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新天地10

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 総司令官の警備兵が今回の襲撃を平穏な漁村に対するものと豪と茉緒の屋敷を捜索に来た。それで茉緒と豪が宮殿のチャクラバットの部屋に連行された。
 豪華な部屋の奥に白髪のチャクラバットが座っている。警備隊長の大男が剣を指して横に立っている。
「どうして村を攻めた?」
「いえ、覚えがないです」
 豪が不貞腐れて答える。いつものことなのだろう。
「税逃れをしておる」
「市に荷を出していません」
 今度は茉緒が答えた。
「和寇のようにどうして私に貢物をしない」
 堂々としたものだ。
「王様のご命令なら」
「儂の言うことは王の言うことと同じだ」
 茉緒は黙ったまま鋭い視線を送る。チャクラバットの表情が急に能面のようになる。
「もういい。帰るがいい」
 驚いた隊長が出て行けと言う仕草をする。部屋を出ると豪が、
「恐ろしい技だな。やはり上忍には勝てないわ。一杯奢らせてくれ」
 酒場に降りると王子が宮殿から付いてきている。
「今日は早かったですね?」
「茉緒は怖い」
 茉緒の椀に酒を注ぐ。
「どうして牢に入れないの?」
「王様の命令がないと兵は動かせないのだ。民兵5百では私たちに負けることを知っているのさ」








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