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創始者

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神殿という名前だけど、本当に神様が存在するわけじゃない。

けれど、この世界で神様といえばアレでしょ。

『創始者』!!

(えー、普通そういう人って最終巻辺りとかに出てくるんじゃないの?こんな初っ端に会えちゃっていいの?)

僕は広い図書室のように本棚が並ぶ書斎に呼び出され、その部屋でその人を待っていた。

(わー、ある意味『神降臨』!!)
(たかぶるわー)

(…僕は記憶が無いのに持っている知識にすごく偏りがある気がする…)

どんな人が来るんだろう?
やっぱり白衣を着た博士?
マッドサイエンティスト?
天才プログラマーみたいな人?

あ!『L』みたいなの!?
(『L』ってなんだ?)

いや、せっかくのアバターだもの、本当に神様みたいな格好なのかも!

僕は期待に胸を躍らせていた。

すると床に魔法陣のようなものが浮かび上がり眩しく光りだした!

(来るのか!?『神降臨』!!)

更にそこに人影が浮かんできた!

(キタ━(゚∀゚)━!)



僕は絶句した。

それは…その人は…

ここに絶対居ちゃダメなあの有名キャラクターだった!!

「ダメーーー!!」

(いろんなところから色々言われちゃうやつやん!!)

「えー、これダメ?」

「ダメでしょ!いくらアバターだからって著作権とか権利問題が色々あるでしょ!?」

「仕方ないなぁ…」

「ダメだって!ピンクのドアを開いて帰ったりしちゃ!!」

「えー」

「頭の上に変なアイテム付けて飛んじゃダメ!着替えて!アバター、早く着替えて!!」

「じゃあ… これはどうだ?」

「もっとダメーーーー!!喋る黒いネズミはダメーー!!!世界を敵に回しちゃうでしょ!」

「うるさいなぁ。分かったよ。」

「言っとくけど黄色いネズミもダメだからね!?」

「えっ!」

(やるつもりだったみたいだ)


渋々といった様子で、創始者はやっと人の姿に…

「あの…」

「なんだ?」

「それ、正解ですか?」

「ダメか?」

「ダメじゃないですけど…」

「あ、ちょっと袖が短かったかな?夏を先取りし過ぎたかな‪w」

「や、そうじゃなくて…」

「あ、髪の色?やっぱりピンクは派手かなぁ。」

「や、そうじゃなく」

「なんだよ?」

「創始者さん、女の子なんですか?しかも幼女。」

「…そ、そうだよ。」

(目逸らしたーー!)

「いやいやいやいや、寿命全うしたんですよね!?幼女は少なくとも違いますよね!?」

「いいじゃねーか!アバターなんだから好きなの着たって!」

(開き直ったーー!!)

「じゃあ、100歩譲って女性ではあるんですか?」

「い…いや?」

「わーーー!!思ってた創始者と違うーー!!」

「別にいいじゃねーか!200歳近いオッサンが幼女のアバター着たって!」

「200歳近いのはもうオッサンでも無いですよ!」

「心は幼女なんだよぉおぉ!!」

(うわー)

「こらこら、どこへ行く。」

「自室へ帰ります。」

「私に会いに来たのだろう?」

「いや、もうなんか…いいかなって。」

「いやいやいやいやいやいや、いいかなってどうなの!?創始者だよ!?」

「創始者なのは凄いですけど、もうちょっとツッコミ疲れが…」

「疲れは良くないな!ほれっ!幼女で癒されたまえ。」

「・・・」

「話を元に戻そう。」

「はい」

「私が創始者だ。」

(幼女…)
(中身は200歳男性)

「ハンドルネームは『ソル』と言う」

(よかった…変なハンドルネームじゃなくて)

「変なハンドルネームでなくて悪かったな」

(え!?心読まれてる!?じゃあ、『ソル』ってちょっと厨二病だなって思っちゃったのは!?)

(お前だって『ルクス』なんてまんま厨二病じゃないか!)

「ちょっと!心に直接話しかけないで!」

「創始者である私は全てのアクセス権限を持っているのだ!心に直接介入するくらい赤子の手をひねるようなものなのだ!」

「無駄に権限振り回すのやめてください!」

「さて、ルクスよ。記憶が無いというのは確かか?」

(!!突然マジモードかよ!)

「はい。自分の過去が全く思い出せません。」

「先程も言ったが、私はこの世界の全てのアクセス権限を持っている。もちろん、お前のデータも検索した。ところが過去の情報を見つけることは出来なかった。」

「!?」

「元の世界にあるお前の脳は最適な環境で維持されている。それは確かだ。だが、元の世界でのお前のデータが消失しているようだ。」

「元の世界…」

「元の世界は私が直接介入することは出来ないのでな。元の世界のスタッフと原因を究明しているところなので今しばらく神殿に留まっていて欲しい。」

「…分かりました。」

「こんなこと、この100年1度も無かったのだが…」

「……」

「引き続き、カズヤの仕事を手伝ってやって貰えるかい?」

「はい、もちろん。」

「それと…時々は私と遊んでお兄ちゃん!」

「幼女ごっこやめいーーー!!」


―――


自室に戻った茫然自失になった僕の頭をルナが何も言わず撫でてくれた。

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