白昼夢

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最後の晩餐

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「人生の1番最後に何が食べたい?」

お母さんが言った。

「何でもいいんだぞ?」

お父さんが言った。

「うーん」

僕は頭の中に食べたいものを浮かべて並べた。

そうだなぁ。

何がいいかな?

1番好きなものがいいよね、きっと。

ポテチとか美味しいけど

1番じゃないな。

給食だと焼きそばが1番好きだけど

家のご飯の方が好きだし

家のご飯だったらカレーかな?

あ!この前駅前で友達と初めて食べたハンバーガーがおいしかったな!

でもお母さんの前でハンバーガーって言えないよな

塾休んで内緒で行ったから。

おばあちゃんと喫茶店で食べたプリンアラモードもおいしかったな。

おばあちゃんはもう居ないけど。

おばあちゃん天国で元気にしてるかな?

天国ってどこにあるのかな?

新幹線で行けるかな。

「何がいいか決まった?」

あ!そうだった!最後に何が食べたいかって聞かれてたんだっけ!

もう、なんでもいいや。

「お母さんのカレー」

そう言ったら、お母さんもお父さんも嬉しそうな顔をしたからホッとした。

「じゃあ、お母さん、すぐカレーの準備するわね。」

お母さんが台所に行ってしまったので

お父さんに聞いてみた。

「お父さん、天国って新幹線で行ける?」

お父さんはちょっとビックリして

でもすぐにこう言った。

「天国はお空にあるんだよ。」

「じゃあ新幹線じゃ無理だね」

僕はそういってお空を見上げたら

見たことの無い大きい星がこちらに向かってたよ。



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