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1章
2歳 -水の陽月2-
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ドクン、ドクン、ドクン
心臓がうるさい程に音を立て、その心臓の音と共に見知らぬ土の精霊の先程の言葉の「土の精霊の面汚し」などといった罵倒が、頭の中をグルグルと回り続けます。
三太郎さんが他の精霊から責められるような事なんて、私に関する事しか思いつきません。つまり私が悪いのです。その原因たる私がこんな事を言って良いのか解らないけれど、どうしても言わずにいられませんでした。
「金しゃんたちのこと わるく いわないれ!!
みんなのこと よく しらないくせに!!」
怒りや悔しさが入り混じった、自分でも良く分からないぐちゃぐちゃの感情で身体の中がいっぱいになり、その感情のままに大声で反論しました。こんな風に怒りの感情に任せて大声を出すなんて初めてかもしれません。ハーハーと呼吸が荒くなって、泣くつもりなんてないのに涙が勝手に滲んできます。
私の事を悪く言うのは構いません。実際、この世界において私は異端でしょうし、その異なる部分が受け入れられないと思われても仕方がありません。出来れば仲良くしたいけれど、出来なくても仕方がないと思えます。でも、三太郎さんをはじめとした家族を悪く言われるのは絶対に嫌だし、許せないと思ってしまうのです。
そんな私の大声に、金さんに抑え込まれていた土の精霊はようやく私という存在に気付いたようなのですが、同時にひどく機嫌を損ねたようで
「人間ごときが精霊たる我の話しに異議を申し立てるなど……不敬であるぞ!!」
と凄まじい圧をぶつけられました。あまりの圧にビクンと身体が硬直してしまいますが、それを相手に悟られるのが悔しくて気合と根性で睨み返します。しかしその視界が一瞬で綺麗な布で覆われてしまいました。私の顔を浦さんが着物の袂を使ってサッと隠してしまったようです。そうやって浦さんが私を抱え込むようにして庇うと同時に、後ろにいた桃さんが私達の前に移動し、
「……てめぇこそ何考えてやがる。
子供を威圧するなんざ真っ当な精霊のやる事とは思えねぇがな?」
と、桃さんの声なのに桃さんの声に聞こえない程に低く、苛立ちをこれでもかと滲ませた声で言い放ちました。私はそんな桃さんの声を聞いた途端、不思議な事にハッと我に返りました。私があの精霊に喧嘩を売ってしまう事で三太郎さんの立場が余計に悪くなってしまうかもしれない……現に桃さんが先程までと違って喧嘩腰になってしまっています。悔しさや苛立ちが消えた訳ではありませんが、感情のままに怒りをぶつけても良い事なんて何もありません。そうやって自分の中で何とか折り合いをつけて冷静になろうとしていた私の耳に
「ハッ! 第4世代の若僧が何をほざく。
お前のような第4世代の半端モノは
そこの人間のような卑小な者の守護が関の山であろうな!」
と明らかに侮蔑の色を含んだ言葉が聞こえました。その途端に桃さんの周囲の温度がグッと上がり、すぐ後ろに居た私にまで熱波に晒されてしまいました。
以前、金さんが
<桃にとって触れられたくないところを、知らずに踏み抜く事がないよう
一応そなたにも話しておく>
と言って精霊の世代に関する事を話してくれた事がありました。精霊は世代によって明確な力の差があったり、役割に違いがあったりするのだそうです。そして精霊の中には神々が大戦で力を使い果たし、最後の力を絞りきるようにして作り出された世代の精霊を、神の力が衰える前に作られた自分たちよりも格下と見なす連中が居るという事も教えられました。
三太郎さんたちは金さんと浦さんが第2世代で、桃さんが第4世代の精霊なんだそうです。私からすれば世代の違いなんて全く気にならないのですが、桃さんは気にしているようで……。なので決して触れてやるなと、桃さんが居ない時に教えてもらっていました。
(これ、駄目なヤツ!!)
「桃! 櫻に熱波があたります!!」
と浦さんが怒ると同時に私も
「桃しゃん!! だっこ!!!」
と桃さんに両手を伸ばします。桃さんも流石に私を抱っこしたままで、無茶はしないだろうという目論見なのですが、正直この選択が良い選択なのかどうか私自身でも判断できていません。精霊同士の喧嘩は良くないと思いますが、同時に先程から土の精霊の失礼や無礼を通り越した非礼極まりない発言は謝罪してもらいたいし、反省もしてもらいたいところですし……。
「……櫻。ちょっと今は待ってろ。
コイツをぶちのめしてから幾らでも抱っこしてやる」
浦さんの言葉を聞いて熱波を抑え込んでくれた桃さんでしたが、私の言葉には耳を貸してくれません。ただ、気持ちはわかるというか……。もし今、私の手の届く範囲にあの金玉2号がいたら、反射的にひっぱたいていたかもと思うぐらいには私も怒っています。
その時、金玉2号がグッと呻くような声を上げました。見れば額に青筋を浮かべている金さんが、今まで見たことがないぐらいに鋭い眼差しを自分の手の中にある玉に向けていて、しかも両腕に力を漲らせて全力で潰しにかかっていました。
「ゥググッ……。いい加減に手を離せ!!
元は第2世代の精霊といえど貴様は尊き神の形を捨てた!!
つまり貴様は神の欠片という、この世で神に次いで尊き地位を捨て去り、
下賤にして穢れた妖になったも同然!!
これを精霊の面汚しと言わずして何と言えよう!!」
そう金玉2号が苦しそうにしながらもキッパリと言い切った言葉を聞いて、私は後頭部を思いっきり殴られたかのような衝撃を受けたのでした。
「やっぱり わたしのせい……」
ポツリと呟いた私の声に、真っ先に反応したのは私を抱っこしていた浦さんでした。
「あなたの所為ではない……とは言いません。
確かにあなたと関わった事でこの姿になりましたから。
ですが、それが神の欠片たる精霊の座を捨てた事になるとは
私達の誰一人として思っていませんし、事実捨てていません」
少し私を持ち上げて視線を合わせてから諭すように浦さんが言います。その言葉に安堵した事も確かですが、でも……と視線を金玉2号へと向けました。
「アレの言う事は気にしなくて構いません。
愚か者の戯言など、いちいち聞いてやる価値も意味もありませんからね」
と、私と視線を合わせたままニコリと浦さんが綺麗に微笑みます。なのにその直後に金玉2号へと向けた視線は背筋がゾゾゾッと震えが走る程に寒々しい眼差しで……。
「愚か者だと!!
それは貴様た……グッ……」
浦さんの氷点下の眼差しをものともせずに金玉2号が声を上げますが、途端に呻き声が漏れました。
「どうやら手加減は不要のようだ」
地の底から響く重低音の金さんの声。しかも何時も三太郎さんたちが技能を使う時に感じる精霊力が動いた気配がして……。もしかして「圧縮」とか何か技能を使ってる?!
その金さんに対抗するように、金玉2号も何かの技能をを使っているようで、二人が接している金さんの両手の掌のあたりから、バシッだとかビシッだとかいう不気味な音と同時に瞬間的に光が走ります。
「金しゃん! てがいたいいたい なるよ!!」
慌ててやめさせようとしますが、自力で近づく事が出来ない以上、声をかける事しかできません。その間にも金玉2号は口汚く罵りながらも何か技能を使っているようで、その度に不気味な音や光が発されていたのですが、その間隔が徐々に開いていきました。
そして一際小さくパシッと乾いた音と、小さな発光を最後に不気味な音と光が止まります。
「どうした? 抵抗はそこまでか??
そなたが土の精霊の面汚しと呼ぶ我には、まだまだ余力があるが?」
そう言いながら更に何か技能を発動させる金さんに、金玉2号は耳障りなギリギリギリという金属同士を擦り合わせた時のような音を出しました。
「金、そのままやっちまえ。
そんなヤツ、力を使い果たして眠りにつくか、
消滅させちまえった方が良い!!」
苛立ちを隠そうともしない桃さんでしたが、その言葉に浦さんが
「桃、馬鹿な事を言うものではありませんよ」
と窘めてくれました。良かった浦さんは冷静です。
「此処で眠りにつかれては目障りで仕方がありません。
綺麗さっぱり消してしまった方が良いに決まっています」
前言撤回、全然冷静じゃありませんでした。
三太郎さんの事を悪く言われたり、桃さんに対して世代の事でマウントをとったりと、私もかなり腹を立てていたのですが、三太郎さんのブチ切れ方が激しすぎて、思わずフォローに入ってしまいました。
「みんな まって!」
正直な気持ちを言えば、こんなヤツを助けなくてはいけないなんて業腹ですが、金玉2号が守護している人がこの世界のどこかに居る可能性がある以上、消滅どころか眠りにつくほどに消耗させるのも良くないはずです。その所為でその人に何かあったら、私は自分が許せずに後悔しまくります。
「金しゃんや浦しゃん、桃しゃんにいじわるする せーれーしゃんはきらいらけど
まずはおちついて はなしあおう??」
金玉2号を消滅や眠りにつかせるのは論外ですが、無罪放免とばかりにそのまま帰した結果、彼の口からここの事が広まって次から次へと新たな精霊が押し寄せ、その度に騒動になっても困ります。なのでここの事を誰にも話さないと約束してもらわないといけないのです。そしてその為には話し合いが必要です。その事を心話で三太郎さんに伝えたら、渋々ですが話し合いに賛成してもらえました。
金玉2号? 当然拒否権なんてありませんよ。
その後、土の精霊の面汚しと蔑んだ金さんに完敗し、第4世代の半端モノと馬鹿にした桃さん相手に簡単に抑え込まれてプライドを木端微塵に。更には浦さんによって
「その程度の力しか持たぬ精霊が、神の形や地位を口にするとは……。
昨今、あなたの周りで流行っているお戯け話ですか?
私にはどこが面白いのか皆目解りませんでしたが……」
と僅かに残っていたプライドの欠片を丁寧にすり潰していった結果、金玉2号は素直に話し合いに応じてくれることになったのでした。
心臓がうるさい程に音を立て、その心臓の音と共に見知らぬ土の精霊の先程の言葉の「土の精霊の面汚し」などといった罵倒が、頭の中をグルグルと回り続けます。
三太郎さんが他の精霊から責められるような事なんて、私に関する事しか思いつきません。つまり私が悪いのです。その原因たる私がこんな事を言って良いのか解らないけれど、どうしても言わずにいられませんでした。
「金しゃんたちのこと わるく いわないれ!!
みんなのこと よく しらないくせに!!」
怒りや悔しさが入り混じった、自分でも良く分からないぐちゃぐちゃの感情で身体の中がいっぱいになり、その感情のままに大声で反論しました。こんな風に怒りの感情に任せて大声を出すなんて初めてかもしれません。ハーハーと呼吸が荒くなって、泣くつもりなんてないのに涙が勝手に滲んできます。
私の事を悪く言うのは構いません。実際、この世界において私は異端でしょうし、その異なる部分が受け入れられないと思われても仕方がありません。出来れば仲良くしたいけれど、出来なくても仕方がないと思えます。でも、三太郎さんをはじめとした家族を悪く言われるのは絶対に嫌だし、許せないと思ってしまうのです。
そんな私の大声に、金さんに抑え込まれていた土の精霊はようやく私という存在に気付いたようなのですが、同時にひどく機嫌を損ねたようで
「人間ごときが精霊たる我の話しに異議を申し立てるなど……不敬であるぞ!!」
と凄まじい圧をぶつけられました。あまりの圧にビクンと身体が硬直してしまいますが、それを相手に悟られるのが悔しくて気合と根性で睨み返します。しかしその視界が一瞬で綺麗な布で覆われてしまいました。私の顔を浦さんが着物の袂を使ってサッと隠してしまったようです。そうやって浦さんが私を抱え込むようにして庇うと同時に、後ろにいた桃さんが私達の前に移動し、
「……てめぇこそ何考えてやがる。
子供を威圧するなんざ真っ当な精霊のやる事とは思えねぇがな?」
と、桃さんの声なのに桃さんの声に聞こえない程に低く、苛立ちをこれでもかと滲ませた声で言い放ちました。私はそんな桃さんの声を聞いた途端、不思議な事にハッと我に返りました。私があの精霊に喧嘩を売ってしまう事で三太郎さんの立場が余計に悪くなってしまうかもしれない……現に桃さんが先程までと違って喧嘩腰になってしまっています。悔しさや苛立ちが消えた訳ではありませんが、感情のままに怒りをぶつけても良い事なんて何もありません。そうやって自分の中で何とか折り合いをつけて冷静になろうとしていた私の耳に
「ハッ! 第4世代の若僧が何をほざく。
お前のような第4世代の半端モノは
そこの人間のような卑小な者の守護が関の山であろうな!」
と明らかに侮蔑の色を含んだ言葉が聞こえました。その途端に桃さんの周囲の温度がグッと上がり、すぐ後ろに居た私にまで熱波に晒されてしまいました。
以前、金さんが
<桃にとって触れられたくないところを、知らずに踏み抜く事がないよう
一応そなたにも話しておく>
と言って精霊の世代に関する事を話してくれた事がありました。精霊は世代によって明確な力の差があったり、役割に違いがあったりするのだそうです。そして精霊の中には神々が大戦で力を使い果たし、最後の力を絞りきるようにして作り出された世代の精霊を、神の力が衰える前に作られた自分たちよりも格下と見なす連中が居るという事も教えられました。
三太郎さんたちは金さんと浦さんが第2世代で、桃さんが第4世代の精霊なんだそうです。私からすれば世代の違いなんて全く気にならないのですが、桃さんは気にしているようで……。なので決して触れてやるなと、桃さんが居ない時に教えてもらっていました。
(これ、駄目なヤツ!!)
「桃! 櫻に熱波があたります!!」
と浦さんが怒ると同時に私も
「桃しゃん!! だっこ!!!」
と桃さんに両手を伸ばします。桃さんも流石に私を抱っこしたままで、無茶はしないだろうという目論見なのですが、正直この選択が良い選択なのかどうか私自身でも判断できていません。精霊同士の喧嘩は良くないと思いますが、同時に先程から土の精霊の失礼や無礼を通り越した非礼極まりない発言は謝罪してもらいたいし、反省もしてもらいたいところですし……。
「……櫻。ちょっと今は待ってろ。
コイツをぶちのめしてから幾らでも抱っこしてやる」
浦さんの言葉を聞いて熱波を抑え込んでくれた桃さんでしたが、私の言葉には耳を貸してくれません。ただ、気持ちはわかるというか……。もし今、私の手の届く範囲にあの金玉2号がいたら、反射的にひっぱたいていたかもと思うぐらいには私も怒っています。
その時、金玉2号がグッと呻くような声を上げました。見れば額に青筋を浮かべている金さんが、今まで見たことがないぐらいに鋭い眼差しを自分の手の中にある玉に向けていて、しかも両腕に力を漲らせて全力で潰しにかかっていました。
「ゥググッ……。いい加減に手を離せ!!
元は第2世代の精霊といえど貴様は尊き神の形を捨てた!!
つまり貴様は神の欠片という、この世で神に次いで尊き地位を捨て去り、
下賤にして穢れた妖になったも同然!!
これを精霊の面汚しと言わずして何と言えよう!!」
そう金玉2号が苦しそうにしながらもキッパリと言い切った言葉を聞いて、私は後頭部を思いっきり殴られたかのような衝撃を受けたのでした。
「やっぱり わたしのせい……」
ポツリと呟いた私の声に、真っ先に反応したのは私を抱っこしていた浦さんでした。
「あなたの所為ではない……とは言いません。
確かにあなたと関わった事でこの姿になりましたから。
ですが、それが神の欠片たる精霊の座を捨てた事になるとは
私達の誰一人として思っていませんし、事実捨てていません」
少し私を持ち上げて視線を合わせてから諭すように浦さんが言います。その言葉に安堵した事も確かですが、でも……と視線を金玉2号へと向けました。
「アレの言う事は気にしなくて構いません。
愚か者の戯言など、いちいち聞いてやる価値も意味もありませんからね」
と、私と視線を合わせたままニコリと浦さんが綺麗に微笑みます。なのにその直後に金玉2号へと向けた視線は背筋がゾゾゾッと震えが走る程に寒々しい眼差しで……。
「愚か者だと!!
それは貴様た……グッ……」
浦さんの氷点下の眼差しをものともせずに金玉2号が声を上げますが、途端に呻き声が漏れました。
「どうやら手加減は不要のようだ」
地の底から響く重低音の金さんの声。しかも何時も三太郎さんたちが技能を使う時に感じる精霊力が動いた気配がして……。もしかして「圧縮」とか何か技能を使ってる?!
その金さんに対抗するように、金玉2号も何かの技能をを使っているようで、二人が接している金さんの両手の掌のあたりから、バシッだとかビシッだとかいう不気味な音と同時に瞬間的に光が走ります。
「金しゃん! てがいたいいたい なるよ!!」
慌ててやめさせようとしますが、自力で近づく事が出来ない以上、声をかける事しかできません。その間にも金玉2号は口汚く罵りながらも何か技能を使っているようで、その度に不気味な音や光が発されていたのですが、その間隔が徐々に開いていきました。
そして一際小さくパシッと乾いた音と、小さな発光を最後に不気味な音と光が止まります。
「どうした? 抵抗はそこまでか??
そなたが土の精霊の面汚しと呼ぶ我には、まだまだ余力があるが?」
そう言いながら更に何か技能を発動させる金さんに、金玉2号は耳障りなギリギリギリという金属同士を擦り合わせた時のような音を出しました。
「金、そのままやっちまえ。
そんなヤツ、力を使い果たして眠りにつくか、
消滅させちまえった方が良い!!」
苛立ちを隠そうともしない桃さんでしたが、その言葉に浦さんが
「桃、馬鹿な事を言うものではありませんよ」
と窘めてくれました。良かった浦さんは冷静です。
「此処で眠りにつかれては目障りで仕方がありません。
綺麗さっぱり消してしまった方が良いに決まっています」
前言撤回、全然冷静じゃありませんでした。
三太郎さんの事を悪く言われたり、桃さんに対して世代の事でマウントをとったりと、私もかなり腹を立てていたのですが、三太郎さんのブチ切れ方が激しすぎて、思わずフォローに入ってしまいました。
「みんな まって!」
正直な気持ちを言えば、こんなヤツを助けなくてはいけないなんて業腹ですが、金玉2号が守護している人がこの世界のどこかに居る可能性がある以上、消滅どころか眠りにつくほどに消耗させるのも良くないはずです。その所為でその人に何かあったら、私は自分が許せずに後悔しまくります。
「金しゃんや浦しゃん、桃しゃんにいじわるする せーれーしゃんはきらいらけど
まずはおちついて はなしあおう??」
金玉2号を消滅や眠りにつかせるのは論外ですが、無罪放免とばかりにそのまま帰した結果、彼の口からここの事が広まって次から次へと新たな精霊が押し寄せ、その度に騒動になっても困ります。なのでここの事を誰にも話さないと約束してもらわないといけないのです。そしてその為には話し合いが必要です。その事を心話で三太郎さんに伝えたら、渋々ですが話し合いに賛成してもらえました。
金玉2号? 当然拒否権なんてありませんよ。
その後、土の精霊の面汚しと蔑んだ金さんに完敗し、第4世代の半端モノと馬鹿にした桃さん相手に簡単に抑え込まれてプライドを木端微塵に。更には浦さんによって
「その程度の力しか持たぬ精霊が、神の形や地位を口にするとは……。
昨今、あなたの周りで流行っているお戯け話ですか?
私にはどこが面白いのか皆目解りませんでしたが……」
と僅かに残っていたプライドの欠片を丁寧にすり潰していった結果、金玉2号は素直に話し合いに応じてくれることになったのでした。
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