5 / 233
新天地5
しおりを挟む
この酒場に来るのは2度目だ。初めてアユタヤに来た時にヒデが夜案内してくれたのだ。どちらかというと街の飲んだけれが集まっている。真ん中の長いテーブルに豪の荷隊が居座っている。ヒデはその中をかき分けるように中2階のテーブルに案内する。
「この方が夜叉ですか?」
「はい。お頭です。こちらが王子です」
彼も日本の王子だった。
「剣の強さは聞いていますよ。でもこんな美人とは。一度手合わせをしていただけますか?」
「ここでですか?」
「ここは決闘場でもあるのですよ」
ヒデが棒を茉緒に差し出す。
「王子は剣を抜いてください」
急に顔が真っ赤になる。1階の床に降りる。ワイワイと声が飛び交う。ヒデは茉緒の強さを知っている。王子は剣を抜くと構えたまま動かない。茉緒は片手で棒をぶら下げたままだ。合わせて長い裾の服が動きを規制している。豪が店に入ってきて突っ立って見ている。茉緒と目が合う。
ゆっくり茉緒が1歩踏み出す。その誘いで剣を振り下ろしてくる。その瞬間茉緒が剣をよけて王子の真横に立っている。顔が触れる距離だ。そのままどさりと倒れ込む。
「王子、相手は忍者の魔王ですよ」
豪が笑って王子を抱き起こす。そのまま2階の席に豪と並んで王子と座る。サンペット王子は茉緒に一目ぼれしたようだ。
「私の師匠になってください」
「それなら豪さんが」
「いや夜叉でないとダメです」
「この方が夜叉ですか?」
「はい。お頭です。こちらが王子です」
彼も日本の王子だった。
「剣の強さは聞いていますよ。でもこんな美人とは。一度手合わせをしていただけますか?」
「ここでですか?」
「ここは決闘場でもあるのですよ」
ヒデが棒を茉緒に差し出す。
「王子は剣を抜いてください」
急に顔が真っ赤になる。1階の床に降りる。ワイワイと声が飛び交う。ヒデは茉緒の強さを知っている。王子は剣を抜くと構えたまま動かない。茉緒は片手で棒をぶら下げたままだ。合わせて長い裾の服が動きを規制している。豪が店に入ってきて突っ立って見ている。茉緒と目が合う。
ゆっくり茉緒が1歩踏み出す。その誘いで剣を振り下ろしてくる。その瞬間茉緒が剣をよけて王子の真横に立っている。顔が触れる距離だ。そのままどさりと倒れ込む。
「王子、相手は忍者の魔王ですよ」
豪が笑って王子を抱き起こす。そのまま2階の席に豪と並んで王子と座る。サンペット王子は茉緒に一目ぼれしたようだ。
「私の師匠になってください」
「それなら豪さんが」
「いや夜叉でないとダメです」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる