【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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if story アルサーラー編(真)

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「にしても、どうして急に最上位の悪魔なんかが現れるんだ」
〈召喚…では無いな。たった今誕生したんだろう。今の地震はその余波だ〉

 とても信じられない。存在感だけだ複数の人間にここまで恐怖心を植え付けるなんて。心臓が激しく脈打ち、冷や汗が止まらない。さらに心臓に追い討ちをかけるように、悪魔の気配がどんどん強くなるのを感じる。

「近づいて来ているのか…こっちに」

 時が過ぎるに連れて、どんどん重圧が強くなる。ドス黒いオーラを身にまとい、現れた人物。それは…

「あら、懐かしい場所。そして…懐かしい顔」

 聞き覚えのある声だ。聞き覚えのある女の声。姿かたちこそ大きく変貌しているが、間違いない。クライス家の長女、マイラ・クライスだ。

「マイラ…なのか?」
「へぇ?…キョウ。私の事を呼び捨てにするなんて、随分生意気になってくれたじゃない」
「もうお前を"お姉様"なんて呼ばない。と言うか、人じゃなくなったヤツを家族と思いたくない」

 今のマイラが人では無い事は一目瞭然だ。まず羽が生えている。悪魔らしく黒いボロボロの羽が。そして黒く長い尻尾。四肢と髪色が真っ黒に変色しており、両目が充血している。こんなの人間とは言えない。

「あれから大変だったのよ?キョウ、アンタがクライス家を消したあの日、逃げ惑った私がどこに行き着いたか分かる?」

 マイラの問いかけに俺は首を横に振る。

「スラム街よスラム街。それもかなり荒れ果てたところ。そこで大多数の貧乏人に襲われてね。もちろん返り討ちにしたわ。二十人くらいは殺したかしら。それでも次から次へと汚いヤツらが出てきて出てきて…魔力切れになった私をアイツらはどうしたと思う?ねぇ、キョウ」

 俺が口を動かすより先にマイラは身の上話を続けた。

「汚されたのよ!私の高貴な…名誉あるクライス家の体が!これも全てアンタのせいよ!」

 マイラは声を荒らげて俺を指さした。

「でもね…捨てる神いれば拾う神ありとはよく言ったものだわ。無気力に呆然と立ち尽くしていた私にね、とある男の人が教えてくれたの」
「一体…何を」
「悪魔化よ」

 マイラは己の黒く染った腕を愛でながら話を続ける。

「魔王ディアボロス…ってアンタ知ってるかしら?まぁ、アンタなんかが知るわけ無いでしょうけど。大昔にいた元は人間の悪魔。彼は大量の人間を殺した事で悪魔へと進化した。それと一緒よ。男の人からこの話を教えて貰ってね、大金をあげて協力してもらったの」

 大金…か。どうやって稼いだかなんて、今までの流れからして想像は着く。哀れなヤツだ。

「見て、あの人のおかげで私はこんなに凄い力を手に入れたのよ。これも全て復讐のため…キョウ、アンタを…」

 突如として目の前にいたマイラが消えた。だが、どこに行ったのかはスグに分かった。何せとてつもない存在感を放っているのだ、こんなの嫌でも感知してしまう。

「ぶっ・殺・す・た・め♡」

 ヤツは俺の背後だ。
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