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遠謀6

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「心が決まった」
とハル王女は逮捕に加え王侯会議に組織の用意してきた改革を提出した。イラクの商人の関連もこの際排除した。戻ってきた王はすべて王女に委ねている。茉緒は連日女官としてハル王女と共にしている。執務室に入ると彼女はカトマンズの地図を出してきた。
「これから遠乗りをしない?」
 地図はカトマンズの南を指していた。さっそく下忍5人と女隊30人を連れて馬で王宮を南南と走る。いつか狩りをした森を抜け広大な草原に出る。
「ここは王の直轄地だけど2刻ばかり走ったところにある。ここにはわずか原住民がいるが狩りをしている。村が5つほど点在をしていて合わせても2千は超えないわ」
「水源はある?」
「ええ、一度祖父の時代にここを開拓したわ。あの森から川が流れている。祖父はそこから水路をこの草原に通す計画を建てた。だが金が続かず」
と水路跡を見せる。確かにここまで水路を通していれば。茉緒は渡された地図に詳細を書き込む。ここならアユタヤの開拓地と変わらない。まず水路を確保して人工池を作ろう。
「あの抜けてきた森から木を切り出して水路を流すと言うのが祖父の案です」
「この先は?」
「もう2刻走ると砂漠になります。そこを超えると別の国ですが、お互いに砂漠を超えてくることなないようです。祖父の時代は他国との戦いもよくやりました。それでカトマンズの今の基盤があのです。だが父は何もせずに今日まで来ました。それが弟王の不満なのです」
 1刻調査をしてみんなを集めた。
「そろそろ帰りましょう?日が暮れます。私は茉緒を信じます」




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