同級生で美少女の巫女さんが、陰キャの俺に興味を持って追いかけてくるのは何故なのか?

波瀾 紡

文字の大きさ
23 / 56

【23:二人と一柱でカフェ】

しおりを挟む
 駅前のカフェチェーンに三人で……いや二人と一柱ひとばしらで入った。

 神様ってのは、一柱ひとばしら二柱ふたばしらって数えるんだと、神凪《かんなぎ》が教えてくれた。

 神凪はフラペチーノを頼んで、俺はアイスコーヒーを頼んだ。二人で三つの注文は変だからって考えて、ロリ神様には俺のアイスコーヒーを味見させてやることにした。

「うぇーっ! 苦ぇーっ!」

 予想通り、ロリ神様はひと口コーヒーを飲んだだけで、思いっきり顔を歪めて変顔になってる。めっちゃおかしい! 大笑いしそうだけど、周りに不審がられるから我慢だ。

 神凪も「ばっかみたい」と言いながら、ふふんと鼻で笑ってる。まあ楽しそうで良かった。

 その時神凪は、ふと何かを思いついたような表情で、ロリ神様に話しかけた。

「ところで豊姫美とよきみ様」
「なんじゃ?」

 あれ? 神凪のヤツ、えらく丁寧に話しかけてる。清楚バージョンだ。今まで散々ロリ神様をぞんざいに扱ってたのに、急になんで?

あまの国も色々あって大変でございますね」
「まぁな」
「で、アレはどうなんですか? アレはやっぱりアレなんですか?」

 神凪の言ってることが、さっぱりわからん。何を言ってるんだ?

「そうじゃなぁ。やっぱりなかなか仏神側は攻勢を緩めんなぁ」

 なに? このロリ神様、神の国の事情をゲロしちゃってるけどいいのか?

「そ、そんなことが起こってるの?」

 神凪が驚いた顔で、突然大声を出したもんだから、周りの人がいぶかしげに振り返ってこっちを見た。ロリ神様はきょとんとしてる。

「やだなぁ、天心君。そんなエッチなことを言っちゃダメよ!」

 うわっ、神凪はいったい何を言いだすんだ。周りの目線が、全部俺に集まってるじゃないか。

 どう見ても、パッとしない男子が、可愛い女子にエッチなことを言ってる図式だ。俺はとんだセクハラ野郎。

 うーん、周りの他人から見て、極めて納得しやすい絵柄だな。

 ──って、なんでやねん!

 いくら大声を出したのが恥ずかしいからって、もっと他にごまかしようがあるだろ!

「おい、神凪。なんでわざわざ俺がエッチだという設定にしたんだ?」
「いやっ、あのっ、そのっ……」

 しばらく神凪はあたふたとしていたけど、そのうちピタッと止まって自信ありげに断言した。

「だって天心君はスケベでしょ!」

 そりゃ間違ってはいないけど、今まで神凪の前でそんな素振りを見せたことはないはずだ。

 それなのに、あまりの断言っぷりはどういうことなんだ?

「なんで、そう思う?」

 俺は極めて冷静に尋ねてみた。

「それは……私ほどの人物になれば、パッと見てわかるのよ!」

 なんだ、それ?
 理由になってないし。

 でも反論するのもめんどくさくなった。

「ああ、そうですか。さすが神凪さんだ。よくお判りで」
「せ……正解?」
「正解でいいよ、もう」

 間違ってはないし、めんどいから肯定したら、神凪は小さくガッツポーズして「よっしゃ」とか言ってる。

 普段俺をアホ扱いするけど、こいつも相当のアホだな。俺がスケベだとして、なんでガッポーズなんだよ?

 あ、もしかしてそれをネタに俺をゆすろうとしてるとか? いやいや、健全な高校生男子がスケベだとしても、なんらゆするネタにはならないよな?

「何をじっと見てるの? このスケベ」
「え?」

 神凪が上目遣いに顔を赤らめて、腕を胸の前で交差して隠してる。思わずぼーっとして、俺は神凪の胸の辺りを見てたようだ。

「いやいやいや! たまたまだって!」
「ふぅん」

 何が言いたいんだ神凪。ホントにたまたまなんだから。見たくて見たんじゃない。

 いや、見たいか見たくないかって聞かれたら、そりゃ見たいんだけど。しかも神凪のやつ、なかなかいい形のおっぱ……いや、胸をしてる。

 おいおい、俺は何を考えてるんだ?

 だいたいからして、そんな胸が強調されるような、ピタッとしたTシャツを着てくるから悪いんだろ。

 でも俺がスケベを認めてしまったもんだから、話の流れからしたら俺がいやらしい目で神凪の胸を見てたってことになるよな。ああ、それなら、もっとしっかり神凪の胸を見ておけばよかったよ。

 ──いや、そんな願望を出してる場合じゃない。マズい。話題を変えなきゃ。

「あ、あの、神凪。さっきロリ神様が言ってた仏神側の攻勢ってなに?」

 神凪は「あっ」と声を出して、思い出したような顔でロリ神様を振り向いた。

豊姫美とよきみ様。そんなことが神の国で起こってるの?」
「え? お前、何か知ってるのじゃないのか?」
「いいえ。何も知らない」
「なにぃ? 知ってるような素振りをしおって。神を騙すなんて、不届き千万《せんばん》なヤツじゃー!」
「私は、神の国ではアレはアレなんですかって訊いただけだしぃ」
「アレはアレってなんなんじゃ?」
「それは……天気はいいんですかってことよ」
「はぁっ?」

 ロリ神様は顔を真っ赤にして、怒りに震えてる。
 ぎろっと神凪を睨んでるけど、幼い顔つきなんで全然怖くない。神凪も平気な顔をして、大胆にもさらに突っ込んで訊いた。

「で、その仏神側の攻勢ってやつ、もっと詳しく教えてよ」
「何を言っとる。人間にあまの国のことを、教えられはずはなかろう」
「教えてくれないなら、アンタが勝手に仏神側の攻勢って話を漏らしたことを、荒菅神あらすがのかみ様にチクるから」
「チクる?」
「密告するってことよ」
「な、なにい?」

 ロリ神様は今度はムンクの叫びみたいなポーズで、顔が真っ青になってる。赤くなったり青くなったり忙しいヤツだな。

 それにしても、神凪よ。なかなかの嫌らしさだ。俺はやっぱりお前が怖い。

「いや待て、巫女よ」
「待ったら、何をしてくれるのかなぁ?」

 神凪は意地悪に、にひひと笑う。
 ロリ神様は悔しそうに、うぐぐと唸る。

 見てて面白いんだけど、さすがにちょっとロリ神様がかわいそうだ。

「おい神凪。いい大人が子供をいじめてるみたいに見えるぞ。かわいそうだし、もうやめとけよ」
「そ、そうね。コイツ、子供じゃないんだけど、私も大人げなかったかな」

 神凪は、あははと苦笑いしながら、ようやく神様を脅迫するという暴挙をあきらめたようだ。

「おお、少年よ、ありがとう! お前は、名は何という?」

 ロリ神様は嬉しそうに両手で俺の両手を握って、ぶんぶんと上下に振った。にっこにこしてやがる。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...