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short mission 4 宅配戦線、異常あり!
村長宅にて作戦会議
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Side-デュエル 2
風に乗って酒場から歓声が流れてくる。毎度毎度のことながら、本当に盛り上げるのは上手い。そこだけはマジで感心するよ、本当に…。
今回もまたハデにやってるな、アーチの奴は…。
情報収集という名目で挨拶もそこそこに酒場に行かせたが、頼むから羽目を外しすぎてくれるなよ…。
ちなみにアーチ以外の者は、夕食をご馳走になった後で村長宅にて作戦会議だ。
広げられた地図には、いくつか印がつけられている。配達先でもある領主の屋敷までの道のりと、襲撃に備えての危険地帯の確認だ。
「セオリーで考えるなら、見通しの良い街道で堂々としかけてくるとは思えないな」
「とりあえず…ここの狭い谷と、領主の館前にある橋を最も警戒すべきか?」
「ああ。あと、ここにある森からの奇襲も考慮した方が良さげだな」
俺とラスファの手慣れたやりとりを見て、村長は感心したような唸り声を上げる。ちなみに年の頃は、五十代を少し超えたくらいだろうか? 現役らしく、まだらの白髪の下で光る眼光は鋭い。
息子のネルソンは俺たちと同年代くらいに思えたが、この村長とは全く似ていない。全体に息子の雰囲気がゆるいのだ。
「流石に冒険者の方ともなれば、こういった経験は多いのでしょうな」
パイプから紫煙を燻らせつつ、彼は 顎に蓄えたヒゲを撫でる。
「はは…まあそれなりには実戦を潜ってますので」
「それは頼もしいですな。明後日はよろしくお願い致します」
彼は安心したように、意外と人懐っこい笑みをみせた。
その村長の言葉をラスファが遮る。。
「いや。明後日とは言わず、明日の早朝に出立だ」
「…は?」
村長は目を点にして聞き返す。
「明日…ですか? それはまたどうして? 領主様の酒宴は明後日ですぞ?」
「だからこそだ」
その言葉に驚いて、部屋の隅でくつろいでいたアーシェやラグもこっちに来る。
「えー兄貴、明日出るってマジで?」
「そうですわ。それに、師匠もまだお戻りではありませんよ?」
二人の不満そうな声に、彼はテーブルに広げた地図を指し示す。
「村長。領主の晩餐会は明後日の日没…それで間違いはないな?」
唐突な質問に、村長は気圧されたようにカクカクと頷いた。
風に乗って酒場から歓声が流れてくる。毎度毎度のことながら、本当に盛り上げるのは上手い。そこだけはマジで感心するよ、本当に…。
今回もまたハデにやってるな、アーチの奴は…。
情報収集という名目で挨拶もそこそこに酒場に行かせたが、頼むから羽目を外しすぎてくれるなよ…。
ちなみにアーチ以外の者は、夕食をご馳走になった後で村長宅にて作戦会議だ。
広げられた地図には、いくつか印がつけられている。配達先でもある領主の屋敷までの道のりと、襲撃に備えての危険地帯の確認だ。
「セオリーで考えるなら、見通しの良い街道で堂々としかけてくるとは思えないな」
「とりあえず…ここの狭い谷と、領主の館前にある橋を最も警戒すべきか?」
「ああ。あと、ここにある森からの奇襲も考慮した方が良さげだな」
俺とラスファの手慣れたやりとりを見て、村長は感心したような唸り声を上げる。ちなみに年の頃は、五十代を少し超えたくらいだろうか? 現役らしく、まだらの白髪の下で光る眼光は鋭い。
息子のネルソンは俺たちと同年代くらいに思えたが、この村長とは全く似ていない。全体に息子の雰囲気がゆるいのだ。
「流石に冒険者の方ともなれば、こういった経験は多いのでしょうな」
パイプから紫煙を燻らせつつ、彼は 顎に蓄えたヒゲを撫でる。
「はは…まあそれなりには実戦を潜ってますので」
「それは頼もしいですな。明後日はよろしくお願い致します」
彼は安心したように、意外と人懐っこい笑みをみせた。
その村長の言葉をラスファが遮る。。
「いや。明後日とは言わず、明日の早朝に出立だ」
「…は?」
村長は目を点にして聞き返す。
「明日…ですか? それはまたどうして? 領主様の酒宴は明後日ですぞ?」
「だからこそだ」
その言葉に驚いて、部屋の隅でくつろいでいたアーシェやラグもこっちに来る。
「えー兄貴、明日出るってマジで?」
「そうですわ。それに、師匠もまだお戻りではありませんよ?」
二人の不満そうな声に、彼はテーブルに広げた地図を指し示す。
「村長。領主の晩餐会は明後日の日没…それで間違いはないな?」
唐突な質問に、村長は気圧されたようにカクカクと頷いた。
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