同級生で美少女の巫女さんが、陰キャの俺に興味を持って追いかけてくるのは何故なのか?

波瀾 紡

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【47:さくらの心の声】

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◆◇◆

 翌朝、私は目を覚ますと同時にスマホを見た。だけど三人とも既読も付かず、もちろん返事もない。

 今日は日曜日だから、学校でみんなに会えない。だから天心君の家まで行って、どうしてるか確かめてみたくてしょうがない。

 だけど天心君が今住んでる家は知らないし、建築中の家に行っても会える可能性は限りなくゼロだし。

 私も今日はお父さんの神事の手伝いで巫女をやらなきゃいけない。だから当てもなく天心君の家を探しに行くなんてできない。

 仕方ないから、またメッセージを送って、天心君から返事が来るのを期待するしかないなぁ。





 でも、一日経って夜になっても、天心君からも、他の二人からも返事はなかった。日和ちゃんと二階堂君はまだいいとしても……天心君はどうしてるの?

 忙しいのかな? でも、もしもそうだとしても、メッセージくらい送り返せるよね?






 もう夜の8時だよ? 大丈夫かな? まさか、どこかで事故にあってるとか? それとも急に体調を崩して、寝込んでるとかない?






 連絡、まだだなぁ。あ、もしかしてスマホをどこかに置き忘れたとか?
 天心君って抜けてるとこがあるから、それは可能性が高いかも。
 だって天心君って、アホなんだもーん!

 ──なんて言ってみても、やっぱり気は晴れない。






 10時にもなってまだ返信がないなんて、ちょっと、ホントに大丈夫なの? まさか死んじゃったとか、ないよね?
 そんなのヤダよ。絶対やだよ。心配だ、心配だ、心配だ。







 ──まだ音沙汰なし。もう11時。ああ、もう心配するのも、疲れてきちゃった。もちろん凄く心配は心配なんだけど……段々と腹が立ってきた!
 こんなに可愛い彼女を……って自分で言うのは恥ずかしいけど、でも言っちゃおう。

 こんな可愛い彼女をほったらかして、心配させて、天心君はいった何をやってるの!? 







 ん~、なんでまだ連絡がないの? もうすぐ日付が変わっちゃうよ。もうっ! 天心君ったら、ホントに何をやってるのよ。明日学校で会ったら、もうめちゃくちゃぶん殴ってやるんだから!

 冗談で言ってるんじゃない。ホントに殴ってやる!
 だってこんなに心配させて、天心君は酷いヤツだ。絶対に許してなんかやんない。






 夜中の1時を過ぎてもまだ返事がない。

 くそっ、許さないからな~、天心!
 このやろう、天心!!
 お前はいったい何を考えてるんだ!?






 もう2時。まだ返信がないってどういうこと? いい加減、返事を寄こせ! このバカ天心!!!!
 ホント、いつまで待たせる気だっ!?
 バカ、バカ、ばーか!! バカ天心!!!!





 バカ、バカ、バカ、バカ!!
 夜中の3時だよ? いくらなんでもこの時間まで、連絡する暇がなかったなんてないでしょ? きっと連絡する気がないんだ。

 もうお前なんか、どうでもいいっ!
 あんたなんかを好きだと言った自分がバカだった。
 天心なんか、好きでもなんでもないから!!





 ──また時間が経っちゃったけど、スマホは何の音も鳴らない。

 天心君……

 さみしいよ……


 ホントにどうしたの?
 何があったの? 教えてよ。

 なんで返信をくれないの?
 なぜメッセージを読んでもくれないの?




 天心君が昨日、私に言ってくれたことは、嘘だったの?
 私を好きだと言って、からかって、もしかして今頃どこかで私を笑ってるの?




 ねぇ、天心君。私は──ホントに天心君のことが好きだよ。
 天心君、大好きだよ。ホントにホントなんだから。
 さっき『天心なんか、好きでもなんでもないから』って言ったのは嘘だよ。大嘘。
 あんなこと言ったから、神様が私に罰を与えてるのかなぁ。




 あれ? 涙があふれて止まらなくなっちゃった。私、どうしたらいいの?



 天心君、天心君、天心君、天心君、天心君、天心君。
 天心君、天心君、天心君、天心君、天心君、天心君。

 天心……くん……


◆◇◆


 気がついたらすっかり朝。昨日はベッドの中で、泣きながら知らない間に寝入ってた。起きてすぐにスマホをチェックしたけど、やっぱり天心君からの返事は来てない。

 洗面所で顔を見たら最悪~!
 腫れぼったくむくんでる。でも学校を休むわけにはいかない。
 今日は天心のヤツをとっつかまえて、とことんしばき倒してやらないといけない。

 うーん、お詫びに何をしてもらおうか。ケーキバイキング? それもいいけど、それだけじゃ足りない。

 やっぱりアクセサリーを買ってもらおっかな。ペアのリングとかいいな。
 あっ、ペアリングって、詫びって感じじゃないか、あはは。

 ──でも天心君とのペアリング、いいなぁ。ほしいな。

 あ、やばい。早く支度をしなきゃ、学校に遅れそう。急がなきゃ。





 遅刻寸前で教室に着いた。ぎりぎりセーフ!

 教室に入ってすぐに天心君の姿を探す。でもいない。
 自分の席に着いたら、日和ちゃんも二階堂君もいない。

 私の席の左右三人分が、がらーんと空席。なんかおかしい。
 これっておかしいよね? なんで?


 小町先生が来て、一時間目の授業が始まった。なのに私の左右は空席のまま。先生も出席を取って、三人もいないのに何も言わない。どうしたんだろ?




 もやもやしたまま一時間目が終わるのを待って、終わると同時に教壇に行って小町先生に声をかけた。

「先生、天心君たちは、なぜ休んでるんですか?」
「ああ、神凪かんなぎさん。えっと……ちょっといいかな」

 先生は手招きで私を近くに呼び寄せて、他の生徒に聞こえないように小声で話した。

「あなたはあの三人と仲が良かったみたいだけど……何か連絡はある?」
「いえ。昨日からメッセージに既読もつかなくて、返事もないんです」
「そう……」

 小町先生は顎に手を当てて、少しうつむいて何かを考え込んでる。

「あの、何かあったんですか?」
「いえ……そうね。あなたは柴崎君達と仲が良かったみたいだし、言うけど、他の人には言わないでね」
「はい」
「今朝柴崎君と月影さんの親御さんから連絡があって、二人とも一昨日おとといから家に帰ってないそうなんだよ」
「えっ?」
「二階堂君は家の電話に誰も出ないし、親御さんとも連絡がついてないの」

 えっ? やっぱり三人揃って、何かあったの?

「あの、先生。実は一昨日おととい、三人がウチの神社に遊びに来たんです。それで気がついたら三人ともいなくなってて……」
「神社で三人ともいなくなった? まるで神隠しじゃない」

 ウチの神社で神隠し? シャレにもなんない。


 ──そうだ! 凪桑神なぎくわのかみ様に聞いたら、何かわかるかも?

「小町先生! ちょっと私、体調が悪くなっちゃって……今から早退します!」
「え? 体調悪いって元気じゃない?」

 細かいことなんて言ってられない。一刻も早く、凪桑神なぎくわのかみ様と話をしたい。

「神凪さん、どこ行くのーっ!?」

 小町先生の声を後ろに聞きながら、鞄を抱えて教室を飛び出した。
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