283 / 405
mission 4 ワンコ王国、建国のススメ!
堅城、陥落!
しおりを挟む
side-アーチ 11
面白ェことになってきやがった!
オレらの工作で、ギルド本部前は大騒ぎになっている。こりゃ建物内でも相当な修羅場になってるぜきっと! オレは懐に忍ばせた毛玉を意識しながらそっと建物の側面に回った。
こういう古い建物は、大抵引っ掛けやすい突起くらいはあるもんだ。こういう壁の一つも登れねぇんじゃ、盗賊は名乗れねぇぜ?
楽勝な壁登りの後は、ご存知交渉人の時間だ! ま、黙って見ててくれよ? 損はさせねぇぜ?
「この騒ぎを収めるには、先刻伝えた条件を呑んでもらう他ないのでは?」
おーお、やってるやってる! コイツお得意の、悪魔のささやきだ!
「悪いことばかりでもない。向こうの特産品は、こちらにとっても有用なはず。魔術文様を織り込んだ上質な布も、この先大いに役立つはずだ」
そこまで聞くと、オレは満面の笑みで柱の陰から顔を出した。
「よお、どうせなら現物見てみねぇ?」
唐突な登場に全員が驚くが、構うことァねェ! フローネが織った上質の布をちょびっと広げてヒラヒラさせる。
「お…お前どこから?!」
激昂するおっさんはオレに掴みかかってきた。ひょいと余裕で躱すと、オレは軽口を叩く。
「おいおい。牛じゃあるまいし、布ヒラヒラで興奮すんなよ。それにここの警備、わりかしザルだったぜ?」
チャールズのおっさんに布を突き出すと、恐る恐るといった風に布地を確かめた。途端に目つきが変わる。うん、このおっさんはアレだ。経理とか、帳簿とか? 完全に目つきがそっち寄りの方向に行ってやがるぜ。
って事は、帳簿がらみの方向から攻めりゃ攻略しやすいってことか? わかりやすくて助かる、やったね♪
「いままではこー言うのって、刺繍に頼っていたばっかだったよなぁ? だがこれは、織る段階で文様が入ってる。これまで使えなかった部分にも、応用がきくってこった。今が分岐点だと思うぜ? それに見てみな、この騒ぎを? 収まりつけられんのか、アンタによ? どうするのが誰にとっても一番得か、アンタだったらわかるだろ?」
それがトドメとなった。
おっさんは眉間にしわを寄せてじっと考え込む仕草をすると、諦めたようにかぶりを振る。
「仕方がない…降参だ」
やっとの事でそれだけ言うと、片眼鏡のおっさんはどっさりとソファに座り込んだ。
「友好条約でも不可侵条約でも結べばいい。ああ、救護要請もだったな…好きにしろ」
魂の抜け切ったカオで天を仰ぐと、チャールズのおっさんは座り込んだままで背もたれに身を預ける。オレは懐を少しだけ広げた。
「本気で属国化するつもりだったのか?」
ラスファの問いに、おっさんは脱力しきった声を上げた。
「ああ…その前に、この街の由来は知っているな? 遺跡研究の学者と、その護衛の冒険者が集まり住み着いて成り立った街だと」
オレも含め、唐突な疑問に怪訝な顔しながらも全員は黙って頷く。
「じい様が、その研究者の一人だった」
面白ェことになってきやがった!
オレらの工作で、ギルド本部前は大騒ぎになっている。こりゃ建物内でも相当な修羅場になってるぜきっと! オレは懐に忍ばせた毛玉を意識しながらそっと建物の側面に回った。
こういう古い建物は、大抵引っ掛けやすい突起くらいはあるもんだ。こういう壁の一つも登れねぇんじゃ、盗賊は名乗れねぇぜ?
楽勝な壁登りの後は、ご存知交渉人の時間だ! ま、黙って見ててくれよ? 損はさせねぇぜ?
「この騒ぎを収めるには、先刻伝えた条件を呑んでもらう他ないのでは?」
おーお、やってるやってる! コイツお得意の、悪魔のささやきだ!
「悪いことばかりでもない。向こうの特産品は、こちらにとっても有用なはず。魔術文様を織り込んだ上質な布も、この先大いに役立つはずだ」
そこまで聞くと、オレは満面の笑みで柱の陰から顔を出した。
「よお、どうせなら現物見てみねぇ?」
唐突な登場に全員が驚くが、構うことァねェ! フローネが織った上質の布をちょびっと広げてヒラヒラさせる。
「お…お前どこから?!」
激昂するおっさんはオレに掴みかかってきた。ひょいと余裕で躱すと、オレは軽口を叩く。
「おいおい。牛じゃあるまいし、布ヒラヒラで興奮すんなよ。それにここの警備、わりかしザルだったぜ?」
チャールズのおっさんに布を突き出すと、恐る恐るといった風に布地を確かめた。途端に目つきが変わる。うん、このおっさんはアレだ。経理とか、帳簿とか? 完全に目つきがそっち寄りの方向に行ってやがるぜ。
って事は、帳簿がらみの方向から攻めりゃ攻略しやすいってことか? わかりやすくて助かる、やったね♪
「いままではこー言うのって、刺繍に頼っていたばっかだったよなぁ? だがこれは、織る段階で文様が入ってる。これまで使えなかった部分にも、応用がきくってこった。今が分岐点だと思うぜ? それに見てみな、この騒ぎを? 収まりつけられんのか、アンタによ? どうするのが誰にとっても一番得か、アンタだったらわかるだろ?」
それがトドメとなった。
おっさんは眉間にしわを寄せてじっと考え込む仕草をすると、諦めたようにかぶりを振る。
「仕方がない…降参だ」
やっとの事でそれだけ言うと、片眼鏡のおっさんはどっさりとソファに座り込んだ。
「友好条約でも不可侵条約でも結べばいい。ああ、救護要請もだったな…好きにしろ」
魂の抜け切ったカオで天を仰ぐと、チャールズのおっさんは座り込んだままで背もたれに身を預ける。オレは懐を少しだけ広げた。
「本気で属国化するつもりだったのか?」
ラスファの問いに、おっさんは脱力しきった声を上げた。
「ああ…その前に、この街の由来は知っているな? 遺跡研究の学者と、その護衛の冒険者が集まり住み着いて成り立った街だと」
オレも含め、唐突な疑問に怪訝な顔しながらも全員は黙って頷く。
「じい様が、その研究者の一人だった」
0
あなたにおすすめの小説
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる