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short mission 3 偽物・類似品にご注意!
女性の歳は難しい!
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side-ラスファ 1
…おいおい…大丈夫か、ここの警備体制は?
突然入って来たドランの存在に、一同は唖然として彼に視線を注ぐ。
「あ、ご挨拶が遅れただ! おらはドラン・ゲイブル。白銀亭に入ったばっかのモンだ」
チャールズさんはもの問いたげにこっちを見る。仕方なしに私は頷いた。
「ああ、確かにこの前うちに入ったばかりのルーキーだ」
すると何を勘違いしたのか、彼は身をくねらせて照れ始めた。
「え、そんな。いきなりルーキーなんて、照れるだよ…!」
…今のがどうやったら褒め言葉に聞こえるんだろうか…? とりあえずぶら下げたままの受付嬢を引き剥がして解放してやると、彼女は頬を染めて駆け戻っていった。…まあこんな相当な状況なら、恥ずかしがる気持ちはわかる気がする。
「…で、なんで聞き耳を? そもそも何故ここに?」
「ああ、それなら…」
デュエルの素朴な疑問に、ドランが応接間の入り口を示す。そこからアーシェとラグがひょっこりと出て来た。
「ずるいよ兄貴! あたし達も今度は連れてってよね!」
…何故ここに?
「教授達の個人的なトラブルとかで、いつもより早く帰って来たの」
「ええ。そこで入れ替わりで師匠たちが出て行くところが見えまして…」
なんだ、入れ替わりで帰って来て、それでドランに付き添いを頼んで追いかけたのか。
「この前は置いてかれたけど、今回はあたしたちも行くからね!」
「ええ! どうしてもついていきますわ!」
口々に主張する二人。『この前』? ああ、オラクル祭の時の話か。
「いや、オメーらは連れて行くつもりでいたぜ? でもよ、なんでこいつが?」
アーチが指す先には、仁王立ちのままのドランが腕組みをしている。
「おらは、辺境の村がピンチと聞いたモンでな。もしおらの故郷が同じ目に遭ったらと思うと、いてもたってもいられなくてよ」
評議会のメンバーが、私たちを見回した。彼の実力のほどを図りたいようだが、流石に入って一週間足らずではわかるはずもない。少なくとも武力については、ある程度の保証はできるが…。
「いや、大丈夫じゃねぇの?」
沈黙を破ったのは、意外にもアーチだった。
「ここの警備をスルーできてんだぜ? 引きずって来たのは受付嬢だけだったろ?」
「ああ、おら狩りも得意だかんな。流石にどこにいるかを受付で尋ねたもんで、そのままついて来ちまってんだけどもよ」
いや、狩りとそれ一緒にされてもな…。
だがそのアーチの言葉には説得力があったらしい。ゴツい評議会員のオズワルドさんが力強く頷く。
「なら、合格だ。正直言って、人数が少ないと感じていた。これで六人か、ちょうどいい」
おいおい、何もそんな合コンの数合わせみたいに。
「それでいいのか評議会?」
思わず出たツッコミに答える者は皆無だった。
晴天の下、渡された地図を手に総勢六人の道中が続く。思い思いに話しながら街道を歩く。
「しかしあのお姐さん、すっごいよねー。兄貴のことを『坊や』呼ばわりなんてさ」
すぐそばを歩くアーシェが笑いながら正直な感想をこぼした。それにのんびりとラグが応じる。
「ああ、確かにそうですわね」
…何か誤解しているらしい。私はため息混じりにその誤解を訂正にかかる。我ながら律儀だ。
「いや、その認識は正しいぞ。エルダードを出た今だから言うが、彼女はゆうに私の倍は生きてるだろうしな」
空気が凍りついた。全員の視線がこちらに向けられる。
「え…ええええええ!? ちょっと待って!? 確か兄貴って百五十歳以上って言ってたよね? じゃあ何? あのお姐さん、三百歳オーバーなの?」
「おい待て、あの姐さんどう見ても人間で言う二十代くらいだろ? オレの目に狂いがなけりゃ」
「いや…エルフ族なら普通だろ?」
私の言葉に全員が脱力した。かと思えばアーチが勢いよく詰め寄ってくる。
「いやだから! そりゃオメーらエルフ族の常識だろうが! 人間! オレら人間! そこんとこ忘れんじゃねぇよ!」
なんなんだ、この勢いは…。単なる年齢の話じゃないのか? 困惑した様子で尋ねてくるデュエル。
「純粋に疑問だから聞くが…どこ見たらエルフ族の年齢なんてわかるんだ?」
「だから…見ればわかるだろ?」
「いや、ガン見してもマジでわからなかった」
それではどうしようもない。
確かに私も人里に来て初めて『老人』と言うものを見た気がする。
「オレ、エルフ族をナンパする自信ねぇな~」
ああ、確かにこいつの手には余るに違いない。
そう言っている間に、日が暮れてきた。
そして遠くに、村のものと思しき明かりも見えてきた。
ここで野営するべきか、それとも一気に村に入るか?
とりあえず、様子を見てみるか…?
…おいおい…大丈夫か、ここの警備体制は?
突然入って来たドランの存在に、一同は唖然として彼に視線を注ぐ。
「あ、ご挨拶が遅れただ! おらはドラン・ゲイブル。白銀亭に入ったばっかのモンだ」
チャールズさんはもの問いたげにこっちを見る。仕方なしに私は頷いた。
「ああ、確かにこの前うちに入ったばかりのルーキーだ」
すると何を勘違いしたのか、彼は身をくねらせて照れ始めた。
「え、そんな。いきなりルーキーなんて、照れるだよ…!」
…今のがどうやったら褒め言葉に聞こえるんだろうか…? とりあえずぶら下げたままの受付嬢を引き剥がして解放してやると、彼女は頬を染めて駆け戻っていった。…まあこんな相当な状況なら、恥ずかしがる気持ちはわかる気がする。
「…で、なんで聞き耳を? そもそも何故ここに?」
「ああ、それなら…」
デュエルの素朴な疑問に、ドランが応接間の入り口を示す。そこからアーシェとラグがひょっこりと出て来た。
「ずるいよ兄貴! あたし達も今度は連れてってよね!」
…何故ここに?
「教授達の個人的なトラブルとかで、いつもより早く帰って来たの」
「ええ。そこで入れ替わりで師匠たちが出て行くところが見えまして…」
なんだ、入れ替わりで帰って来て、それでドランに付き添いを頼んで追いかけたのか。
「この前は置いてかれたけど、今回はあたしたちも行くからね!」
「ええ! どうしてもついていきますわ!」
口々に主張する二人。『この前』? ああ、オラクル祭の時の話か。
「いや、オメーらは連れて行くつもりでいたぜ? でもよ、なんでこいつが?」
アーチが指す先には、仁王立ちのままのドランが腕組みをしている。
「おらは、辺境の村がピンチと聞いたモンでな。もしおらの故郷が同じ目に遭ったらと思うと、いてもたってもいられなくてよ」
評議会のメンバーが、私たちを見回した。彼の実力のほどを図りたいようだが、流石に入って一週間足らずではわかるはずもない。少なくとも武力については、ある程度の保証はできるが…。
「いや、大丈夫じゃねぇの?」
沈黙を破ったのは、意外にもアーチだった。
「ここの警備をスルーできてんだぜ? 引きずって来たのは受付嬢だけだったろ?」
「ああ、おら狩りも得意だかんな。流石にどこにいるかを受付で尋ねたもんで、そのままついて来ちまってんだけどもよ」
いや、狩りとそれ一緒にされてもな…。
だがそのアーチの言葉には説得力があったらしい。ゴツい評議会員のオズワルドさんが力強く頷く。
「なら、合格だ。正直言って、人数が少ないと感じていた。これで六人か、ちょうどいい」
おいおい、何もそんな合コンの数合わせみたいに。
「それでいいのか評議会?」
思わず出たツッコミに答える者は皆無だった。
晴天の下、渡された地図を手に総勢六人の道中が続く。思い思いに話しながら街道を歩く。
「しかしあのお姐さん、すっごいよねー。兄貴のことを『坊や』呼ばわりなんてさ」
すぐそばを歩くアーシェが笑いながら正直な感想をこぼした。それにのんびりとラグが応じる。
「ああ、確かにそうですわね」
…何か誤解しているらしい。私はため息混じりにその誤解を訂正にかかる。我ながら律儀だ。
「いや、その認識は正しいぞ。エルダードを出た今だから言うが、彼女はゆうに私の倍は生きてるだろうしな」
空気が凍りついた。全員の視線がこちらに向けられる。
「え…ええええええ!? ちょっと待って!? 確か兄貴って百五十歳以上って言ってたよね? じゃあ何? あのお姐さん、三百歳オーバーなの?」
「おい待て、あの姐さんどう見ても人間で言う二十代くらいだろ? オレの目に狂いがなけりゃ」
「いや…エルフ族なら普通だろ?」
私の言葉に全員が脱力した。かと思えばアーチが勢いよく詰め寄ってくる。
「いやだから! そりゃオメーらエルフ族の常識だろうが! 人間! オレら人間! そこんとこ忘れんじゃねぇよ!」
なんなんだ、この勢いは…。単なる年齢の話じゃないのか? 困惑した様子で尋ねてくるデュエル。
「純粋に疑問だから聞くが…どこ見たらエルフ族の年齢なんてわかるんだ?」
「だから…見ればわかるだろ?」
「いや、ガン見してもマジでわからなかった」
それではどうしようもない。
確かに私も人里に来て初めて『老人』と言うものを見た気がする。
「オレ、エルフ族をナンパする自信ねぇな~」
ああ、確かにこいつの手には余るに違いない。
そう言っている間に、日が暮れてきた。
そして遠くに、村のものと思しき明かりも見えてきた。
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