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王宮奪還7

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 茉緒は兄王子に久しぶりに操りの術をかけた。兄王子に下忍と交って王宮に入る。リーが王宮の中に50人の下忍を忍ばせている。親衛隊の中にはすでに元親衛隊長が混じっている。護衛隊と商人隊が7百包囲狭めて正門に圧力をかけている。だが東門は敢えて守りをがら空きにしている。
 王の部屋に入ると中央に疲れた王が珍しく座っていて、チャクラバットが横に座ってふんぞり返っている。兄王子はビルマ王の指示書を虚ろな目で読み上げる。声は茉緒が出している。これは本物のビルマ王の指示書だ。ざわめきが起こる。
「それを取り上げてみよ」
 チャクラバットが叫んだ。兵が部屋に入ってくる。
「どうした?」
「反乱軍が押し寄せてきてます」
 親衛隊がチャクラバットを守るように取り囲む。廊下では下忍が投げた火薬玉が破裂している。だがその時に宮廷に仕掛けられた爆弾が破裂する。茉緒は姿を消したチャクラバットらを追いかける。実際に王宮では双方の兵が入り乱れて戦っている。
 チャクラバットは用意していた馬車と騎馬隊ですでに半島の屋敷に走り出している。茉緒は下忍を騎馬で追わせる。盗賊隊はすでにビルマに引き上げ始めている。茉緒は再び王宮に戻る。
 すでに親衛隊に守られたサンベット王子が王宮を制圧していた。王と兄王子は爆発で即死していた。サンベットはここで正式に王となる。
「どうする?」
「盗賊隊は引き揚げました。チャクラバットを捕まえるのです。親衛隊4百と護衛隊5百で押し寄せてください。私は南蛮船と水軍で半島を襲います」









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