24 / 27
2章 特訓
魔法士と騎士③
しおりを挟む
「じゃあ本題に入るね。魔力量による戦い方への影響だけど、基本的なことで言えば、魔法士はどの程度の威力の魔法を使えて、それが何回できるのか。騎士はどの程度の魔力を剣等の武器や防具に纏わせることができるのか、その持続時間はどの程度か。ってことになるかな。
ただ、これはそれぞれの技術によって変動するんだ。魔法士は、まず基本となる魔法書の詠唱である《基礎詠唱》、それを自分なりに解釈して短縮する《短縮詠唱》、その魔法を完全に理解し、尚且つその魔法と親和性が高いことにより可能な《無詠唱》のいずれかによって魔法を発動するんだけれど、後者になればなる程、威力は大きく魔力量は少なくて済むんだ。だから魔力量が少ない人でも無詠唱ができるなら無詠唱ができない魔力量の多い人よりも優秀ってわけ。
騎士の場合は、魔力操作が凄く重要になってくるんだ。倒す敵に合った必要最低限の魔力を纏わせれば敵は斬れるし、攻撃された時にそれを防げる必要最低限の魔力をその部位に纏わせれば攻撃は防げるからね。」
「…っ!!では魔力量が多いことの利点は技術面をある程度カバー出来るだけで、他には余りないということですか…?!」
フラン兄様がレオナルド先生の説明を聴き、思わず立ち上がった。それはそうだろう、彼は魔力量が多いことで魔力暴走を起こして実の親に監禁され、恐れられてきたのだから、今の説明だとデメリットの方が大きすぎる。
暗いムードが漂い始めそうになった時、レオナルド先生が不敵に笑った。
「大丈夫。実はとても大きなメリットがあるんだ!!それはね…」
そう言いつつ、レオナルド先生が顔の前に手をかざす。首を傾げて見つめていると、彼の手のひらから緑色の光の粒が溢れ出し、彼の背丈の4分の3程の長さの杖を形作った。杖は木を基調としており、先端が軽い渦巻き状になっている。その杖には蔓をイメージしたかのようにくるくると、黄緑色のガラスのような素材でできた装飾が巻き付いていた。
「これが最大のメリット《固有の杖》。これは顕現させるだけでも魔力をかなり使うんだけど、これを持続させるのにも魔力をさらに持っていかれるんだ。でも普通の杖との魔法の威力は桁違いだよ。これが騎士だとその者の望む武器の形で顕現されるから《固有の武器》になるんだ。」
魔法バカにそんなもの持たせてしまったら嫌な予感しかしないのだが…まあ嫌な予感とは的中するもので、今までで1番の笑みを浮かべたレオナルド先生は私たちに笑いかける。
「じゃあ実際に試してみようか!!」
…ほらね?
ただ、これはそれぞれの技術によって変動するんだ。魔法士は、まず基本となる魔法書の詠唱である《基礎詠唱》、それを自分なりに解釈して短縮する《短縮詠唱》、その魔法を完全に理解し、尚且つその魔法と親和性が高いことにより可能な《無詠唱》のいずれかによって魔法を発動するんだけれど、後者になればなる程、威力は大きく魔力量は少なくて済むんだ。だから魔力量が少ない人でも無詠唱ができるなら無詠唱ができない魔力量の多い人よりも優秀ってわけ。
騎士の場合は、魔力操作が凄く重要になってくるんだ。倒す敵に合った必要最低限の魔力を纏わせれば敵は斬れるし、攻撃された時にそれを防げる必要最低限の魔力をその部位に纏わせれば攻撃は防げるからね。」
「…っ!!では魔力量が多いことの利点は技術面をある程度カバー出来るだけで、他には余りないということですか…?!」
フラン兄様がレオナルド先生の説明を聴き、思わず立ち上がった。それはそうだろう、彼は魔力量が多いことで魔力暴走を起こして実の親に監禁され、恐れられてきたのだから、今の説明だとデメリットの方が大きすぎる。
暗いムードが漂い始めそうになった時、レオナルド先生が不敵に笑った。
「大丈夫。実はとても大きなメリットがあるんだ!!それはね…」
そう言いつつ、レオナルド先生が顔の前に手をかざす。首を傾げて見つめていると、彼の手のひらから緑色の光の粒が溢れ出し、彼の背丈の4分の3程の長さの杖を形作った。杖は木を基調としており、先端が軽い渦巻き状になっている。その杖には蔓をイメージしたかのようにくるくると、黄緑色のガラスのような素材でできた装飾が巻き付いていた。
「これが最大のメリット《固有の杖》。これは顕現させるだけでも魔力をかなり使うんだけど、これを持続させるのにも魔力をさらに持っていかれるんだ。でも普通の杖との魔法の威力は桁違いだよ。これが騎士だとその者の望む武器の形で顕現されるから《固有の武器》になるんだ。」
魔法バカにそんなもの持たせてしまったら嫌な予感しかしないのだが…まあ嫌な予感とは的中するもので、今までで1番の笑みを浮かべたレオナルド先生は私たちに笑いかける。
「じゃあ実際に試してみようか!!」
…ほらね?
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる