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【34:お前以外に誰が攻撃するんじゃ?】
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「こ、攻撃せよって!? 俺が?」
ロリ神様が、俺に邪々神を攻撃しろって言った。顔を見たら真顔だ。
「そうじゃ。お前以外に誰が攻撃するんじゃ?」
「それは……霊力が強いさくらとか」
「巫女はビビっとる。それにか弱い女子に危険な役割をさせるなんて、お前はそれでも立派な男子か?」
さくらを見ると、確かに青ざめた顔でガタガタ震えて、梅ちゃんと抱き合ってる。いつもの攻撃的な姿はどこにもない。
「俺だって怖い。それに俺にはみんなを守る自信なんかない」
「自信がなけりゃ、お前は大切な人たちを見放すのか?」
──大切な人たち。
日和は何も言わずに俺を見つめてる。わけがわからなくても、大変な何かが起きてるのを感じ取ってるのかもしれない。
さくらは怯えた目で、すがるように俺を見てる。梅ちゃんはさすがお姉さんだから、気丈な顔をしてさくらの肩を抱きしめてる。
だけどホントは凄く怖いんだろう。唇がぶるぶる震えてる。
──大切な人たち。
だよな。こんなパッとしない陰キャな俺に、なんの偏見もなく接してくれて、関わろうとしてくれるやつら。こいつらは俺にとって、確かに大切な人たちだ。
「天心よ。お前にはなんだかわからんが、体の奥底に強い霊力があるようじゃ。それをうまく解放できたら、邪々神くらい撃退できる気がするぞよ」
ロリ神様はにかっと笑ってる。
「ロリ神様。それは間違いないのか?」
「いや、わからん。自信はない」
なんと!? そうなのか?
思わずズッこけた。
「でもさっき言ったとおりじゃ。お前さんは自信がなけりゃ、大切な人たちを見放すのか?」
──大切な人たち。
そうだ。何の取り柄もない俺だけど、今のこの状況では、俺がなんとかしなきゃいけない。──いや、なんとかこいつらを守りたい。
「いいや、見放したりなんかしない」
「よかろう、天心よ。お前さん、いい顔しとるぞ。ようやく本気になったようじゃな」
「えっ? そ、そうか?」
「心の内に目を向けよ。己が持つ力を信じて、そして自分の大切な人たちを助けることを念じるのじゃ。さすれば予想外の力が出るやもしれん」
「あ、ああわかった」
──って、わかったとは言ったものの、どうすりゃいいかわからん。
いったいどうすりゃいいんだよぉ?
「お前ら俺様を無視して、何をごちゃごちゃ言っとるのだ? なめとんか?」
うわっ邪々神、怖っ! いやいや、なめてなんかいませんけどー!
「ああ、なめとるぞよ。誰が巫女なのか、霊力の違いで見分けられんようなバカ邪々神じゃからのぉ」
「こらっ! ロリ神様! だから挑発するなって!」
「まぁ気にするな天心」
「気にするっつーの!」
「やっぱり俺様はなめられとるらしぃのぉ」
邪々神はしわがれた声で、ぐふふとか笑ってる。こめかみに血管が浮き出て、ぴくぴくしてるぞ。めっちゃヤベー。
「邪々神よ。この天心がお前なんか軽く倒してみせると言っておる」
はっ? ロリ神様は邪々神の顔を見ながら、俺を指差してる。いや、そんなこと言ってないし、もうちょっと心の準備を待って欲しいんですけどー!
「ほぉ、大した霊力もなさそうな、こんな小僧が?」
「そうじゃ。後でお前がほえ面かくのを見るのが楽しみじゃ」
「そうか、そうか。それはまた大きなことを言うのぉ」
ロリ神様は俺を見て、にやっと笑った。
「さぁ天心よ。場はあったまったぞよ。行けっ!」
おーいロリ神様よ。こういうのを、場があったまったって言うんですかーい?
行けって言われても、いったい何をどうしたら?
「さっき言ったように、心の内に目を向けるんじゃ。そして自分の大切な人たちを助けることを念じるのじゃ」
わ、わかった。とにかく目を閉じて、自分の心の奥に目を向けてみよう。そして大切な人たちを助けることを念じるんだな。
──俺の身体に隠された力よ。俺の大切な人たちを守るために、その力を出してくれ。邪々神を倒すような、強い力を出したい。
目を閉じて念じたら、なんとなく胸の奥に白い光が見えたような気がした。
「こいつ、なに目をつむっとるのか。バカか? くらえ!」
目を閉じたままなのに、邪々神が拳を振り下ろす気配がなんとなく見えた。凄いぞ俺。
びったーん! という音が鳴り響いて、顔面に衝撃が走る。
「いってぇ~~~!!!!」
気がついたら身体が真横に吹っ飛んでた。邪々神のパンチをもろに受けたみたい。左の頬が焼けるように熱くて痛い! そして頭もがんがん痛い! パンチが見えた気になってたけど、全然よけられなかったじゃないか!
「おい、天心よ。心の内に目を向けよとは言ったが、相手の攻撃はちゃんと見て、避《よ》けなきゃならんぞよ」
だーっ! ロリ神様! それを早く言ってくれ!!
地面に這いつくばったまま目を開けたら、すぐ横で巨大な邪々神が仁王立ちして、俺を見下ろしてる。下から見上げる邪々神の顔は、さらに恐ろしい。だけど恐れてる暇はない。このまま寝転んでたら、巨大な足で踏み潰されそうだ。
俺は素早く立ち上がって、数歩下がって邪々神と距離を取る。くっそ、邪々神のヤツ、余裕の顔で笑ってやがる。ホントにどうしたらいいんだってば!?
「天心くーん。心の奥の白い光を、一本にまとめて邪々神に向けて放出するようなイメージをするですぅ」
ん? 日和の声? 日和がなんでそんなアドバイスを?
そう思って日和を見たら、きょとんとしてる。
「いいですかぁ。強く念じるんですよぉ」
また日和の声がした。だけど目の前の日和は、口を開いてもいない。日和の声だと思ったけど、勘違いみたいだ。誰の声なんだ?
周りをきょろきょろ見回したけど、さくらと梅ちゃんは抱きついて震えてるだけだし、ロリ神様も「さあ行けっ!」とか言ってて、さっきの言葉はこいつとは違う。他には誰もいないし、どこからあの声は聞こえてくるのか?
「天心くん。迷ってる場合じゃないですぅ。さあ、早く言ったとおりにするのです」
そうだ。迷ってる場合じゃない。声の主は誰だかわからないけど、決して邪悪な感じじゃない。言うとおりにやってみる価値はあるかも。
「ぐふふふ。手も足も出なくて、どうしたらいいかわからん様子だな、小僧。あとひと振りで、ぶっ倒してみせようぞ」
邪々神がまた右手を大きく振り上げてる。もう一発やられたら、マジやばいかも。急がないと!
心の奥に見える、白い光。それを一本にまとめるイメージ。今度はそれを目を開けたままイメージする。
──そしてそれを邪々神に向けて、一気に放出する。
俺は片手を前に突き出した。
おおっ! なにか俺の手の先から、鋭い一本の光が邪々神に向かって伸びた! そしてヤツの胸に突き刺さる。
「ぐわっ!!」
邪々神が胸を押さえて苦しんでる。やったのか? 俺、やったのか? 邪々神を倒したか?
ロリ神様が、俺に邪々神を攻撃しろって言った。顔を見たら真顔だ。
「そうじゃ。お前以外に誰が攻撃するんじゃ?」
「それは……霊力が強いさくらとか」
「巫女はビビっとる。それにか弱い女子に危険な役割をさせるなんて、お前はそれでも立派な男子か?」
さくらを見ると、確かに青ざめた顔でガタガタ震えて、梅ちゃんと抱き合ってる。いつもの攻撃的な姿はどこにもない。
「俺だって怖い。それに俺にはみんなを守る自信なんかない」
「自信がなけりゃ、お前は大切な人たちを見放すのか?」
──大切な人たち。
日和は何も言わずに俺を見つめてる。わけがわからなくても、大変な何かが起きてるのを感じ取ってるのかもしれない。
さくらは怯えた目で、すがるように俺を見てる。梅ちゃんはさすがお姉さんだから、気丈な顔をしてさくらの肩を抱きしめてる。
だけどホントは凄く怖いんだろう。唇がぶるぶる震えてる。
──大切な人たち。
だよな。こんなパッとしない陰キャな俺に、なんの偏見もなく接してくれて、関わろうとしてくれるやつら。こいつらは俺にとって、確かに大切な人たちだ。
「天心よ。お前にはなんだかわからんが、体の奥底に強い霊力があるようじゃ。それをうまく解放できたら、邪々神くらい撃退できる気がするぞよ」
ロリ神様はにかっと笑ってる。
「ロリ神様。それは間違いないのか?」
「いや、わからん。自信はない」
なんと!? そうなのか?
思わずズッこけた。
「でもさっき言ったとおりじゃ。お前さんは自信がなけりゃ、大切な人たちを見放すのか?」
──大切な人たち。
そうだ。何の取り柄もない俺だけど、今のこの状況では、俺がなんとかしなきゃいけない。──いや、なんとかこいつらを守りたい。
「いいや、見放したりなんかしない」
「よかろう、天心よ。お前さん、いい顔しとるぞ。ようやく本気になったようじゃな」
「えっ? そ、そうか?」
「心の内に目を向けよ。己が持つ力を信じて、そして自分の大切な人たちを助けることを念じるのじゃ。さすれば予想外の力が出るやもしれん」
「あ、ああわかった」
──って、わかったとは言ったものの、どうすりゃいいかわからん。
いったいどうすりゃいいんだよぉ?
「お前ら俺様を無視して、何をごちゃごちゃ言っとるのだ? なめとんか?」
うわっ邪々神、怖っ! いやいや、なめてなんかいませんけどー!
「ああ、なめとるぞよ。誰が巫女なのか、霊力の違いで見分けられんようなバカ邪々神じゃからのぉ」
「こらっ! ロリ神様! だから挑発するなって!」
「まぁ気にするな天心」
「気にするっつーの!」
「やっぱり俺様はなめられとるらしぃのぉ」
邪々神はしわがれた声で、ぐふふとか笑ってる。こめかみに血管が浮き出て、ぴくぴくしてるぞ。めっちゃヤベー。
「邪々神よ。この天心がお前なんか軽く倒してみせると言っておる」
はっ? ロリ神様は邪々神の顔を見ながら、俺を指差してる。いや、そんなこと言ってないし、もうちょっと心の準備を待って欲しいんですけどー!
「ほぉ、大した霊力もなさそうな、こんな小僧が?」
「そうじゃ。後でお前がほえ面かくのを見るのが楽しみじゃ」
「そうか、そうか。それはまた大きなことを言うのぉ」
ロリ神様は俺を見て、にやっと笑った。
「さぁ天心よ。場はあったまったぞよ。行けっ!」
おーいロリ神様よ。こういうのを、場があったまったって言うんですかーい?
行けって言われても、いったい何をどうしたら?
「さっき言ったように、心の内に目を向けるんじゃ。そして自分の大切な人たちを助けることを念じるのじゃ」
わ、わかった。とにかく目を閉じて、自分の心の奥に目を向けてみよう。そして大切な人たちを助けることを念じるんだな。
──俺の身体に隠された力よ。俺の大切な人たちを守るために、その力を出してくれ。邪々神を倒すような、強い力を出したい。
目を閉じて念じたら、なんとなく胸の奥に白い光が見えたような気がした。
「こいつ、なに目をつむっとるのか。バカか? くらえ!」
目を閉じたままなのに、邪々神が拳を振り下ろす気配がなんとなく見えた。凄いぞ俺。
びったーん! という音が鳴り響いて、顔面に衝撃が走る。
「いってぇ~~~!!!!」
気がついたら身体が真横に吹っ飛んでた。邪々神のパンチをもろに受けたみたい。左の頬が焼けるように熱くて痛い! そして頭もがんがん痛い! パンチが見えた気になってたけど、全然よけられなかったじゃないか!
「おい、天心よ。心の内に目を向けよとは言ったが、相手の攻撃はちゃんと見て、避《よ》けなきゃならんぞよ」
だーっ! ロリ神様! それを早く言ってくれ!!
地面に這いつくばったまま目を開けたら、すぐ横で巨大な邪々神が仁王立ちして、俺を見下ろしてる。下から見上げる邪々神の顔は、さらに恐ろしい。だけど恐れてる暇はない。このまま寝転んでたら、巨大な足で踏み潰されそうだ。
俺は素早く立ち上がって、数歩下がって邪々神と距離を取る。くっそ、邪々神のヤツ、余裕の顔で笑ってやがる。ホントにどうしたらいいんだってば!?
「天心くーん。心の奥の白い光を、一本にまとめて邪々神に向けて放出するようなイメージをするですぅ」
ん? 日和の声? 日和がなんでそんなアドバイスを?
そう思って日和を見たら、きょとんとしてる。
「いいですかぁ。強く念じるんですよぉ」
また日和の声がした。だけど目の前の日和は、口を開いてもいない。日和の声だと思ったけど、勘違いみたいだ。誰の声なんだ?
周りをきょろきょろ見回したけど、さくらと梅ちゃんは抱きついて震えてるだけだし、ロリ神様も「さあ行けっ!」とか言ってて、さっきの言葉はこいつとは違う。他には誰もいないし、どこからあの声は聞こえてくるのか?
「天心くん。迷ってる場合じゃないですぅ。さあ、早く言ったとおりにするのです」
そうだ。迷ってる場合じゃない。声の主は誰だかわからないけど、決して邪悪な感じじゃない。言うとおりにやってみる価値はあるかも。
「ぐふふふ。手も足も出なくて、どうしたらいいかわからん様子だな、小僧。あとひと振りで、ぶっ倒してみせようぞ」
邪々神がまた右手を大きく振り上げてる。もう一発やられたら、マジやばいかも。急がないと!
心の奥に見える、白い光。それを一本にまとめるイメージ。今度はそれを目を開けたままイメージする。
──そしてそれを邪々神に向けて、一気に放出する。
俺は片手を前に突き出した。
おおっ! なにか俺の手の先から、鋭い一本の光が邪々神に向かって伸びた! そしてヤツの胸に突き刺さる。
「ぐわっ!!」
邪々神が胸を押さえて苦しんでる。やったのか? 俺、やったのか? 邪々神を倒したか?
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