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伊賀攻め8
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伊賀攻めがついに始まった。利休は安全な岐阜に残ることとなった。茉緒は秀吉に頼み込んで隊の先導に組み入れてもらった。下忍の一人を途中で抜け忍村に文を持たせて走らせた。いよいよ新しい村に全員移動させて洞窟を塞ぐ準備にかかるのだ。
秀吉の軍は百地館を落し伊賀に侵攻する。あちらこちらから夜討ちをかけられる。百地では2百ほどしか残っておらず鉄砲隊が討ち取っているのは農夫ばかりだ。
秀吉は軍を止めてそこから侵攻しない。柵を築いて逃げ出てくるのを討ち取る気なのだろうか。茉緒は秀吉の陣幕に身を潜める。次々と野盗らしきものが戻ってくる。
「筒井順慶の軍が伊賀に入りました」
「信長さまもすでに」
「百地のお館の砦を焼き落としました」
「茉緒幕に隠れておらず顔を出せ」
急に秀吉が声をかける。
「伊賀は終わりだな」
やはり。こんなにももろい。
「儂は農夫をまで殺したくない。だが信長さまはそれは許さないわ。この先の向こうに忍者の裏街道があるだろう。そこから藤林を抜けて奈良に抜けられる」
口だけ動かして、
「藤林の館も燃やす。そうしないと茉緒が睨まれる」
「いいのですか?」
「独り言さ」
茉緒はそのまま残りの下忍をまとめて裏街道を走る。
秀吉の軍は百地館を落し伊賀に侵攻する。あちらこちらから夜討ちをかけられる。百地では2百ほどしか残っておらず鉄砲隊が討ち取っているのは農夫ばかりだ。
秀吉は軍を止めてそこから侵攻しない。柵を築いて逃げ出てくるのを討ち取る気なのだろうか。茉緒は秀吉の陣幕に身を潜める。次々と野盗らしきものが戻ってくる。
「筒井順慶の軍が伊賀に入りました」
「信長さまもすでに」
「百地のお館の砦を焼き落としました」
「茉緒幕に隠れておらず顔を出せ」
急に秀吉が声をかける。
「伊賀は終わりだな」
やはり。こんなにももろい。
「儂は農夫をまで殺したくない。だが信長さまはそれは許さないわ。この先の向こうに忍者の裏街道があるだろう。そこから藤林を抜けて奈良に抜けられる」
口だけ動かして、
「藤林の館も燃やす。そうしないと茉緒が睨まれる」
「いいのですか?」
「独り言さ」
茉緒はそのまま残りの下忍をまとめて裏街道を走る。
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