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和寇7

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 夜のうちに下忍を小舟で南蛮船に走らせた。岬の下までに南蛮船を移動させて荷を海で拾う作業を準備させた。宿の下忍は城に潜入させる。ところどころに火薬を仕掛ける。果心は一人また行動をする。茉緒は寝たままの凜を港で荷を積み終えた南蛮船に乗せた。今話を聞くのは辛かったのだ。アヘンの治療のためしばらく縛っておけと言った。
 城の中で爆発が連続して始まった。下忍は岬の蔵から財宝を積みだして岬で海に投げ込む。この時間はもう南蛮船は港を離れてアユタヤに戻り始めている。チャクラバットの手勢と蔵の前で切り合いが始まる。荷を落とした下忍が戻ってきて茉緒に加勢をする。
 割れるような笑い声が響いた。大屋根に果心が素裸のチャクラバットを屋根の先に括り付けている。まさに神業だ。和寇の兵が大屋根に登り始めている。その時果心の得意の大旋風が起こって兵が転げ落ちる。その騒ぎに紛れて茉緒たちは次々と海に飛び込む。
 空を見上げると果心が飛んでいる。いつか見た光景と同じだ。
「みんな引き上げたか?」
「果心を除いて」
 九郎が答える。
「よし、港に向かって進めろ」
 少し進み始めた頃ゆっくり果心が舞い降りる。
「相変わらずの技だ」
「凜は豪と子供は死んだと言っていた。そういうことにしておこう」
「よし、撃ち方を始めろ。和寇だけでなくイギリスの商船も沈めろ」
 アヘンはいらない。




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