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再会10

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 下忍が1人師範代の柳生に切られた。そこにリーが剣を突き出す。茉緒は手前まで来た下忍を切り伏せる。まだ荷は半分ほどが船に乗せられたところだ。関所の藩兵が増えたようだ。修験者が押されている。茉緒の前にいる柳生も手ごわい。リーの元にと心は焦るが鋭い剣がはばむ。
 思い切って飛び上がり体をひねって柳生の剣をかわし腕を切り落とす。そのまま左右の2人を切り抜けてリーを見る。彼女の突きをかわして師範代は剣を振り下ろし急に角度を変える。ほとんど同時に南蛮船から鉄砲の音がした。次の瞬間茉緒が飛び込んだ。リーが倒れこむ。
「魔王と呼ばれるものか?」
 師範代の剣が向きを変える。鋭い剣が振り下ろされて茉緒は飛び下がる。先ほどのは息子の鉄砲のようだ。だがこの角度では狙えない。ずんずんと踏み込んでくる。全く隙がない。体中に冷たい汗が噴き出てくる。
「茉緒飛び上がれ!」
 耳元から聞こえてくる。その瞬間剣が真下に見える。それから同時に物凄い風が吹き抜ける。師範代の体が仰け反る。茉緒はふわりと体をひねって着地し片手で目を突いている。
「さらばだ」
 果心居士の声がして柳生が師範代を囲み引き上げる。茉緒は慌ててリーを振り返ると息子が抱きかかえている。
「どうだ?」
「脇腹を切られています。かなりの出血です」
「船に運び船長に手当てをしてもらえ」
 関所からは飛び去るように修験者が山に消えている。茉緒は最後に船に乗り込んで錨を上げる。
「いくら失った?」
「5人です」
「隠岐に向かってくれ」





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