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しおりを挟むぐにゃぐにゃと歪む道をどう進んできたのかわからない。ぐにゃぐにゃがようやく落ち着いてきて、立ちどまる。周囲にはベニヤ板の家が建っていた。
リンさまへ振り返る。リンさまはぼうっとした様子で繰り返し言う。
「おとうさん、死んだ……神が死んだ……神が、死んだ……」
「っ、神はリンさまでしょう! しっかりして」
家と家の間にリンさまを引っぱり、一旦休まなければと思い一緒に横になる。硬い地面の上だけれど疲れていて、すぐにうつらうつらとしてきた。起きたらリンさまいなかったらどうしようかと思いつつ、あらがえない。
おしっこくさくて起きた。薄暗くなっているなか、リンさまが抱きついてくる。
「リンさま、おしっこ漏らしてる……離れて」
「……うー」
胸元に顔を擦りつけてくるリンさまを手で押す。くさくて、嬉しくなかった。
それから立ちあがってその辺の塵を漁り、見つけたぼろぼろの布をリンさまにかぶせる。真っ白な髪に真っ白な肌は目立ちすぎる。
リンさまの手を引いてあてもなく歩く。疲れたら適当なところで寝て、朝になったり夜になったりした。その間、リンさまは大小便を漏らすからズボンと下着を脱がせて捨てさせた。
そろそろ喉の渇きと空腹が限界だ。夜道にいたおじさんにおれを買ってくれないか頼む。おじさんはおれをぼろぼろの建物と建物の間に連れ込み、ひどく犯した。
穴に強引にちんこを突っ込まれ、苦痛におれが悲鳴をあげている間、リンさまはしゃがんで木の棒で地面を掻いて遊んでいた。射精するとおじさんはわずかなお金をおれに渡し、去っていく。もう誰も応援してくれないし褒めてくれない。
「リンさま、おれ奉仕したよ……」
リンさまの肩を掴み、地面に倒す。
「うっ……!?」
手から離れた木の棒を拾おうとするリンさまの腰を掴み、引っくり返して四つん這いにさせた。細いリンさまを組み敷くのは簡単だった。
布をまくる。暗いなか白い丘はきれいだったけれど、丘を開くと現れるもう花の蕾ではない糞を漏らすただの穴にちんこを突き立てた。
「うっ、うー……っ!」
「救って、救ってよ……!」
腰を打ちつけ、ひたすらなかでちんこを擦る。リンさまは地面を引っ掻く。
そのうちちんこが脈打ち、なかで出した。気持ちよくはあったけれど、おしっこするのとあまり変わらない。いらついて、リンさまの尻を叩いた。
リンさまのなかから抜いて精液を掻き出し着衣を整え、リンさまの手を引っぱり立たせて建物の間から出た。また歩く。
小さな屋台を見つけてはや歩きで近寄る。かき氷の屋台だった。一杯注文して、おばさんが濁った氷をプラスチックのコップに削り、カラフルなシロップとコンデンスミルクをかけて差し出してくれる。
受け取って、道端に座りまずリンさまの口にかき氷をスプーンで運んでやる。目をぎゅっと閉じて飲み込んで、口の端から赤いシロップを垂らす。赤ちゃんみたいだ。シロップを指で拭い、おれもかき氷を口にする。
渇きがすっと癒えていく。煙草が吸いたい欲求も癒えたらな。リンさまとかき氷を交互に食べ、コップをからにする。
リンさまがおれの肩に頭を預けてきた。
「ぼくのかみはどこ?」
「神はリンさまでしょう……」
そのまま空が白むまでじっとしていた。リンさまの顔を見やる。近くで落ち着いて見ると、なにもかも真っ白だからごまかされていたが顔立ちはそこそこ整っている程度で、レスミーのほうがきれいだったかもしれない。
リンさまの肩を抱き、横になる。リンさまはおれに抱きついてきて、赤ちゃんのように甘えてくる。起きたら神なのかなんなのかもうわからないこの子どもを連れて、また迷い歩かなきゃ。
どこかに行き着けるだろうか。おれたちは迷い子だ。
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