古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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short mission 4 宅配戦線、異常あり!

危険なカケラ

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Side-アーチ 5

「被害者であるお嬢さんたちには一人一人誠心誠意謝罪して、納得いく形になるよう取り計らってきた。唯一産まれた子は養子に出すと言っていたのをこちらに預けてもらった。お前がしでかしてきたことは、ここでは言い切れない程の件数が報告されている」

 淡々と領主は断罪の言葉を重ねていく。正直言って胸糞悪りィ…女は弄ぶもんじゃねぇ、笑顔にするもんだろうが!
 さんざ女遊びしてるオレが言えたことじゃねぇが、オレのは全て遊びと割り切った合意の上だ。だがコイツは違う。

 今や甥は孤立無援となっていた。周囲から浴びせられる冷え切った目線と痛いほどの沈黙。
 自分の地位を脅かすのが、自らの行状とは皮肉なこったな?

「後継者の問題は解決した。そしてその為の廃嫡手続きは済ませてある! お前はもう我が領の後継者ではなく、ただの犯罪者だ!」
 高らかな宣言でとどめが刺された時、甥は獣のような叫び声を上げた。 

「お…伯父貴ィィィィィ!!!」

 その叫びを聞いた瞬間、オレの身に異変が起こった。この感覚…まさか!
 間違いない。こいつ…持ちだ! それも、一つや二つじゃねェ。複合的にいくつかの種類のカケラを持ってやがるんだ!

 カケラ…それは神話レベルの昔、神との戦で倒された七人の魔王のカケラのことだ。 
 傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・色欲・暴食・そして強欲の名をつけられた悪徳のカケラ。

 小さなカケラは浄化しきれず、人の中に混じって現れる。小さけりゃ、人並外れた力を与える事が多いんだが…ある程度の大きさのカケラを持ってしまうと暴走する危険が生じてくるのだ。

 それは持つ者をカケラに応じた衝動に駆り立てる。おそらくこいつも、カケラに呑まれちまってる! そしてオレの中にもあるカケラと、共鳴してやがるのか!

 不気味な共鳴現象は、すぐに収まった。
 奴の笑みが、いつのまにか復活していた。
「…いいさ…。ここに居る全員をみんな消しちまえば、なかったことにできるさ…」
 奴の笑みは、完全にぶっ壊れていた。
「…ってオイ、何する気だオメーは!」

  甥の奴の手には、数枚のカードがある。ありゃ、アーシェのと同じ召喚の札だ! まさか…!

「あんた…召喚師なの?!」
 アーシェが驚愕の声を上げる。他の連中も、一斉に身構えた。
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