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mission 4 ワンコ王国、建国のススメ!
住民志望のわんこ族
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side-アーチ 1
建国するって依頼も初めてだが、その場所を聞いてさらに驚いちまった。
「「「「「エルダードだって!?」」」」」
唖然とするオレたちに、チャールズのおっさんは笑顔で告げる。
「ええ。ただ正確に言うならエルダードの北門エリアですが」
面倒だが、ここでエルダードの街の構造ってやつを説明しとくぜ。
エルダードは元々、巨大な円形の城壁を持つ遺跡群だった。そりゃもうデカイ遺跡で、一周だけで三日かかるってスケールだ。
そんでまあ、調査するって物好きな学者たちや護衛の冒険者が住み着き開拓をして拓けてった場所だ。
いまだに街の四割から五割ほどしか調査できちゃいねぇし、居住区についても全体の三割強ってとこだ。まだまだこの街は奥が深けェってことだな。
オレたちが住む場所が東門と呼ばれるエリア。あとの南北、そして西門エリアはまだ手つかずと言ってもいい場所だ。それぞれの門を中心に…そうだな、ピザを切り分けるようなもんかね?
エルダードに住もうってのが命知らずの冒険者だけかと思ったら、他にもまだいたんだな…。
「いいのか? 冒険者ギルド的にも?」
ラスファは疑問をぶつけるが、おっさんは涼しい顔だ。
「ええ。何より我々も勝手に住み着いた身。彼らを止める権利はありませんよ」
そこで流石にデュエルは立ち上がりツッコミを入れる。
「いや止めてやろうよ、そこは親切として!」
まあ奴の言い分ももっともだ。居住区には未だに魔物が出る街なかで、住み心地が良いとはお世辞にも言えねぇ。観光客の被害がまだ出ていないのが不思議で仕方ねぇわ。
「そもそも、ここに建国したいって仰るのはどんな方なんです?」
弟子の疑問に、なんとなく沈黙が降りてきた。チャールズのおっさんは深く頷いた。
「そうですね、まずはそれをお話ししなくては」
そうもったいつけて、おっさんは小さく咳払いをする。良いから早く話せやおっさん。
「彼らはとある領地のはずれに住んでおりましたが、領主の代がわりによって追い出されることになりまして」
…ほう? きな臭せェ話じゃねぇか。
「なんで? 嫌われたとか?」
アーシェが無邪気に問いかける。
「いいえ。数が増えすぎたのですよ」
「?」
「それと言うのも彼らは、犬系の獣人族の集団でして。領主の方も徒党を組んで謀反でもされたらたまらないといった理由のようですね」
……………。また、なんとなく沈黙。たまりかねてオレは立ち上がった。
「いや、ンな理由ナシだろフツーに! そこは犬獣人を迎え入れてまるごと部下にする方が、どう考えても得策だろうが!」
オレの疑問におっさんはのんびりと香茶をすすって答える。
「ええ、私もそう思うのですがいかんせん…犬獣人たちが領主に懐くことはなかったのですよ」
犬系の獣人族たちには、他の獣人族とは違う特性があることで知られている。
それが、ボスを定めてずっと忠誠を誓うという従者適性だ。元々、犬は主人にとことん忠実な生き物なのだが…それが獣人族の中にも脈々と受け継がれているってことだ。
それ故に危うい。善政を敷く領主なんかに仕える幸せ者も居れば、どうしようもねぇカスに仕えて奴隷同然の扱いをされるって悲惨な例もある。
前者の場合はいかんなく忠誠心を発揮して充実した人生を送れるだろう。だが、後者ともなると…まあ、幸せになれる未来はねぇわな。
「ということは、犬獣人の中に主人は?」
ラスファが慎重に問う。確かに、そこ大事だ。
チャールズのおっさんは黙って首を振る。…最悪じゃねぇか!
「え、なんでリーダーがいないとダメなの?」
蒼白になったオレたちにアーシェが聞いてきた。知らねぇって事は幸せだなオイ。
「主人がいないって事は、逆に言えば…認められるだけの力さえ示せば誰でも主人になれるって事だ。そこに悪意ある奴がつけ込んでみろ、あっという間に犯罪組織の出来上がりだ」
噛んで含めるようなラスファの解説に、アーシェや弟子も青くなる。
「大変じゃん…」
「だからさっきからそう言ってるだろ」
一応彼らの名誉のために言っとくが、犬獣人族にゃ善悪の区別がつかないわけじゃないぜ? ただ、連中は主人次第ってところが大きいって話だ。こりゃ個人レベルの問題じゃなく、種族全体の本能の問題だからよ。
ついでに言うと、彼らの主人の条件ってのも個人差が激しい。単純に武力ってのもありゃ、知力ってのもある。そこんとこは個人の価値観ってやつの違いかね?
ただうっかりと犬獣人たちに認められちまった場合ってのも、これまた厄介なんだよな。
そうなっちまえば、エルダードの人口が一気に増える事になりかねん。
出来りゃそれも避けてェよなぁ…。
建国するって依頼も初めてだが、その場所を聞いてさらに驚いちまった。
「「「「「エルダードだって!?」」」」」
唖然とするオレたちに、チャールズのおっさんは笑顔で告げる。
「ええ。ただ正確に言うならエルダードの北門エリアですが」
面倒だが、ここでエルダードの街の構造ってやつを説明しとくぜ。
エルダードは元々、巨大な円形の城壁を持つ遺跡群だった。そりゃもうデカイ遺跡で、一周だけで三日かかるってスケールだ。
そんでまあ、調査するって物好きな学者たちや護衛の冒険者が住み着き開拓をして拓けてった場所だ。
いまだに街の四割から五割ほどしか調査できちゃいねぇし、居住区についても全体の三割強ってとこだ。まだまだこの街は奥が深けェってことだな。
オレたちが住む場所が東門と呼ばれるエリア。あとの南北、そして西門エリアはまだ手つかずと言ってもいい場所だ。それぞれの門を中心に…そうだな、ピザを切り分けるようなもんかね?
エルダードに住もうってのが命知らずの冒険者だけかと思ったら、他にもまだいたんだな…。
「いいのか? 冒険者ギルド的にも?」
ラスファは疑問をぶつけるが、おっさんは涼しい顔だ。
「ええ。何より我々も勝手に住み着いた身。彼らを止める権利はありませんよ」
そこで流石にデュエルは立ち上がりツッコミを入れる。
「いや止めてやろうよ、そこは親切として!」
まあ奴の言い分ももっともだ。居住区には未だに魔物が出る街なかで、住み心地が良いとはお世辞にも言えねぇ。観光客の被害がまだ出ていないのが不思議で仕方ねぇわ。
「そもそも、ここに建国したいって仰るのはどんな方なんです?」
弟子の疑問に、なんとなく沈黙が降りてきた。チャールズのおっさんは深く頷いた。
「そうですね、まずはそれをお話ししなくては」
そうもったいつけて、おっさんは小さく咳払いをする。良いから早く話せやおっさん。
「彼らはとある領地のはずれに住んでおりましたが、領主の代がわりによって追い出されることになりまして」
…ほう? きな臭せェ話じゃねぇか。
「なんで? 嫌われたとか?」
アーシェが無邪気に問いかける。
「いいえ。数が増えすぎたのですよ」
「?」
「それと言うのも彼らは、犬系の獣人族の集団でして。領主の方も徒党を組んで謀反でもされたらたまらないといった理由のようですね」
……………。また、なんとなく沈黙。たまりかねてオレは立ち上がった。
「いや、ンな理由ナシだろフツーに! そこは犬獣人を迎え入れてまるごと部下にする方が、どう考えても得策だろうが!」
オレの疑問におっさんはのんびりと香茶をすすって答える。
「ええ、私もそう思うのですがいかんせん…犬獣人たちが領主に懐くことはなかったのですよ」
犬系の獣人族たちには、他の獣人族とは違う特性があることで知られている。
それが、ボスを定めてずっと忠誠を誓うという従者適性だ。元々、犬は主人にとことん忠実な生き物なのだが…それが獣人族の中にも脈々と受け継がれているってことだ。
それ故に危うい。善政を敷く領主なんかに仕える幸せ者も居れば、どうしようもねぇカスに仕えて奴隷同然の扱いをされるって悲惨な例もある。
前者の場合はいかんなく忠誠心を発揮して充実した人生を送れるだろう。だが、後者ともなると…まあ、幸せになれる未来はねぇわな。
「ということは、犬獣人の中に主人は?」
ラスファが慎重に問う。確かに、そこ大事だ。
チャールズのおっさんは黙って首を振る。…最悪じゃねぇか!
「え、なんでリーダーがいないとダメなの?」
蒼白になったオレたちにアーシェが聞いてきた。知らねぇって事は幸せだなオイ。
「主人がいないって事は、逆に言えば…認められるだけの力さえ示せば誰でも主人になれるって事だ。そこに悪意ある奴がつけ込んでみろ、あっという間に犯罪組織の出来上がりだ」
噛んで含めるようなラスファの解説に、アーシェや弟子も青くなる。
「大変じゃん…」
「だからさっきからそう言ってるだろ」
一応彼らの名誉のために言っとくが、犬獣人族にゃ善悪の区別がつかないわけじゃないぜ? ただ、連中は主人次第ってところが大きいって話だ。こりゃ個人レベルの問題じゃなく、種族全体の本能の問題だからよ。
ついでに言うと、彼らの主人の条件ってのも個人差が激しい。単純に武力ってのもありゃ、知力ってのもある。そこんとこは個人の価値観ってやつの違いかね?
ただうっかりと犬獣人たちに認められちまった場合ってのも、これまた厄介なんだよな。
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