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mission 4 ワンコ王国、建国のススメ!
急展開! 大ピンチ!?
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side-アーチ 8
久々の戦場に、オレも気分が高揚しつつあった。
不謹慎かもしれねぇけどよ…こういうギリギリのやりとりってのは、ある意味、最も『生』を感じる瞬間だって言ってた誰かの気分が分かる気がするぜ。
平凡な人生よりもスリルを求めて冒険者になったオレからしてみりゃ、かなり共感できる言葉だ。
こんな体験、平々凡々な実家にいた時は想像すらつかなかっただろうしな!
やたらと数が多いゴブリンやレッドキャップだが、相手できねぇ程はねぇ。ただ、その中に混じるオークがちっとばかし厄介ってだけだ。
まあそっちはデュエルやレックスのでけぇ得物が倒して回っている。おかげでオレはラクな露払いに集中できるってわけさ!
アーシェの魔法が宙を飛び、弟子の回復魔法が味方の傷を癒す。犬獣人隊が飛びかかり、それぞれの得物で連携して敵が悲鳴をあげる。
なんだなんだ、すこぶる順調じゃねぇのよ! 見ろよ、あっという間に減っちまってるぜ!
だがここで、重大な計算違いが起きちまった!
高所に陣取って弓を撃ち続けていたラスファの足場に、うっかりレックスが最後のオークを切り飛ばしつつ吹っ飛ばしちまった!
「ラスファ!」
「うっわ、すまん! 大丈夫か?!」
倒された巨体オークの体重に耐えきれず崩れた遺跡の外壁もろとも、奴も落とされたらしい。不運にもほどがある!
しばらく土煙で視界がきかねぇ! ほぼ終わりかけていた戦いが、しばらく膠着状態に陥る。
「一体どうなっちまったんだ!?」
「兄貴!」
さらに悪いことに、その近くに数多くの魔物を操っていたらしい魔術師が潜んでいたらしかった。慌てて駆け寄るが、土煙に紛れて見えやしねぇ!
「それ以上近くな!」
闇に溶け込む黒ローブで目立たなかったが、近くにいたことに気づかなかったことにオレは歯噛みした。
瓦礫とともに落ちた衝撃で一瞬気絶していたらしいラスファを片手で引き上げ、魔術師はせせら笑った。
「こいつの最初の矢でリーダーを撃ち抜かれたが、俺にも幸運が回ってきたな! おかげで俺がのし上がれるきっかけができた。礼がてら、優秀な俺の部下にしてやる…喜べ!」
そうか…道理で指揮系統もメチャクチャだったわけだ、最初の一撃で倒されていたのかよ!
魔術師はそのまま慣れた手つきでぐったりとしたラスファに黒い首輪をはめる。
ヤベェ、それは…!
あまりのことに、誰も言葉を発しない。
「さあやれ、我がしもべよ! まずは、姑息な閃光で混乱させてくれた小娘を殺れ!」
「おい、なんか答えろよ! 」
「ちょ…おい! やめろよ…やめろよ!」
俯いたままで奴は、ゆっくりと立ち上がる。まだ朦朧としてるらしいが、首輪の威力はさっき見てきた通りだ。これは確実にまずいことになるぜ…!
「ねえ…うそでしょ兄貴…? そんなあっさりって…」
「すぐ外します、ラスファさん!」
口々に仲間が呼びかけるが、奴は俯いたまま答えねぇ。
マジか…これまで有利に進めてきた戦況が、一気にひっくり返されちまう!
「勘弁してくれよ! オレこいつ敵に回したくねぇんだけど!?」
久々の戦場に、オレも気分が高揚しつつあった。
不謹慎かもしれねぇけどよ…こういうギリギリのやりとりってのは、ある意味、最も『生』を感じる瞬間だって言ってた誰かの気分が分かる気がするぜ。
平凡な人生よりもスリルを求めて冒険者になったオレからしてみりゃ、かなり共感できる言葉だ。
こんな体験、平々凡々な実家にいた時は想像すらつかなかっただろうしな!
やたらと数が多いゴブリンやレッドキャップだが、相手できねぇ程はねぇ。ただ、その中に混じるオークがちっとばかし厄介ってだけだ。
まあそっちはデュエルやレックスのでけぇ得物が倒して回っている。おかげでオレはラクな露払いに集中できるってわけさ!
アーシェの魔法が宙を飛び、弟子の回復魔法が味方の傷を癒す。犬獣人隊が飛びかかり、それぞれの得物で連携して敵が悲鳴をあげる。
なんだなんだ、すこぶる順調じゃねぇのよ! 見ろよ、あっという間に減っちまってるぜ!
だがここで、重大な計算違いが起きちまった!
高所に陣取って弓を撃ち続けていたラスファの足場に、うっかりレックスが最後のオークを切り飛ばしつつ吹っ飛ばしちまった!
「ラスファ!」
「うっわ、すまん! 大丈夫か?!」
倒された巨体オークの体重に耐えきれず崩れた遺跡の外壁もろとも、奴も落とされたらしい。不運にもほどがある!
しばらく土煙で視界がきかねぇ! ほぼ終わりかけていた戦いが、しばらく膠着状態に陥る。
「一体どうなっちまったんだ!?」
「兄貴!」
さらに悪いことに、その近くに数多くの魔物を操っていたらしい魔術師が潜んでいたらしかった。慌てて駆け寄るが、土煙に紛れて見えやしねぇ!
「それ以上近くな!」
闇に溶け込む黒ローブで目立たなかったが、近くにいたことに気づかなかったことにオレは歯噛みした。
瓦礫とともに落ちた衝撃で一瞬気絶していたらしいラスファを片手で引き上げ、魔術師はせせら笑った。
「こいつの最初の矢でリーダーを撃ち抜かれたが、俺にも幸運が回ってきたな! おかげで俺がのし上がれるきっかけができた。礼がてら、優秀な俺の部下にしてやる…喜べ!」
そうか…道理で指揮系統もメチャクチャだったわけだ、最初の一撃で倒されていたのかよ!
魔術師はそのまま慣れた手つきでぐったりとしたラスファに黒い首輪をはめる。
ヤベェ、それは…!
あまりのことに、誰も言葉を発しない。
「さあやれ、我がしもべよ! まずは、姑息な閃光で混乱させてくれた小娘を殺れ!」
「おい、なんか答えろよ! 」
「ちょ…おい! やめろよ…やめろよ!」
俯いたままで奴は、ゆっくりと立ち上がる。まだ朦朧としてるらしいが、首輪の威力はさっき見てきた通りだ。これは確実にまずいことになるぜ…!
「ねえ…うそでしょ兄貴…? そんなあっさりって…」
「すぐ外します、ラスファさん!」
口々に仲間が呼びかけるが、奴は俯いたまま答えねぇ。
マジか…これまで有利に進めてきた戦況が、一気にひっくり返されちまう!
「勘弁してくれよ! オレこいつ敵に回したくねぇんだけど!?」
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