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雷のエイリアン
しおりを挟む霧島ヒノと出会ったの次の日の早朝。
カーテンの隙間がうっすら白いのに、私はまだ夜の続きを抱えたままベッドに沈んでいた。あまり眠れなかった。
魔族に追われているかもしれない、という不安が胸の奥にずっとある。
慢性的な不安だ。これが無くともずっと不安に悩まされている体質なんだが、
よりしんどい。
そしてもうひとつ。
霧島ヒノ――
「秘密だよ」
あの笑い方。声の距離感。指先の温度。
真っ赤な髪、ピンクの見透かした様な瞳。
考えるなって思うほど、勝手に思い出してしまう。
腹が立つくらい鮮明に。
私は少し女の子が好きだから仕方無いのかもしれないが。
私は枕元のスマホを掴む。
画面を点けた瞬間、通知がひとつ。
【依頼:局地的な雷・異形調査】
【場所:郊外/工業地帯周辺】
【内容】
最近この辺りだけ、局地的に雷がやたら多いです。
あと、人型の三メートルくらいの、スラっとした爬虫類かエイリアンみたいなのも見ました。
バイトの帰り道で怖いので調査してください。できれば退治して頂けるとありがたい。
【報酬:30,000円】
「……三万」
命がけで戦って。
鎌で斬られかけて。
運が悪ければ私は終わる……
それなのに――三万円。
安い。安すぎる……って言いたい。
それに、人は化け物と言えばすぐ退治と言うが、霧島ヒノを思い出すと、そんな簡単な答えでいいのかと疑問に思う。
私が言えることでは無いが、異形にも色々あるんじゃないかと思う。
どんな存在だって傷つくのは怖いんだ。
でも、大学生の三万円って、軽いお金じゃない事を考えれば、
「怖いから助けて」って言うのは本気で覚悟して依頼してきた可能性もある。
私はスマホを握りしめたまま、天井を見上げる。
迷ってる場合じゃないのも、分かってる。
能力を上げて強くならなきゃ、どのみち終わる。
魔族の組織とかいう、冗談みたいな現実が背後にいるから――
だから、私が強くならない理由は、ひとつもない。
「……行くか」
決心すると、少しだけ心が落ち着いた。
昼まで、私は現実逃避みたいに街を彷徨った。
繁華街の喫茶店で、ぬるいカフェラテをだらだら飲みSNSを眺める。
スマホサイズに圧縮した鎌――ゼスパ・ヴェスペラは、ポケットの中でおとなしい。
触れると、あの能力の高揚感に一瞬浸れる。
ゲーセンに寄って、クレーンゲームを眺めて。
アニメショップで、今期のアニメのグッズの棚の前をうろうろして。
変わらない日常の形を、無理やり身体に貼り付け剥がれさせまいと。
「私は普通」
って言い聞かせるみたいに。
でも、棚のガラスに映る自分の目が、普通じゃない。
黄金の瞳の奥が、異形達の"光景"をまだ覚えている。
昼を過ぎた頃、小雨が降り始めた。
空が鈍く、重たくなっていく。
「……局地的な雷、か」
依頼文の“局地的にやたら雷”という一文が、脳の端で浮かぶ。
そして午後。
私は現地に向かった。
郊外の工業地帯は、人の気配がかなり薄い。
休日みたいな静けさじゃない。
工業地帯と言っても、依頼場所に至っては放置区域で何も行われていない。
不良のたまり場ぐらいしか用途が無い。
バカでかい電波塔のただの置き場所。幾人かの物言わぬ人達のただの通り道。
もともと“人がいる前提じゃない場所”の静けさ。
異形の噂があれば、人も避けるので尚更に誰もいない。
皆、異形が現れだしてから遭遇したり見えても、現実逃避の様に関わらないように生きてる。
舗装の割れ目から濡れた草が伸びて、
水たまりが灰色の空を写している。
そして――目的の電波塔付近。
おかしい……電波塔が多すぎる
五本、十本じゃない。
やたらと多い。
昔、この辺を通学で通ってた。あの学校はもう廃校になったが……。
確かに見慣れていたはずの景色だ。
なのに――
「……無茶苦茶増えてる」
確信があった。
しかも増え方が変だ。
間隔が、異常に狭い。
二十メートル級の電波塔が、まるでラーメン屋の行列みたいに所狭しと並んでいる。
工業地帯に必要な数を、明らかに越えている。
素人目でもわかる
私は足を止める。
小雨が頬に当たって冷たい。
ポケットの中で、鎌がわずかに熱を持った。
――反応
「来る――」
気配がする。
そう思った瞬間だった。
ゴオォォォォ、……と、金属が鳴いた。
一本の電波塔が、わずかに――動いた。
錯覚じゃない。雨のせいでもない。
塔の根元が、地面から“引き抜かれる”みたいに浮く。
次に、隣の塔。
さらに、さらに。
何本もが、意思を持ったように、ゆっくりと移動を始める。
私は後退しながら、スマホサイズの銀色の塊を取り出す。
指先で“展開”を命じるだけで、形が戻る。
柄。刃。
刃先が雨粒を切り、淡く光った。
電波塔たちは、円形に並び始める。私など無視して、もっと大事な用事があるように。
まるで儀式の準備みたいに、正確に。
そして――中心。
空間が、歪んだ。
何もないはずの場所に、光の“輪”が生まれる。
薄い冷たい光。
「……これ、なんかやばい」
やばい相手が出てくるときは、それなりの気配がある。
共通するのは派手でなく静かで奇妙なのだ。
光の輪が何層にも重なる、眩しい。
ゼスパを超速回転し、スタンバイオーケーで構える。
黒の粒子の付与は、今はしない。
まずは様子を見る。
輪の中心の光が、一段明るくなった。
――そして、何かが出てきた。
人型だ。
背が高い。
三メートル級。
シュッとしている。筋骨隆々ではあるが細い
人型なのに、どこも“人じゃない”。
顔には目がない。
代わりに、エラみたいな裂け目が――八つ。
縦に並んでる。
身体の輪郭は、戦隊物のヒーロースーツみたいに滑らかで、
爬虫類の皮膚に見えるのに、金属の反射も混じっている。
そして全身に――雷。
細い稲妻が、皮膚の上を走っている。
時々、パチ、と光って、空気が焦げた匂いを撒く。
私はその堂々たる登場に固まる。
モンスターって感じでは無く、研ぎ澄まされた存在だ。
異形は、首を鳴らす仕草をする。
目がないのに、見られている感覚だけがある。
ビリ、……と空気が鳴った。
一瞬、私の髪がふわっと浮く。
雷の前兆。
私は一瞬パニックになる。どうすればいいかわからない
とにかく全力でゼスパを頭上で回転させ瘴気を纏わせる。
避雷針――
そのとき。未来が視えた。雷が落ちる。
ズドォォォーン!!!!!!!
私の選択はあっていた。ゼスパに雷が落ちた。
有難いことに受けきってくれた、見た目はそのままだ。
丁度その時、少し離れた建屋の屋上。
雨の幕の向こう。
異形がもう一体、気配を消して潜んでいる。
真っ赤な翼の少女――霧島ヒノが、遠くからその戦いを眺めていた。
ただ、シスイがどう動くかを――見ている。
「まーた、厄介なやつと戦ってるじゃん――あの子。」
「ギリギリまで見守りますか」
雷が落ちた直後、異形はようやく私に興味を示した。
何故、お前はまだ存在している?と言うかの様に。
異形の全身の雷が、何かに呼応するみたいに強く光る。
「ああああ、えげつない未来見せないで」
その時私が見たのは、無数の雷の雨。
次の瞬間――
ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!
ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!ズドォォォーン!!!!!!!
同時に五十発は落ちて、その波が連続で五回は落ちた。
しかし私は生きている――
自分でも思う。
何故まだ生きてるのだろう?
一瞬未来視で反応した後、全神経をゼスパに集中し、ゼスパの回転を最大限にしながら、砂時計の様な形状で自己の周りを旋回させたのだ。
奴は首を鳴らす。二回。
私がまだ生きているとこにきっとイライラしてる。
なんだか私までイラついてきた。いきなり攻撃しやがって……
そしてまた来る――
今度はイカヅチの嵐じゃない。
奴は足に閃光を走らせ一秒以内に目の前まで接近し、その巨体で女子高生(私)に本気殴りをかまそうとしてくる
イラつく。
容赦の無さに無性にイラつきが増す。
女の子に本気殴りは外道のする事だ。
0.1秒の間というコンマの間にイラつきがピークになる。
絶対倒す――完膚なきまでに……
そんな精神状態の時、未来視もそうだけど相手の動きがスローモーションになる時がある。
私は奴の本気殴りの目標地点に寸分狂わない場所にゼスパを持ってくる。
奴は一瞬遅くなる、そのまま殴ると腕が吹っ飛ぶからだ。しかしゼスパの回転を見切って柄の部分を殴る。
ガシャー―――ン!!!!!
音は大きいが、傷一つない。さすがだ。
私はこの子(ゼスパ)が大好きだ。魔族が来ようが絶対誰にも渡さない。
雷の超人は後方に三十メートル程飛びのく。
そして、何やら奇怪な準備運動をしだす。
不穏だ……
これ程までに危険な事が始まる準備運動を私が見たことが無い。
奴は全身に雷を纏いビカビカと光る。先ほど殴った手は少し傷んでる様だ。色が変わってる。
でも、あれぐらいで済んでるという事はかなり頑丈な体か、超再生みたいな治癒能力があるかもしれない。
未来が視える――
奴は猛撃のラッシュを決め込んでくる。これは終わりの未来……。
もう一つ異常な未来――
奴の背後の巨大な電波塔を私は念動で動かしてる。
私は猛撃ラッシュの未来を変える。
奴の後ろの電波塔を無駄にかっこつけた準備運動の隙に引き抜いた。
「うりゃああああ!!!」
男みたいな声が出た。なんだか恥ずかしいが気にしてる場合では無い。
奴は何事かと振り返る。
「遅いんだよバカ」
巨大な電波塔を奴に突っ込ませた。
奴は寸前で避ける。
「ちっ」
私は気付く、自分が避ける事を考えていなかった。
もう一度気付く、私が操作してるから軌道を変えればいいんだ。
そして巨大な電波塔は時速200km程で別の電波塔に突っ込み
大破した。
電波塔がバラバラだ……
その時、霧島ヒノが遠くで呟く。
「あの規模の操作が可能なのね.....やっぱ結構化け物じゃん。この先を考えると少し背筋が冷えるわ。どうかいい子でありますように」
雷の超人も腕を組んで、品定めするように、ふんふん……と頷く。
変な奴だ――
だがこいつは容赦無い、もっかい猛撃ラッシュを決め込もうと企んでる。
動きの気配がそれだ。
という思考とは別に並列的に考えてた事がある。
私は勝手に自分の操作できる規模や速度を決めつけてたけど、
あの三十メートルの電波塔を操作して確信した。
念動で見える範囲の物質を動かすのは大小問わず全然余裕だ。勿論生命の操作はエネルギーや空間の認識が複雑でできないが。
物質操作に関しては別に疲れたり、曖昧な操作にもならない。
もしかしたら進化と言うより、元からできる能力に気付いているだけかもしれない。
そして……来る――
尋常じゃないラッシュが来る。
奴の全身を閃光が煌めく。
来た――
スローモーション、未来視、奴の体のエネルギーの流れ全てを総合して、
一手一手高速回転するゼスパで防御する。
私の体感はそんな早くないけど旗からみると、えげつないんだろなーとぼんやり考える余裕もある。
霧島ヒノも呟く。
「えげつな ちょっとうける」
私は思う、でも、このままじゃジリ貧だ。
そして、良い作戦を思いつく。
私の背後で大破してる電波塔の破片達をこいつにぶつける。
私はノールックで背後から鉄の塊達を奴に隕石の様に飛ばした。
さすがに、手ごわい奴だ。敵ながらに感心する。
全て鮮やかに新体操の様に避けられた。
しかし猛撃ラッシュは激減した……
でも、危なかった点もある。
猛撃ラッシュ中に雷でも落とされたら終わりだった……
そんな事を考えて余裕をこいてたら、少し表情に出てしまった。
奴は破片を避けながら、私の一瞬の表情を認識し少し笑った気がした……
「笑うんじゃねーよ おっさん」
奴はまた、ふんふんと頷いた後、猛撃ラッシュを再度強める、私の全攻撃避けながらも正確に速度を増していく。
また笑う。
その意味が分かった。
私の表情から思考を読んだのだ。
奴の気配から最高潮の不気味な笑みが見える。
私はこの最大の不穏な感じに納得がいった。
負け筋を相手に教えてしまったのだ。
「人の考え見てんじゃねーよ!!」
ずるいか?とでもいう様に奴は楽しそうに肩を回す。
詰んだかも……
負けか?死にたくない……嫌……
……
自分の考えを見られて負けるとか、余計イラつく。
あーーー!!!イラつくイラつくイラつく。
思考を見られてコピーされた!ずるい!
コピ―……
コピー???
あいつ、そもそもどうやって雷出してるの?
私の瘴気と同じ?
奴が雷を繰り出す瞬間のエネルギーの流れは、なんとなくわかる。
ちょっと、私と違うだけだ。
呪文なら詠唱がある。奴の雷や私の瘴気の場合、エネルギーの流れが詠唱替わりだ。
プログラムのコードの様に、少し記述が違うだけだ。
あいつにできて、私にできない?
当たり前だろう。前までなら、そうだ。
しかし、今は違う。
この雷超人にできて、自分が不可能な事は無いと感じる。
この絶対的な自信はどこから来るのだろう?
奴は猛撃ラッシュを繰り出しながら、顔のエラを全開にして雷を盛大に落とそうとする。
その時の奴の気配に悪意は無かった。
まるで、"楽しかったよ"とでもお礼をいう様に……。
終わりか……
色々気づいたけど終わりだ。
――ジ・エンド……
……
――
……って終われるか。イラつく――
イラつく。
イラつく!!!!!!!!!!
私の精神が最高潮に高まる。
そして……
私は盛大な未来を見た。
なんとそこには雷と言うより光の巨大なビームが上空から奴に注いでる。
奴の雷も全て飲み込む圧倒的エネルギーの降臨。
これだ――
次の瞬間.....勝負はあっさりと決まった……
私はただ未来を忠実に再現させた。それはもう感覚でしかなかったが、
意思が全てを貫いて強引に実現させた。
なんでもわかる、そんな感じだった。
「いけぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
無尽蔵で巨大な光の柱が奴を包み込む。
一瞬の出来事だった。
地面に倒れた雷の超人ヒーローは体が黒く焼けたようになり、ところどころ感電してるが、這いつくばって動こうとする。
私は一歩一歩近づく。
奴は必死に逃げようとする、だが一メートルも動けない。
奴の頭上にゼスパを持ってくる。
奴は諦めたかのように私を見て、満足そうに頷いた。
どうするか?……
――退治……
そもそもこいつは何をしに来た?この世界に。
全然知らない……
知らない相手を討伐か……
それじゃ私がただの怪物だ。
でも、見逃すと私がやられる可能性もある……
悩んだ……
「あのさぁ、二度とこの辺来ないでくれる?嫌がってる人いるんだけど?」
悩んだあげくが、いじめっ子みたいなセリフになってしまった。
しかし奴には効いた。
首を二度ほど横に振った。
「わかったんならいい」
その時、上空から、霧島ヒノが飛んできた。
分かっていた、きっと見ているだろうと。
「おっつーーー」
「シスイやばいね めちゃつよじゃん。」
「もう........見てるなら助けてよ」
「んーーー、でも強い方に加勢するのはフェアじゃないよ?」
「私強い方だったんだ」
「負けないって自身あったでしょ?心の底から負けるイメージってあった?」
「無い」
「ほら、そーじゃん。しかも見てみ、そいつ。あんたに超絶畏怖の念抱いてるよ」
雷の超人はまだ痺れながら、確かにそんな顔をしてる。
「でも、助けてあげるんだね?」
「まぁ、異形にも色々いるだろうし、人と同じく死ぬのは怖いし苦しみだってあるだろうし」
「そっかぁ.......優しいね」
ヒノの目が少しきらんと私を見つめる。変な感じ。
「そう」
「かっこいいね」
霧島ヒノは慈しむような顔で私に微笑む。
なんとなく恥ずかしい。
というか、疲れた。
「今日はもう帰る」
「うん、ゆっくり休んでね」
「じゃっ」
私はそのまま帰宅した。
霧島ヒノが雷の超人に話しかける。
「救急車呼ぼっか?」
雷の超人は、どういう事?と言う風に首を鳴らした……
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