ティエン・タン

山本ハイジ

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「高そうな服くれたのに、お金はこれだけなの?」
 なんとなく文句を言われるような気がして、おかあさんに真の神に仕えていることを話したくない。
「服を売ったらいいんじゃない?」
「だめ!」
 ブラウスに触れてきたしわしわの手を振り払う。おかあさんはびくっとして払われた手を押さえた。
「この服くれたおじさん、また会うから……。そのときにこれ着ていてほしいって」
「……そう」
 おかあさんはおれに背を向け、ウォッカのボトルを手にしてソファーに座り傾けはじめる。
 グエン導師もリンさまもおれを迷い子とか迷える者と呼ぶけれど、おれはなにに迷っているんだろう? 第二の神にも仕えていることかな……?

 今夜も天壇で奉仕をする。煙草で心を落ち着かせ、居間のまんなかでみんなに見守られているなか、ズボンと下着を脱いで透明なシートが広く敷かれている上で四つん這いになる。
 穴に触れられ、ぬるぬるしたなにかを塗り込められ、細くて硬くて少しひんやりしたものが挿入される。
「うっ……?」
 生あたたかい液体がなかに流れ込んできた。そのままややあって細いものが抜かれると、すぐに腹が苦しくなってくる。
「うぅ……」
「まだまだ漏らしてはだめだ、がんばれ」
 グエン導師の声が聞こえて、穴を締める。宿の浴室でホースをおじさんから突っ込まれて水を注がれたりしたことがあった。耐える。
「ぐっ、ぅ……」
 下腹に鈍痛を覚え、その鈍痛はだんだんと激しくなっていく。ぎゅるぎゅると腹から腸がよじれているような音がなる。こめかみに汗が伝って垂れた。少しでも気を散らせないかと尻を左右に振る。
「よし、いいぞ」
「っあ……!」
 許可がおりた途端、穴がゆるみまず液体が噴出されびちゃびちゃと跳ねる音がした。それから液体と一緒に固形物が出てくる感覚と悪臭。
「よくやった!」
「えらいぞ!」
 すべて出しきり、苦痛がすっと引いてほっとしたあと響く拍手の音とみんなの声に猛烈に恥ずかしくなる。みんなの前で糞をしてしまった。
「タン」
 グエン導師がおれの前にきて、床にあぐらをかいて座る。アオザイの裾をまくり、ズボンから取り出した塔のように勃っているちんこにポケットから出したコンドームを素早くつけた。
「背を向けて、私の上に私を飲み込みながら座りなさい」
 奉仕はまだおわっていない。立ちあがってグエン導師のもとへいき、背を向けて穴に先端をあてがいつつ腰をおろしていく。
「んっ、……」
 すべて飲み込んだ。透明なシートの上に散らばっているおれの糞とみんながよく見える。
 グエン導師がおれの両膝の裏に手を通し、脚を大きく開かせて腰を突きあげはじめた。
「ふ、ぁっ……」
 おれの糞も犯されているところもみんなに見せてしまっている。嫌だけれどなかを擦られて、甘い感覚を覚えそれがせりあがってくる。
「いいぞタン、いい具合だ」
「ぅんっ……んんっ」
 もっと擦りつけたくて自分でも腰を揺り動かす。夢中になっていると、みんなのなかから子どもがひとり裸で寄ってきた。
「っっ、……ぇ?」
 子どもはシートの上で四つん這いになり、おれの糞に顔を近づけて――口をつけた。
 吐き気がした。おれでもそんなもの口にしたことない。子どもは噎せながら糞を食べていく。
「きれいに掃除してえらい!」
 みんなから声援があがる。子どもはおれよりすごい奉仕をしている。
「――っ、あっ、あんっ!」
 光景に複雑な気持ちになりながら、高まっていく甘い感覚の行き場がなくなったように感じた途端、視界がちかっとした。ほぼ同時にグエン導師は一際腰を大きく跳ねさせて、うなって動きをとめる。
 ちんこは勃ったまま先走りをとろとろ流して、射精してなかった。それでも気持ちよかった。こんなの初めてだ。
「奉仕で快楽を得れるとは成長したな、タン。えらいぞ。さ、リンさまのもとへ行きなさい」
 そう、おれだって成長してる。グエン導師をなかから抜きながら立ちあがり、頬をふくらませて糞を咀嚼している子どもを横目にリンさまの部屋へ下半身裸のまま向かった。救いがあれば糞もうまいのかな……。
「こんばんは、タン。早急に救いが必要そうですね?」
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