員およそ四十名ほど、その全員が口から何かを吐き出した。白くて少し光っているようにも見える。形は漫画の吹き出しのような…まるで…
「ありゃ…魂だな」
「魂…だって?」
ジンが謎の物体の正体を言い当てた。彼らの口から出てきた物体は魂だと言うのだ。
「あぁ、この反応、何かしらの術で魂だけを抜き取られている…この死に方、木の下にいた三人と同じだ」
教祖団員の魂はプカプカと浮かびながら道の奥へ、竜の都の方角へ飛んで行った。最初こそゆっくり動いていたそれは徐々に速さを増し、あっという間に見えなくなってしまった。
「なんだよ…あれ」
〈十中八九、ヤツの仕業だろうな。魂を抜き取るなんて芸当ができるのは、この世でアイツくらいだ。これがヤツが持つ竜王の加護…もとい、魂を喰らう者だ〉
皆があっけに取られている中、ジンは倒れている教祖団員一人一人に手をかざして回る。
「ダメだな…見事に全員死んでやがる」
やはり全員息絶えていた。一部始終を目の当たりにしたにも関わらず、にわかに信じられなかった。ついさっきまで生きていた人間がこんなにもあっさりと散っていくなんて。
〈妙だな…〉
(どうしたディアボロス)
〈いや、今の様子を見た限りだが、明らかに加護発動時にトリガーらしきモノを感じた。ヤツはそんな器用な事ができるはずが無い〉
(…何が言いたい)
〈もう一体。何かしらが絡んでいる可能性が高い。ニーズヘッグに協力者がいる〉
「ぐおぉ…化け物め…」
目の前に立ちはだかっていた数十名の竜王教祖団は、ジンの精霊魔法で瞬殺されて皆倒れていた。本当は全員で倒すはずだったのだが、ジンの精霊魔法が強すぎて俺達が加勢する前に終わってしまった。
(盗賊団で似たような光景見たなぁ…)
俺達はジンが倒した教祖団の屍(死んでない)を越えて奥へ奥へと進んで行った。先程まで強い口調で俺達に歯向かい、通せんぼしていた彼らは動けないでいる。ただ悔し気な顔だけを必死に上げ、俺達を見つめる事しか今の彼らにはできないのである。
「ま、待て!いえ、お待ちください!」
「いやぁ!お願いします!それ以上進まないでぇ!」
俺達が道を進むにつれ、教祖団の態度が見る見るうちに変わっていき、最後は懇願するほどまでに堕ちていた。どこか不思議に思いながらも特に気にすること無く進み続けたのだが
『あっ…が…』
急に倒れている教祖団員全員の口から何かが飛び出た。それも一斉にだ。
「嫌…だ…」
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この場に倒れていた教祖団員およそ四十名ほど、その全員が口から何かを吐き出した。白くて少し光っているようにも見える。形は漫画の吹き出しのような…まるで…
「ありゃ…魂だな」
「魂…だって?」
ジンが謎の物体の正体を言い当てた。彼らの口から出てきた物体は魂だと言うのだ。
「あぁ、この反応、何かしらの術で魂だけを抜き取られている…この死に方、木の下にいた三人と同じだ」
教祖団員の魂はプカプカと浮かびながら道の奥へ、竜の都の方角へ飛んで行った。最初こそゆっくり動いていたそれは徐々に速さを増し、あっという間に見えなくなってしまった。
「なんだよ…あれ」
〈十中八九、ヤツの仕業だろうな。魂を抜き取るなんて芸当ができるのは、この世でアイツくらいだ。これがヤツが持つ竜王の加護…もとい、魂を喰らう者だ〉
皆があっけに取られている中、ジンは倒れている教祖団員一人一人に手をかざして回る。
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〈妙だな…〉
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〈いや、今の様子を見た限りだが、明らかに加護発動時にトリガーらしきモノを感じた。ヤツはそんな器用な事ができるはずが無い〉
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〈もう一体。何かしらが絡んでいる可能性が高い。ニーズヘッグに協力者がいる〉
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